(レポ&写真) [NJKF] 3.5 後楽園:米田、タイ2冠王から大金星のKO勝利
ニュージャパンキックボクシング連盟 "ADVANCE II 〜前進〜" 2006年3月5日(日) 東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
第12試合 ダブルメインイベント 国際戦 55kg契約 3分5R ×タップナー・シットロムサイ(タイ/ラジャダムナン&WMCスーパーフライ級王者) ○米田貴志(OGUNI/NJKFバンタム級2位) 4R 2'16" KO (3ダウン:右ローキック) ※1R米田に2ダウンあり。1度目は左ストレート、2度目は右ストレート
タップナーは昨年7月の童子丸戦、9月の国崇戦同様、開始早々から回転の早いパンチでラッシュ。左ミドルや左ハイも絡め米田を圧倒し、左ストレートで最初のダウンを奪う。さらに右ストレートでダウンを奪い、米田万事休すかと思われた。 しかし米田が落ち着いた表情で左ミドルを返すと、タップナーは序盤に力を使った影響もあってかラッシュ力が急落。米田は1Rを凌ぎきる。 2Rも序盤はタップナーのラッシュから始まるも、米田は耐えると左ロー、左ストレートを当て後半は優勢。インターバルにはソムチャーイ高津トレーナーから「次のラウンド、とにかく我慢しろ」という声が飛ぶ。 3Rになると完全に米田のペースに。左ローを効かせつつ、左ストレート、左ボディ、左ハイを上下多彩に打ち分けタップナーに攻めさせない。タップナーはローに嫌そうな表情を見せるように。
すると4R開始まもなく、米田の強烈な左ローでついにタップナーがマットに崩れ落ちた。場内は大歓声。タップナーは必死にパンチを振り回し米田を苦しめるが、米田はさらに左ローでダウンを奪う。タップナーのパンチ、米田の左ローの消耗戦。とはいえタップナーは既に踏み込む力が無く手打ち状態で、パンチをブロックした米田が、最後は右ローを叩き込みタップナーを撃沈。会場はスタンディングオベーションとなり、割れんばかりの歓声に包まれた。
◆米田「勝った実感が無いですね。ホントかなぁ?(作戦は?)1Rから来るのはわかってたんで、パンチをガードしてローと肘を当てるつもりでしたけど、いきなり体ごと持ってかれました。でも効いたのは最初にダウンした左ストレートだけで、1Rが終わった時にはもう大丈夫でした。僕のローにタップナーがあからさまに嫌そうな顔をしていたし、スタミナも自信あるんで『1Rさえ耐えれば』って感じでしたね。今日やった55kgがベスト体重で、1Rから行ける感じがありました。自分からタップナー戦をお願いして、決まった時点から何か勝てるような自信がありました。ジムも一丸となってサポートしてくれて、自分中心にやってくれたのも力になりました。 (今後は?)体重差の影響も多少あったと思うんで、今度は同じバンタム級の(タイ人の)ランカーとやりたいです(※タップナーはスーパーフライ級)。ラジャダムナンとルンピニーのベルトを獲りたいです。もっと自分は強くなれると思うんで、月1回でもいいから、どんどん試合したいですね。 (55kgがベストということは、9月からのMACH 55にも出たい?)出たいですね。負ける気がしないです」
第11試合 ダブルメインイベント 交流戦 58.5kg契約 3分5R △岩井伸洋(OGUNI/NJKFフェザー級王者) △砂田将祈(誠至会/J-NETWORKフェザー級2位) 判定1-0 (シーナ49-49/少50-50/山根50-48)
サウスポーの岩井が左ミドル、左ハイキックのヒット数で上回るが、デビュー9年・35歳のベテラン砂田を追いつめるほどの展開には至らず、惜しくもドローに終わった。
第10試合 セミファイナル 国際戦 67kg契約 3分5R ×パルハットレック(タイ/ラジャダムナンSライト級) ○石毛慎也(東京北星/NJKFウェルター級1位) 判定0-3 (多賀谷49-50/高木49-50/シーナ48-50)
初来日のパルハットレックは元ルンピニー王者・パルハットノーイとは双子。160戦のキャリアで、163センチと背が低く、スーパーバンタム級時代が全盛だったとのことだが、25歳となったここ1年も2ヶ月おきにタイで試合をこなしており、技術は本格派。右ローを着実に当て、石毛を豪快にコカし頭をマットに打ち付けさせる場面も。 だが石毛もアッパー、ジャブ、左のテンカオにボディブローと多彩な技で応戦。疲れてきた相手を4R、5Rは手数で圧倒し、見事勝利をもぎ取った。
第9試合 フェザー級 3分5R ×国分省吾(OGUNI/4位) ○久保優太(立川KBA/5位) 判定0-3 (多賀谷46-50/高木46-50/センチャイ44-50)
久保は昨年1月デビューし6戦全勝で最優秀新人賞を獲得した18歳のスーパールーキー。テコンドー仕込みの豪快な蹴り技で序盤から主導権を握り、2Rには左ミドルと左膝で痛めつけた後、終了間際に右バックハンドブローでダウンを奪う。 デビュー5年目・30歳の国分も底力を発揮し、接近戦でパンチと肘を当てたが、久保の勢いは未体験ゾーンとなる5R目になっても衰えず。ハイキックの後の胴回し蹴り等、連続技も最後まで冴え渡り、試合終了のゴングと同時に大きな拍手が沸き起こった。
第8試合 ヘビー級(90kg以下) 3分5R ○天昇山(キング/3位/85.8kg) ×MR.神風(沖縄格闘会神風塾/沖縄格闘技連盟ヘビー級王者/87.8kg) 判定3-0 (多賀谷49-48/センチャイ50-49/山根49-47)
1R、天昇山が右ローと右ストレートを何発も当て主導権。カウンターの右フックが空を切り続けた神風だが、5Rにはようやく当たりだし40男の底力を見せた。
第7試合 交流戦 肘無し バンタム級 3分5R ×三好 純(y-park) ○前田浩喜(インスパイヤード・モーション/9位) 判定0-2 (シーナ48-48/センチャイ48-50/山根48-50)
手足の長い前田がサウスポーの構えから左ミドルや左ハイ等を多く当て勝利。終盤のロー合戦では三好も粘った。
※第7試合・フェザー級5R・MASAHIRO(ARMS)の試合が予定されていたが、相手が決まらず中止。これに伴いタイ人のヨーユットと美保裕介(PIT/バンタム級7位)の2Rのエキシビジョンが行われた。
第6試合 ライト級 3分3R ×渡邊大輔(OGUNI) ○名和儒孝(キング) 判定0-3 (27-30/26-30/26-30)
第5試合 フェザー級 3分3R ○赤十字竜(キング) ×レッガラー・鉄(タイ/東京北星) 判定3-0 (30-28/30-27/30-27)
キングジムの向山鉄也会長の17歳の息子・赤十字竜(あかじゅうじ・りょう)がプロデビュー以来3連勝。1月にデビューした19歳のタイ人・レッガラーに肘で左まぶたを切られたが、強烈な右ストレートでダウンを奪い返し逆転勝ちをおさめた。3回戦離れした迫力あるパンチと肘の応酬に、会場は米田戦、久保戦に次ぐ大盛り上がりとなった。
第4試合 ライト級 3分3R ×浅瀬石真司(町田金子) ○立澤伝史(PIT) 判定0-3 (28-30/28-30/28-30)
第3試合 バンタム級 3分3R △園部和芳(岩瀬) △幸二郎(OGUNI) 判定0-1 (29-30/29-29/29-29)
第2試合 ライト級 3分3R △峰川卓也(上州松井) △藤原彰二(立川KBA) 判定1-1 (30-29/30-30/29-30)
第1試合 57kg契約 3分3R ×依田多聞(町田金子/フェザー級) ○増田利之(E.S.G/バンタム級) 2R 2'49" KO
Last Update : 03/06 15:20
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