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(レポ&写真) [パンクラス] 12.4 ディファ:近藤、矢野と組技戦で引分

パンクラス
"SEGA SAMMY Presents PANCRASE 2005 SPIRAL TOUR"

2005年12月4日(日) 東京・ディファ有明

  レポート&写真:井原芳徳
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第8試合 メインイベント ウェルター級 5分3R
○伊藤崇文(パンクラスism/6位)
×アンディ・ウォン(台湾/アジアン・インベイジョン)
判定2-1 (廣戸30-28/梅木30-29/和田29-30)


 1Rはスタンド中心の展開。伊藤が終盤に左ハイをクリーンヒットさせチャンスをつかむ。だが2Rにはスタンドでウォンのワンパンチでぐらつく場面が数度。打たれ弱さを改めて露呈する。だが3R、ウォンが蹴りを空振りし転倒。伊藤は上からのパウンドと腕狙いで執拗に攻め続け、冷や汗ながらも勝利を奪いism興行を締めた。

第7試合 セミファイナル キャッチレスリングルール 無差別級 5分2R
△近藤有己(パンクラスism/ライトヘビー級王者/87.5kg)
△矢野卓見(烏合会/ライト級/67.9kg)
判定1-1 (梅木19-20/和田20-20/岡本20-19)


 1R、体格で勝る近藤が何度か上に。たまにサイドを取るが、極めを狙うようなチャンスはなく、やや単調な展開に。だが2R、矢野が足関十段・今成正和を彷彿とさせるスライディングから足関で近藤をつかまえる。近藤は転がってロープ際まで動いて必死の防御。かろうじて脱出に成功する。終盤には近藤がマウントを取るが、前腕でギロチンを仕掛けようとするだけでチャンスらしいチャンスは無し。テイクダウンと極めのどちらを評価するかで判定は割れ、ドローに終わった。試合後の近藤は「相手が足を取りにきた時に一瞬反応が遅れた。そのタイミングを逆に自分の技にして、大みそかの男祭りの中村選手との試合で仕掛けたい」とコメント。この試合の反省を糧にできるか見物だ。

第6試合 パンクラス旗揚げルール(ロストポイント3) 10分一本勝負
△佐藤光留(パンクラスism/86.8kg)
△佐々木恭介(U-FILE CAMP/79.8kg)
ロストポイント0-0 判定0-0 (梅木30-30/和田30-30/岡本30-30)


 「旗揚げルール」と記してもわからない方が今では多いと思われるので簡単に説明すると、グローブを付けず、顔面打撃は手のひらのみで許され、ダウン以外にも関節技・絞め技に対する「ロープエスケープ」が認められ、これも失点対象となる。パウンドが無いため、寝技ではグラップリングやZSTに近い関節技の攻防となる。
 この試合でもやはりそうなるのだが、旗揚げルールにこだわる光留と、パンクラスのさらに源流となるUWFにこだわる佐々木の試合となると、やはり10年以上前にタイムスリップしたような光景に。光留がバックを取ると、佐々木が下に潜り込んで足関節技を狙ったり、あるいはガードの状態でも上と下の両者が「オイコラ!」と挑発しながら顔を張りあったりする。
 懐かしさは感じた。だが若々しさはというと…? あの時代、UWFは最先端だった。当時のような新しい地平を切り開いていくという気概は特に感じられず、このルールの味を懐かしむだけに終わったような気がしてならない。

◆空手エキシビション:大石幸史(パンクラスism/ウェルター級3位)
 空手の型と組み手と試割りを披露。組み手に投げと関節技も取り入れられているのが、一般的なフルコン空手との違いだ。最後はバットを蹴りで真っ二つに割ってみせた。

第5試合 ミドル級 5分2R
○金井一朗(パンクラスism)
×秋元駿一(和術慧舟會岩手支部)
2R 4'32" TKO (ドクターストップ:スタンドパンチによる左目の負傷)


 スタンドのボクシングで一進一退の攻防。両者出血する激しい試合となるが、次第に主導権は金井に。1R残り1分、金井が左ジャブを皮切りに、右、左のストレートを連打し秋元をふらつかせる。2R中盤には両者ともドクターチェックを受けるほど激しい殴り合いとなったが、ダメージが大きいのは秋元の方。タックルでグラウンドに持ち込もうとしたところ、左まぶたの出血がいっそう激しくなり、ドクターが試合をストップ。金井が復帰戦を白星で飾った。

第4試合 パンクラスアテナ -54kg契約 3分5R
○WINDY智美(パンクラスism)
×SAYAKA(ガールファイトAACC)
1R 2'14" TKO (レフェリーストップ:右ハイキック)


 開始早々、柔道出身のSAYAKAがコーナーに押し込んでテイクダウンを狙うが、WINDYはこらえ続けレフェリーがブレイク。するとWINDYはスピードのある細かい動きでプレッシャーをかけ、パンチの連打とローキックで主導権を握る。男子顔負けの打撃に会場がため息に包まれるが、フィニッシュはさらに圧巻。ロープ際に詰めると右ハイキック一撃でSAYAKAの左まぶたを切り裂き、SAYAKAが嫌がって背中を向けたところでレフェリーが試合をストップした。

第3試合 ライトヘビー級 5分2R
○川村 亮(パンクラスism)
×小谷野澄雄(烏合会)
判定3-0 (岡本20-19/廣戸20-19/梅木20-19)


 ism期待の新人・川村のパンクラスデビュー戦はボクシング主体の攻防に。何発かもらいながらもコンビネーションを当て相手の鼻血を誘う。タックルで倒されかける場面もあったが、押さえ込まれることなくスタンドに戻す技術は近藤や大石を彷彿とさせる。
 接戦となったが、スタンドに戻った残り1分に底力を発揮。小谷野と真っ向勝負の殴り合いを繰り広げ会場を沸かせ、なおかつ小谷野の鼻から大量の出血を誘う。結局最後の一踏ん張りが功を奏しデビュー戦を白星で飾った。
 この日の大会終了後、近藤は「休憩明けから自分を含めてもの足りなかった」と語り、逆に前座は良かったということか?と聞くと「そうですね。よく頑張ってましたね」と答え、川村らの激闘を評価していた。パンクラスの尾崎社長も「デビュー戦であれだけできれば大合格点」と絶賛。暗い話題の多い最近のパンクラスだが、年の最後、明るい話題が一つできた。

第2試合 フェザー級 5分2R
×築城 実(パンクラスP's LAB東京)
○裕希斗(U-FILE CAMP)
1R 0'15" ギブアップ (腕ひしぎ十字固め)


 かつて前田吉朗とも対戦経験のある築城が引退試合。あっけなく敗れたが、結果には納得。試合後はP's LAB東京のトレーナーでもある梅木良則レフェリーと抱き合い共に涙を流した。

第1試合 フェザー級 5分2R
○島田賢二(パンクラスP's LAB東京)
×柳澤雅樹(PPT)
2R 2'42" KO (左ストレート)


 柳澤の下からの攻めでヒヤリとする場面もあった島田だが、スタンドで反撃。カウンターの左で見事相手をなぎ倒した。

パンクラスゲート第1試合 ウェルター級 5分2R
△虎(SKアブソリュート)
△LUIZ(禅道会)
時間切れ

Last Update : 12/04 22:19

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