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(レポ) [NJKF] 9.24 後楽園:国崇&笛吹、タイ強豪の豪打に玉砕

ニュージャパンキックボクシング連盟 "INFINITE CHALLENGE VIII 〜無限の挑戦〜"
2005年9月24日(土) 東京・後楽園ホール

  レポート:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
 

第13試合 ダブルメインイベント 55kg契約 3分5R
○タップナー・シットロムサイ(タイ/WMC&ラジャダムナンSフライ級王者)
×国崇(拳之会/NJKFバンタム級王者)
1R 1'12" KO (3ダウン:左フック)


 この日の日泰戦3試合は、いずれも試合前の踊り(ワイクー)あり、試合中もタイの民族音楽ありの、ムエタイムードたっぷりの演出。他の試合のテーワリットノーイとランスワンはしっかりワイクーを踊ったのだが、タップナーは四方のコーナーに祈りを捧げただけで踊りは無し。早くも闘志むき出しという雰囲気だ。
 だがそれは国崇も同じ。いや、むしろ国崇の方はむき出しどころか沸点を越えてしまっていると言った方が正しいかもしれない。セコンドからも「硬くなりすぎやぞ」という声が飛び、いつになく表情がこわばっている。

 ゴングが鳴ると国崇は一気に突進しパンチを振り回す。タップナーもパンチで応戦。互いのパンチが何度も交錯し、場内は歓声と悲鳴で包まれる。だが国崇は左ボディをはじめ、もっとパンチの技術があるはずなのに、大振り一辺倒。それが裏目となり、振り回してバランスを崩したところでアッパー気味に左フックをもらってしまい、最初のダウンを喫してしまう。

 なんとか立ち上がったが、ダメージは明らか。焦りも増し、さらにパンチが雑に。今度は強烈な左ミドルを顔面にもらいダウン。立ち上がったものの、足元はふらついている。本来はレフェリーが止めるべきのようにも感じたが、さらに続いて左フックをもらってしまい、3ノックダウン。そのまましばらく立ち上がることができなかった。国崇は肩をかつがれながら退場。幸い歩く事はできるようになったが、検査のため病院に向かった。

 最初から仕掛けるのは陣営の思惑通りだった。日本国内で2年ぶりのタイ人との戦いということで、その先に本格的なムエタイ路線を考えていた国崇の気合は十分だったという。だが、その気合が入り過ぎのようにも見えた。タップナー幻想が国崇の頭の中で膨らみすぎていたような気がしてならない。確かにタップナーはこの日も抜群の当て勘と一撃の破壊力を見せつけた。しかし最近5戦の戦績を見ると、いずれも判定決着で3勝2敗。7月の童子丸戦を挿んで、タイでは2連敗中だ。もちろん日本とは違うレベルで凌ぎを削ってはいるのだが、パンチ主体のスタイルが裏目になっているように思えてならない。国崇はまだ25歳。今回の苦い経験をうまく消化し、彼の本来のスタイルを活かす養分とすれば、ムエタイ強豪狩りも夢ではないはずだ。
 

第12試合 ダブルメインイベント 67kg契約 3分5R
×笛吹丈太郎(大和/NJKFウェルター級王者)
○テーワリットノーイ(タイ/元ラジャダムナンSフェザー級王者)
4R 終了時 TKO (棄権)

※笛吹は1R左フックで1ダウン、3R右フックで1ダウン、左フックで1ダウンあり

 日本人キラー・テーワリットノーイは現在、OGUNI GYMのトレーナー。ラジャダムナン時代はスーパーフェザー級の王者で、67kg契約での体格差が心配されたが全く問題無し。序盤、前蹴りで距離を計ると、1Rからさっそく左フックでダウンを奪取。パンチだけでなく前蹴りでも笛吹を何度も吹き飛ばし、組み付いては首をスリーパーホールドのように抱えて、ジャンピングニーをバンバン叩き込み圧倒する。3Rにも左肘と左フックで2度のダウンを奪い、笛吹を痛めつける。4Rも同様の展開。ダウンこそ無かったものの、笛吹は前蹴りで倒れた直後に大量の鼻血を吹き出し、ラウンド終了後についに棄権した。
 

第11試合 セミファイナル 63kg契約 3分5R
×山本雅美(北流会君津/NJKFライト級1位)
○ランスワン(タイ/元ルンピニー&WMC4冠王)
判定1-2 (多賀谷49-50/高木50-49/山根49-50)


 ランスワンは80年代後半にルンピニーの3階級とWMCのスーパーフライ級を制した古豪で、現在38歳。スピードとパワーは山本と大差なく、絶妙な距離感でハイ、ミドル、膝を叩き込んでいく。だがムエタイスタイルの山本も大ベテランの動きにきっちり対応。左の上中下の蹴りをうまく当てる。最後までシーソーゲームが続き、二人とも相手を追い詰めるような場面は無し。ジャッジの評価も割れたが、弱冠ヒット数の多かったランスワンが勝利を奪った。
 

第10試合 交流戦 58kg契約 3分5R
○中須賀芳徳(OGUNI/NJKFフェザー級2位)
×高島義幸(習志野/MA日本フェザー級5位)
判定3-0 (高木50-47/多賀谷50-47/センチャイ50-46)


 サウスポーの中須賀が、この日もリーチを活かして左ストレート、右ジャブを何発も当て続ける。威力はそれほどでもないが、精度はピカ一。5Rには高島の右目の下が腫れ上がっていた。これで11戦10勝(1KO)1敗。そろそろタイトルに絡んでもいい頃ではないだろうか。
 

第9試合 交流戦 バンタム級 3分5R
×佐藤英二(マイウェイ/MA日本バンタム級5位)
○美保裕介(PIT/NJKFバンタム級7位)
判定0-3 (センチャイ45-50/多賀谷45-50/シーナ45-50)
※4R、5Rに佐藤に1ダウンずつあり

第8試合 ライト級 3分5R
×押炉花者(町田金子/8位)
○鈴木章浩(OGUNI/10位)
判定1-2 (センチャイ47-46/山根47-48/シーナ47-48)
※1R押炉花者に2ダウンあり

第7試合 フェザー級 3分5R
×勝光(PIT/9位)
○久保雄太(立川KBA/10位)
1R 2'52" KO (左ハイキック)

第6試合 ライト級 3分3R
○ガンバ黒田(OGUNI)
×ひでお(北流会君津)
判定2-0 (30-29/30-30/30-29)

第5試合 ウェルター級 3分3R
○森田泰男(PIT)
×金 日柱(OGUNI)
判定2-0 (30-28/28-28/29-28)

第4試合 ミドル級 3分3R
○守屋拓郎(町田金子)
×山口治久(格闘道場G-1)
3R 0'35" KO (ローキック)

第3試合 ライト級 3分3R
×浅瀬石真司(町田金子)
○名和儒孝(キング)
判定0-3 (29-30/28-30/27-30)

第2試合 交流戦 68kg契約 3分3R
○菊池宣顕(E.S.G.)
×川又恭平(大誠塾/全日本ウェルター級)
判定3-0 (30-27/30-27/30-28)

第1試合 ライト級 3分3R
×峰川卓也(上州松井)
○大和哲也(大和)
3R 1'19" TKO

Last Update : 09/25 00:40

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