ムエタイ 3.19 ラジャダムナン:福田海斗、実力者に判定勝ち。スーパーフライ級ランキング入りに前進
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スック・ワンギントーン
2018年3月19日(月) タイ・バンコク・ラジャダムナンスタジアム
記事提供:MuayThai Super Fight
第4試合 115-116ポンド(52.16-52.61kg)契約
○カイト・ウォーワンチャイ [福田海斗](キング・ムエ/元タイ国プロムエタイ協会フライ級王者)
×イサーンキアオ・ヌンポンテープ(タイ)
判定3-0(49-48/49-48/49-48)
ラジャダムナンスタジアムを主戦場に活躍を続ける福田海斗が、強豪イサーンキアオに判定勝利しランキング入りに一歩近づいた。
福田は前回、昨年末のラジャダムナンスタジアム72周年生誕記念興行でオムノーイスタジアムバンタム級ランカーのカノンスックに判定負け、その後今年2月に出場が決まっていたブリラムでの興行が中止となり、今回が今年初戦となった。
対するイサーンキアオは有名選手サターンムアンレックを擁するヌンポンテープジム期待の選手。前回は現ラジャ・スーパーフライ級9位のキムルエイ・サンティウボンと対戦しており、すでにランカークラスとの呼び声も高い。両者ともヒザが得意ということもあり、好試合が期待されていた。
試合序盤は静かな立ち上がり。お互いローで牽制するが、中盤福田が放った左ミドルが爆音を立ててヒットし、イサーンキアオの顔色が変わる。
第2ラウンドから両者前に出て、福田が右ミドルから入りワンツーにつなぐ。イサーンキアオはタイミングの良いヒジのカウンター。一瞬福田がグラつきギャンブラーも沸き始める。早くも両者得意の首相撲となり、ヒザとヒジが交錯するスリリングな展開となった。途中、イサーンキアオのヒジがヒットし福田の左頬をカット。ピンチを迎えた福田だが構わず前に出て右ヒザのカウンターを当てる。
中盤の第3ラウンド、福田は右ミドルから入りヒザにつなぐ。首相撲の体勢になっても良いポジションを取るようになり、試合を優位に進めはじめる。イサーンキアオは前蹴りで突き放そうとするが、福田の首相撲に付き合わされる展開。常に先手で攻めるのは福田だが、イサーンキアオもうまく首相撲をコントロールしヒザを蹴り込む。このラウンド終了時で賭け率6-1と福田がリード。
そして勝負の分かれ目となる第4ラウンド、福田が先手を取り右ミドルからパンチへつなぐ。イサーンキアオを深く組んで福田の動きを封じようとするが、福田に顔を押さえられ、体勢がうまく取れない。離れてもヒジの打ち際に福田の左ヒザを合わされ苦しい展開。しかし、ここからイサーンキアオもランカークラスの意地を見せ、福田のヒザにコカし技を決め福田を転倒させることに成功。ギャンブラーも一気に沸き立つ。ここで福田は作戦を変え離れてハイキック。クリーンヒットはしなかったものの、イサーンキアオも踏み込めなくなった。そして離れた距離から福田が飛び込んでの右ヒザ。この一発で大きく賭け率が動き、第4ラウンド終了時で30-1と大きく福田がリードした。
最終ラウンド、ムエタイの定石通り福田は深追いせずミドル、前蹴りで距離をキープ。ムエタイの重要なテクニックの一つである“外し”を完璧にこなし、見事判定勝利となった。
試合後、プロモーターであるウィナイ・ナックシン氏は、「カイトは良い動きだった。が、まだまだ彼の本調子ではないだろう。トップへ行くためにはまだまだ経験が必要だ。次回は4月18日の興行でセミファイナルクラスで試合をさせる」と語った。
ラジャダムナンスタジアムの平日興行第4試合という試合順で判定勝利を収めたのは大きい意味を持つだろう。次回もランカークラスとの対戦となろうが、またここで勝利すればスーパーフライ級のランキング入りが見えてくる。壮大なチャレンジをし続ける福田、今後も厳しく険しい道のりを進む。