ホーストカップ女子バンタム級王者・谷山佳菜子、プロボクサー転向へ「藤岡奈穂子選手のようなチャンピオンになりたい」
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ホーストカップ女子バンタム級王者の谷山佳菜子が、キックボクサーからプロボクサーへの転向を目指し、7月26日に後楽園ホールでのプロテストのB級女子を受験し、同日夜に合格が発表された。
谷山は1986年12月17日生まれの31歳。大阪の正道会館在籍時の2009年と2010年に、極真会館の世界女子空手道選手権の軽量級(-55kg)を連覇。同年12月にJ-GIRLSでの超弁慶戦でプロキックボクシングデビューし、11年にJ-GIRLS -53kg Japan Queenトーナメントで優勝。13年11月には故郷の熊本でのLEGENDで谷村郁江に勝利しタイトルを獲得した。12年9月にJ-GIRLS(大石ゆきの戦)、14年7月のKrush(朱里戦)でタイトルに挑戦し、いずれも敗れる。14年11月から主戦場としたホーストカップでは女子のエース格として活躍し、16年3月には大石綾乃に勝利し、初代ホーストカップ女子バンタム級王者に(上写真)。だが16年10月のホーストカップのマリア・ゾエワ戦の1か月後に膝の半月板と軟骨を損傷し、手術を3度受け、試合から遠ざかっていた。
ボクシング転向の経緯について谷山は「膝の怪我のリハビリを続けていて、『キックボクシングに復帰するには負担が大きい』とお医者さんに言われ、引退という考えも浮かんだんですけど、このままでは終われないと思った時に、以前から女子ボクシングの選手の方々とも交流があったので、自分もボクシングの世界に飛び込んでみようと思いました。それが去年の12月ですね。年齢も年齢なので、周りから『そんなに頑張らなくてもいいんじゃない?』とも言われて、迷ったんですけど、ボクシングという道があると思ってからは、迷わずそっちに向かってやっています」と語る。
谷山によると、これまで世話になった真正会の中本直樹代表も「『ボクシングでもチャンピオンになれ』と凄く応援してくれています」といい、河野公平、田口良一、内山高志、京口紘人、江畑佳代子ら強豪の多数在籍するワタナベボクシングジムに円満移籍。「大阪よりも東京のほうがチャンスが多いと聞き、大きいマッチメイクをしているワタナベジムに移籍することが、自分が望んでいる方向に行けると思って選び、5月に引っ越しました」「パンチの攻防が細かいので、奥が深いと思いますね。トントンとは行かないと思いますけど、早くそういう技術も身に着けてチャンピオンになりたいです」「キックボクシングをやってきた分、他の選手よりもフィジカルがあると思うので、パワフルな試合がしたいです。谷山の試合は面白いと言ってもらえるようになって、いつかテレビで放送されて、熊本の田舎の家族に見せたいです」と話し、目を輝かせた。
プロテストは筆記テスト、健診等を経て、リング上でのシャドーボクシングとスパーリング。選手のレベルによってB級・C級の2段階に分かれており、谷山はこれまでの空手とキックの実績も評価され、B級を受験した。女子でB級となると受験者が少なく、谷山は同じワタナベジムの選手(千本瑞規)が相手となり、少し慎重になる場面もあったが、試験官からのインターバル中の「B級なんだから、もっと手を出そう」という声に押され、最終の3R目には積極的にパンチをヒットした。観客のいない静かな後楽園ホールでのスパーリングのため、「今までに味わったことのない緊張感がありました」とのことだが、集中力や判断力の面では、プロで場数を踏んできた経験も活きていたようにも見えた。
理想の選手像を聞かれると、「ボクシングで5階級制覇をしている藤岡奈穂子選手です」と即答。「キックボクシングでパンチのウィークポイントを直す時に、藤岡さんを頼って練習させていただいたことがありました。今も時々練習をさせていただいています。技術も立ち居振る舞いも全てが尊敬できます。後輩たちにも一生懸命教えていて、ボクサーはこうあるべきだ、っていうのが藤岡さん自身からにじみ出ているので、私も藤岡さんのようなチャンピオンになりたいです」と話した。