(レポ&写真) [パンクラス] 7.27 後楽園:井上克也、再び暫定王者に
ワールドパンクラスクリエイト "PANCRASE 2007 RISING TOUR" 2007年7月27日(金) 東京・後楽園ホール 観衆:2,200人(超満員:主催者発表)
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
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第9試合 メインイベント ウェルター級暫定キング・オブ・パンクラス決定戦 5分3R ○井上克也(和術慧舟會RJW/2位) ×ファブリシオ・ナシメント(ブラジル/ノヴァ・ウニオン・イタリア / bodog/5位) 2R 2'33" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ) ※井上が暫定王者に
1R、リーチのあるナシメントがブン回すような右ストレートと右ローを先に放ち続け、井上はなかなか手を出せず。だが2R、ナシメントのタックルを切って上になると、強烈な左のパウンドを連打。柔術家のナシメントも下から腕十字を狙い抵抗するが、井上は難なく振りほどくと、調印式での予告通りにサッカーボールキックを当てる。最後もパウンドを連打。ナシメントの顔は鼻血で次第に赤く染まり、無抵抗となったところで廣戸レフェリーが試合をストップした。 リング上で井上は「今日の内容だと、まだ暫定にはなれていない」と、1Rから攻められなかったことを反省。正王者・石毛大蔵との統一戦については「ちゃんと石毛選手が回復したらやりたい。来年でも構わない」と改めて語った。
第8試合 セミファイナル ライト級 5分3R ×昇侍(K.I.B.A.) ○ジョゼ・アルド(ブラジル/ノヴァ・ウニオン / bodog) 判定0-3 (和田28-30/梅木27-30/岡本29-30)
1Rからアルドがテイクダウンし、マウントを取りそうになると、昇侍(しょうじ)が脱出するという展開の繰り返し。アルドはなかなか優位な状態をキープできないが、昇侍もスタンドに戻ってからの打撃が一発狙いになってしまうことが多く、チャンスをつかめず。結局最後までアルドが主導権を維持し完勝。近く新設されそうなライト級ベルトに一歩近づいた。
第7試合 ミドル級 5分2R ×佐藤光留(パンクラスism/3位) ○福田 力(KILLER BEE) 1R 1'09" KO (グラウンドパンチ)
開始すぐ、リーチのある福田のジャブ気味の左ストレートが佐藤の顔面に突き刺さると、一気にチャンス。上を制した福田は的確に重いパウンドを当てる。いったん脱出した光留は、足関を狙うような動きで飛びつくが中途半端に。再び上になった福田が最後もパウンドを連打し完勝した。ダメージの大きい光留は担架で運ばれた。 福田はアメリカでの試合と、アメリカン・キックボクシング・アカデミーへの出稽古を経て、よりたくましくなった感がある。これでミドル級ランク入り確定。来年あたりタイトルを獲っていても不思議ではない。
[第13回ネオブラッド・トーナメント 決勝戦]
第6試合 ミドル級 5分2R ○藤井陸平(和術慧舟會RJW) ×岩見谷智義(高田道場) 判定3-0 (梅木○20-20/廣戸20-19/和田20-18) ※藤井が優勝
藤井がパンチの打ち合いで岩見谷をぐらつかせ、2Rには首相撲からの膝蹴りで岩見谷の右目の下を切り裂き、的確にダメージを与えたことが評価され勝利した。岩見谷もセコンドの西島洋介を思わせるパンチを当てたり、レスリング仕込みのタックルで両ラウンド終盤に上になるが、それぞれのチャンスを活かせなかった。
第5試合 ウェルター級 5分2R ○ヨシロックT(和術慧舟會A-3) ×高田谷悟(格闘技吉田道場) 1R 3'12" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ) ※ヨシロックが優勝。MVP獲得
一昨年のネオブラ王者・小路にKO勝ちしたこともあるヨシロックが、ネオブラでも盤石の実力を発揮し、今年のネオブラMVPを獲得した。 開始すぐ、強烈なインローを当てると、タックルで上になる。ネオブラは予選から這い上がった高田谷(たかだや)も、下から得意の腕十字を狙う等、寝技で対抗。だがヨシロックは凌ぎきって高田谷のタックルを潰すと、持ち前の筋力を活かした得意の鉄槌をひたすら連打し、レフェリーストップ勝ちをおさめた。
第4試合 ライト級 5分2R ○五十里祐一(パンクラスP's LAB東京) ×松本晃市郎(今田道場) 判定3-0 (和田20-19/岡本20-19/廣戸20-19) ※五十里が優勝
5月の準決勝の後、松本は「五十里選手の試合は面白く無い。KOで勝ちます」とマイクアピール。五十里はそのことを意識してか? 田原俊彦の「抱きしめてTONIGHT」をBGMに、着流し姿で日本刀を松本に突きつけるという謎のパフォーマンスで登場する。 だが見せ場を作ったのは入場だけでは無かった。両ラウンドとも松本にマウントを奪われるが、極めのチャンスを与えずリバースして上に。2R中盤からは執拗なタックルで松本のスタミナを奪うと、終盤にはマウントパンチの雨を降らせ、文句無しの判定勝ちをおさめた。
フェザー級 5分2R ×宮城友一(P's REAL) ○吉本光志(AJジム) 不戦勝 ※吉本が優勝
不戦勝で優勝という結果を得た吉本も、表彰式に登場。マイクを持つと「前田(吉朗)くん、極められるかぶん殴られるかの熱い試合をしましょう。オープンフィンガーグローブを握って、K-1 HERO'Sにもチャレンジしたいです」とアピールした。吉本は9月5日のパンクラス後楽園大会で、初のランキング戦に臨むことが決定しており、その試合が試金石となる。
[日韓対抗3vs3]
第3試合 大将戦 フェザー級 5分2R ×村山トモキ(AJジム) ○ジョン・ジンソク(韓国/ウルフ・チーム・マックス) 1R 0'40" KO (スタンドパンチ)
キックボクシングの村山と、柔道のジンソクという構図でもあったが、ジンソクは既にプロの総合で8勝3敗の経験を積んでおり、総合のキャリアでは村山よりも上。元々、フェザー級トップランカーの志田幹との対戦予定だったこともあり、韓国のキック王者と打撃練習を積んで来たという。「打撃で勝負し、難しければ寝技で勝負したい」と打撃に自信を示していたが、試合はそれを証明する内容に。 開始すぐ、スタンドの攻防で左ジャブをクリーンヒット。村山の腰がこれ一発で落ちると、ジンソクはロープに詰めてパンチの連打を見舞い、村山をマットに沈めた。試合後マイクを持つと今回流れた志田との対戦を希望。フェザー級戦線にまた一人面白い選手が加わった。
第2試合 中堅戦 ウェルター級 5分2R ○坂口征夫(TEAM坂口道場) ×チェ・キーソク(韓国/チーム・タックル) 1R 0'44" ギブアップ (チョークスリーパー)
チーム・タックルのレスリングコーチ、キーソクは今回が総合プロデビュー戦。開始すぐ、両手を振り回しながら坂口に突進するが、坂口は落ち着いて首相撲で捕まえて得意の膝蹴りを連打する。キーソクが弱ったとみるや、すぐさま背後からチョーク。立ったままリング上で引き回しの刑にし、念願のプロ初勝利をもぎ取った。
第1試合 先鋒戦 ライト級 5分2R △伊藤崇文(パンクラスism/2位) △カク・サジン(韓国/チーム・タックル)※サジン・クォークから変更 判定0-0 (和田20-20/岡本20-20/谷内20-20)
2月のウマハノフ戦で敗れた後、引退を示唆した伊藤。再起戦はセコンドをつけず、たった一人でリングに向かう。両者レスリングがベースで、特にナチュラルな体型で上回るサジンが執拗なタックルからのテイクダウンで試合の流れを作る側に。だが伊藤はサジンに上をキープされることなく、その都度脱出し、アームロックやパウンドで応戦する。大きなチャンスは得られずドローに終わったが、伊藤の勝ちへの執念がいつも以上に感じられる一戦だった。
◆パンクラスゲート ※開場後〜本戦開始前に実施
第4試合 ライト級 5分2R △井上誠午(和術慧舟會GODS) △原 昭仁(坂口道場) 時間切れ
第3試合 フェザー級 5分2R △佐々木亮太(B-CLUB) △齊藤 曜(パラエストラ仙台) 時間切れ
第2試合 フェザー級 5分2R △杉島大輔(和術慧舟會東京本部) △江上 剛(品川CS) 時間切れ
第1試合 フェザー級 5分2R △本田智昭(KILLER BEE) △江泉卓哉(総合格闘技道場武門會) 時間切れ
Last Update : 07/28 12:17
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