(レポ＆写真) [全日本キック] 12.7 後楽園：あらし×前田はドロー

藤原祭り2007実行委員会 "Fujiwara Festival 〜藤原祭り2007〜"
2007年12月7日(金) 東京・後楽園ホール
認定・全日本キックボクシング連盟

　　レポート＆写真：井原芳徳　　【→カード紹介記事】　【→掲示板スレッド】

第7試合　メインイベント　57kg契約　3分5R
△藤原あらし（S.V.G.／全日本バンタム級王者）
△前田尚紀（藤原ジム／全日本フェザー級1位・元王者）
判定1-1 (朝武49-48/和田49-50/豊永50-50)

　サウスポーに構えるあらしに対し、オーソドックスの前田は左右に細かくステップしつつ時計回りに移動し、時折距離を詰めて右ストレートを顔面に叩き込む。あらしは鼻血を出し、少し息苦しそうな様子。試合後「一発一発が重かった。今も頭がクラクラしている」と振り返ったように、やはり一階級の体格差の影響は小さくないようだ
　3R序盤まで、前田が右のパンチやローを当て、手数でややリード。だが、あらしは次第に左ミドルを中心に蹴りのヒットを増やす。すると前田は「流れで出した」という右ボディストレートを多用するように。とはいえこの攻めは「そんなに効いていなかった」というあらし。もらってからもすぐさま左ミドルと左膝蹴りをお返しし、前田を苦しめる。

　互いに一歩も引かない、一進一退の削り合いに突入。5Rに入ると攻守の入れ替わりがより一層早くなり、観客の熱狂もそれに比例するように増す。残り30秒は死力を振り絞っての殴り合いに突入し、8月の前田×梶原を思い出させる熱狂のまま終了のゴング。数々のドラマのあった2007年の全日本キックを締めくくるのにふさわしい好勝負となった。
　ジャッジは3者とも割れドロー。一部の観客からは不満の声が漏れ、試合後のあらしは「判定は納得がいかない」、前田は「負けたと思った」と口にしたが、あらしは同時に「さすが試合運びがうまい。向こうのペースに持って行かれていることに気づいたらパンチをもらっていた」と一筋縄では行かなかったことを認め、再戦の話があれば「喜んで」と語っていた。

第6試合　セミファイナル　全日本ミドル級タイトルマッチ　3分5R
○中村高明（藤原ジム／王者）
×吉武龍太郎（アイアンアックス／4位）
判定3-0 (野口50-49/梅木50-49/豊永49-48)
※中村が初防衛

　中村が長身を活かし、接近戦で突き刺すような膝蹴りを吉武の顔面とボディにヒット。吉武も3Rまでは右フックを当てていたが、組み付いて防御する時間が長くなる。4〜5Rは中村が主導権を維持し、吉武との決着戦を制するとともに、王座初防衛に成功。だが吉武にとどめを刺すことができなかったせいか、試合後の表情は晴れなかった。

スペシャルマッチ　時間無制限一本勝負
小林聡 & TAJIRI
アン・ジョー司令長官 & ジャイアント・バボ with 島田二等兵

　3月に引退した小林GMが、師匠で足の怪我の療養中の藤原敏男氏に代わって、藤原祭り恒例のプロレスマッチに登場。蹴り技だけでなく、ラ・マヒストラルといったプロレス技も駆使し、最後はダイビングボディプレスからの体固めでフォール勝ちした。TAJIRIからは「大晦日のハッスルも一緒に組んでくださいよ」と頼まれ、「今は頭が真っ白で考えられない」と困惑していたが、果たして？

第5試合　ウェルター級　サドンデスマッチ（3分3R+延長1R）
○湟川満正（AJジム／1位）
×渡辺雅和（チームドラゴン／6位）
4R 判定3-0 (朝武10-9/野口10-9/梅木10-9)
3R 判定0-0 (朝武30-30/野口30-30/梅木30-30)

　互いに前蹴りやローを当てつつ、湟川は左フック、渡辺は右フックを当てるが、決定打の無いまま延長戦へ。それでも互角の状態が続き、判定の難しい内容となったが、湟川に軍配が上がった。

第4試合　ライト級　サドンデスマッチ
○藤牧孝仁（はまっこムエタイ／3位）
×上杉武信（藤原ジム／7位）
判定2-0 (和田30-28/豊永29-29/朝武30-28)

　1R終盤の藤牧のラッシュで、上杉は右目がふさがったような状態。藤牧のハイキックや右アッパーを浴び、2Rは劣勢に。3Rにパンチでの打ち合いに誘い、激しい殴り合いを繰り広げたが、劣勢を跳ね返すことはできず、涙を流した。

第3試合　ウェルター級　サドンデスマッチ
○金　統光（藤原ジム／3位）
×吉川英明（チームドラゴン／4位）
判定2-0 (豊永30-29/和田29-29/朝武30-29)

　開始すぐから金は右フックと右肘を主体とした猛ラッシュ。2Rには吉川の眉間を切り裂く。吉川は顔面血塗れになりながらも右フックと右ローで反撃し、激闘を作り上げたが、あと一歩及ばなかった。藤原ジムとチームドラゴンの戦いは不思議と死闘になる。

第2試合　ライト級　サドンデスマッチ
○海戸　淳（S.V.G.／2位）
×鈴木真治（藤原ジム／8位）
判定3-0 (勝本30-29/梅木30-29/和田30-29)

第1試合　ライト級　サドンデスマッチ
×HIROAKI（峯心会／10位）
○翔太（S.V.G.）
判定0-3 (勝本29-30/梅木29-30/豊永28-30)

◆ オープニングファイト

第3試合　ウェルター級　3分3R
○亜紀斗（はまっこムエタイジム）
×清水　武（藤原ジム）
判定3-0 (29-27/30-27/29-27)

第2試合　女子ミニフライ級　2分3R
×Little Tiger June（青春塾）
○ちはる（WSRフェアテックス）
判定0-3 (27-30/27-30/28-30)

第1試合　ウェルター級　3分3R
○ウー・エリック（台湾／藤原ジム）
×藤ノ木学（チャモアペット・ムエタイアカデミー）
1R 1'57" KO

Last Update : 12/10 11:23