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全日本チーム ミレニアム年越し合宿を取材!
伊豆稲取年越し遠足日記 - 2


■桜が狂い咲きしそうに暖かい伊豆稲取

▼12月30日、10時東京発「踊り子」103号。なんでいきなり特急なのかというと、合宿先の最寄り駅、伊豆稲取駅はJRではなく伊豆急行の駅。取材前はなるべく疲れたくないので(なにしろ、基礎体力のなさには自信がある(^-^;)乗り換えなしで目的地まで行きたいと経路を探した結果が特急「踊り子」に乗ることに。「踊り子」はJRから伊豆急行に乗り入れている特急で、温泉地である伊豆稲取に直接到着できる。ホームで電車を待っていると、まわりは伊豆の温泉地へ遊びに行く家族連ればかり。お正月に温泉ですか。ゆっくり温泉に浸かるのもいいねえ。電車に乗れば、家族連れのちびっこが興奮して走り回っている。

▼12時31分、伊豆稲取駅に到着。駅からタクシーに乗りユニティ伊豆までと告げると「全電通の労働学校だろ。」と言われる。ぜんでんつう?なに?と思ったら、それは電電公社(現NTT)の労働組合のこと。そう考えると、建物の中に荒畑寒村の写真が飾ってあったりするのもうなずけるというもの。

▼タクシーを降りて受付へ。暑い。コートを脱ぐ。カーディガンも脱ぐ。綿のシャツだけになる。葉桜の頃のような暖かさ。事務室のおじさんに言わせると、今日は特別暖かいそうだ。さっそく土方コーチの部屋に電話。到着したことと、今回は某テレビ局に頼まれているので、ビデオも撮らせて欲しいとお願い。午後3時から練習と聞き、それまでふつうの部屋より1500円高い(しつこいな、私も(^-^;)と言われる部屋でゆっくりすることにする。

▼ユニティ伊豆は海岸からちょっと引っ込んだ山の中腹くらいにある。部屋はすべて海に面しており、その海側はテラスへ直接出られるガラス窓になっている。手前には伊豆稲取の港が見え、そこから太平洋が広がる。波頭が太陽の光を受けてまばゆい。テラスに出ると、望遠鏡が設置されていて港の様子がよく見える。窓からの眺望の良さだけでなく、ユニティ伊豆は温泉も売り物。お風呂は本物の温泉で、沸かし直しなし。温泉好きにはたまらないだろう。

体育館全景

■くたびれ果てて午後練習

▼3時に宿泊している建物から見て山側にある体育館へ。一階が温水プールで二階が体育館。体育館にはマットが三面敷いてある。広くて、三面敷いてもまだ余裕がある。体育館の隅にはウェイト器具も置いてあって、練習環境はバッチリ。しか〜し、選手はみんな機嫌が悪い。合宿が始まってまだ二日目のはずなのに。また、疲れるばかりで目的がよく分からない練習させられてるのか?

▼明日、年越し練習をするらしいと耳にする。いつものように午後練習をして夕食をとった後、よる11時から練習を始めて体育館で年を越し、そのまま初詣へ行くのだとか。毒を食らわば皿まで。ここまで来たら年越しまでしようかなと考え始める。しかし、さすがに大晦日は泊まる部屋がもう無い。私が泊まっていた部屋は高いのも道理、明日になると理事の福田富昭氏が激励も兼ねて合宿にやってきて、年越しにつきあうために泊まる部屋なのだという。だから今夜自分が泊まる部屋は明日はふさがる。

カメラ目線の山口(左)とちょっとたそがれて見せる小幡(右)  どこで横になろうかな。どうせ、初詣したら夜遅くなるから部屋の滞在時間は短いだろうし。ロビーにでも寝させてもらうかな。なんて迷っていたところ、小幡@130kg(写真右)から「俺たちの部屋、四人部屋なんですけど三人しかいませんよ。泊まりますか?」と申し出を受ける。潜り込ませてもらえるのはありがたい。タダだし、それもいいかな、と思う。が、しかし、ちょっと気になることが。小幡と同室はいったい誰なのか?「俺と(隣にいる山口を指しながら)こいつと浜上。」小幡弘之がフリー130kg、山口孝二がグレコ97kg、浜上稔はグレコ130kg……頭の数は三つかも知れないが、体の総容積は四人分を超えている。部屋に空きスペースは無い。「俺と浜上のイビキすごいけどね。それから寝言とおなら。」小幡のイビキは有名で、同じ部屋になるのを皆が避けるという。勿論私も避けさせてもらう。



 

伊豆稲取年越し遠足日記
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レポート&写真:横森綾