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[全日本キック] 小林聡GM、2008年は新エース出現を期待

(1/12 up) 全日本キックの2007年度年間表彰式と新年会が12日、東京・新宿のヒルトン東京ホテルで行われた。

 最優秀選手賞を獲得した藤原あらし(S.V.G.)は、昨年特に印象に残った試合として、12月の藤原祭りでの前田尚紀(藤原ジム)との死闘を挙げた。
 あらしは前田戦についてこう語る。「セコンドの作戦に従えばスマートに戦えたけど、あの試合だけ、自分の中にある獣(けもの)が前田選手によって引き出された。3回戦の頃のような荒々しさは、5回戦に上がってから意識的に消していたけど、それを前田選手がぶち壊してくれた」
 さらにあらしは「新しい自分のために破壊も必要」とも語り、前田戦で図らずも起こった“破壊”を、2008年も引き続きテーマとするつもり。「全日本キックを盛り上げたい。K-1の重量級や中量級だけがキックじゃ無いということを世に知らせたい」と今後の目標を掲げた。

 その“破壊”のきっかけを作った前田は、8月の梶原龍児戦で最高試合賞、5戦3勝(3KO)1敗1分の年間戦績でKO賞を獲得。「実感は無い。たまたま」とダブル受賞にもクールだが、2007年自体は充実した1年だったといい、「試合を通じて反省でき、あれをやろう、これをやろうと考えられたし、チャンピオンじゃ無いのにタイ遠征に入れてくれたり、試合を多く組んでもらえた」と振り返った。

 両者とも賞にふさわしいインパクトを2007年に残したが、両者を高く評価しつつも、それに飽き足らないのが、昨年3月に引退した全日本キックの元エース・小林聡ゼネラルマネージャーだ。
「マスコミの皆さんも感じていると思うけど、今は全日本キックのエースは誰かと聞かれても誰だと言えない状態。今でもエースは僕ですね(苦笑)。何にしても打たれ強くて、ブレない選手が一人欲しい。何じゃこいつ?と思うような奴が出てきてほしい。引退した僕が目立つことで、選手たちにはクソッ!と思ってほしい」
 小林GM自身も「去年までは選手目線で感情移入することもあったけど、今年からは吹っ切れてプロモーター目線になる」と変身を宣言。2007年の色々な成果を糧に、2008年の全日本キックはさらに一段階上への飛躍を目指す。(井原芳徳)

◆最高試合賞:梶原龍児(チームドラゴン)「(今日会場で前田戦の映像が流れていたが?)ビデオは今もたまに見ますね。負けたんで、また試合がしたいと燃えることができます。去年は全日本さんに上がらせてもらったことでメジャーになれたと思います。今は音楽の仕事が忙しくて、昨日レコーディングが終わり、3月3日にワンマンライブをやります。当然キックの練習もしているんで、ライブが終わったら試合がしたいです」

◆殊勲賞:山本優弥(青春塾)「今迄は人にほめられたい気持ちが出て迷うことがあったけど、今年は第三者の意見に惑わされる事無く、自分を強く持ちたいです。(2月に出場する)K-1 MAXでも相手に合わせず、自分の最善を尽くします」

◆敢闘賞:寺戸伸近(青春塾)「タイトル戦に向けて頑張ったけど、あと一歩詰めが足りませんでした(8月にあらしの王座に挑戦するも判定負け)。青春塾に入団したので、今迄と違った要素を取り入れたいです。(※次戦は3/20後楽園大会を予定。2/10にはZERO-ONE MAX福山大会に特別参戦する)

◆敢闘賞:大月晴明(AJKF)「ちょっとしたミスが多い1年で、まさか賞をもらえるとは思いませんでした。(10月のKICK RETURN決勝迄に痛めた)右拳の骨がまだ6割ぐらいしかくっついていないので、今は治療に専念します」

◆新鋭賞:瀧谷渉太(WSK/桜塾)「こんなに大勢が集まるパーティーだとは思わなかったのでびっくりしました。去年プロデビューして、凄くいい経験ができました。今年はチャンピオン(あらし)にも挑戦したいけど、KOで勝ち続けるのが一番の目標。ドラゴンボールの孫悟空のようにどんどん強くなりたいです。(※瀧谷はドラゴンボールZの主題歌を入場曲に使っている)」

※技能賞の山本真弘(藤原ジム)、新鋭賞の卜部弘嵩(西山道場/ISUMI GYM)は欠席。
 

2007年MVPは藤原あらし。最高試合賞は前田×梶原

(12/28 up) 全日本キックボクシング連盟の2007年度年間表彰選手が発表された。(説明文は全日本キックによるもの)

☆最優秀選手賞
藤原あらし(S.V.G.) 6戦3勝(2KO)1敗2分
6月のタイ遠征で劇的な逆転KO勝利を飾った後、強敵・寺戸伸近とワンロップを連破。伝家の宝刀・左ミドルキックを武器にフェザー級2トップの山本真弘、前田尚紀とも五分に渡り合い、階級を越え大きく飛躍を遂げた。

☆最高試合賞
2007.8.25後楽園ホール
前田尚紀(藤原ジム) vs 梶原龍児(チームドラゴン)
60kgトーナメント一回戦は2R、ともにパンチでダウンを奪い合い一気にヒートアップ。壮絶な打撃戦は最終5R、前田が渾身のミドルキック連打で梶原をキャンバスに沈めた。

☆殊勲賞
山本優弥(青春塾) 4戦4勝
5月に湟川満正との全日本ウェルター級王座決定戦で勝利し、キャリア30戦目で悲願のベルト奪取に成功。10.25代々木では尾崎圭司(チームドラゴン)との激闘を制した。

☆敢闘賞
大月晴明(AJKF) 6戦3勝(2KO)3敗
自己最多の6試合に出場。60kgトーナメントは準優勝で爆腕完全復活とはならなかったが、カノンスックと前田尚紀を撃破してトーナメントを大いに盛り上げた。

寺戸伸近(青春塾) 5戦4勝(3KO)1敗
海外や他団体、フリーの強敵を相手にKOにこだわった闘いを見せた。全日本タイトル奪取こそ逃したものの、軽量級もう一人の雄として大活躍。
※寺戸選手は2008年度より「青春塾」所属となります

☆技能賞
山本真弘(藤原ジム) 6戦4勝(2KO)1敗1分
藤原ジムの猛特訓で培った抜群のスピードと技の切れで、強豪ひしめく60kgトーナメントを制覇。“Speed Master”のさらなる進化は続く。

☆KO賞
前田尚紀(藤原ジム) 5戦3勝(3KO)1敗1分
重いパンチとローキックで畳み掛けるラッシングファイトが持ち味。3勝すべてをKOで飾り、本場ラジャダムナンスタジアムでも秒殺KOをやってのけた。

☆新鋭賞
瀧谷渉太(WSK/桜塾) 3戦3勝(3KO)
卜部弘嵩(西山道場/ISUMI GYM) 3戦3勝(1KO)
デビュー3連勝を飾った現役高校生“新空手キッズ”がダブル受賞。

※戦績は2007年度のもの

Last Update : 01/12 23:55

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