五輪出場資格獲得
川合達夫インタビュー


(6)プロの格闘技よりも、興味があるのは…


−−日体大とかプロの選手結構練習に来ますよね。川合さんなんて、重量級だから結構相手をしたりしてるんじゃないですか?

「プロレスラーの人ですよね。来ますけども、レスリングやってない人というのは、レスリングやらしたら弱いですよね。全然ダメですよね。でも、関節とか殴り合いになったらば向こうの方が強いんじゃないですか?殴り合いやったらプロレスラーの方が全然強いですよ。やったことないですけど、やったら強いと思いますよ。自分とかじゃ簡単に関節とかとられちゃうんじゃないですか。レスリングやれば向こうの方が弱いですけど。やってる物が全然違いますから、格闘技、ていうものの。全然方向が違うんで、ぜーんぜん手応え無い。ぜーんぜんダメだ、学生とやるよりも練習にならない、ていう場合ありますけど。レスリングのバランス、ていう物が違うんですよ。」

−−レスリングやりながらプロの試合にも出てる選手が最近いるんですけど、誘われたりとか全然ないですか?

「三宅さんとかに『川合出てみろ』とか言われたりとかしますけど、本当に出てみようとは思わないですけどね。自分が本当に出たらそんなの、殺されちゃいますよ。」

−−そうですか?結構、関節憶えたら最強じゃないか、ていう説がありますが。

「僕はそんなものじゃなくて、まずレスリングがしっかり出来ないと、出来てから、ていうのがありますから。レスリングもできないのにそんなのに行っちゃいけない、ていうのがありますから。まずちゃんと自分のことをやって、それからじゃないですか。そっちの方は、あんまり興味ないですよ。全然見ない。」

−−そうですか。別に格闘技雑誌を見たりとかも?

夢中になる川合「それも……自分は将棋の方が興味があって、羽生さんがいま、一部Aで何勝何敗とか、憧れるくらいですかね。確か負けたんですよね。とか、今竜王戦で、鈴木大介六段と、藤井猛竜王がやってるとか、そんなの見てますね。佐藤康光が谷川浩司とやってて、また4−3で佐藤康光が逆転とか。そっちの闘いもかなりすごいですよ。毎日新聞には名人戦が、讀賣新聞は竜王戦が載ってますけど、かなりかっこいいですよ。
 将棋、すごいメチャクチャ好きです。最近、ちょっと離れてますけど。どっかのクラブとか道場入って、将棋道場入ってやるとかじゃなかったですけど。たまたま、家に将棋盤あったので、お父さんと指してたんですけど。それで結構できます。大学入ってきてから、お父さんがいなくなりますからやらなくなりますよね。2年くらい前ですかね、藤本先生に『やろうよ』て言われて。最初『出来ません』て断ってたんですけど、やり始めたのがきっかけでまた。最初は藤本先生にも負けてたんですけど、ちょっとこれ研究しなくちゃいけない、ていうことで本とかも結構読んで。戦法読本とか。かなり本を読みましたね。将棋だいたいもう、一通り、端詰からなにから。そんなに自分、段持ってるとかそういうのじゃないんで。だいたい、そこら辺のオヤジとかだったら勝てます。学生とかじゃ全然相手にならない。」

−−凝り性な方ですか?

「やり過ぎちゃうほう、て言われますね。合宿でもメシとか作ったりするのに、例えばカレー作ったりすれば、学生が作るとジャガイモとか野菜が入らないんですよ。ジャガイモとか人参とかタマネギとか、野菜が入れば旨いところありますから。ジャガイモがあったら、あるだけ全部やっちゃうんですよ。ある時なんて、ジャガイモと人参とタマネギと、二箱くらい全部切って放り込んでですね、もう鍋の蓋が閉まらなくなっちゃって。この間も作ってて入らなくなっちゃって、他の鍋に移して、二つ鍋できちゃうくらいになっちゃう。」

−−夢中になっちゃうんですね、何かはじめると。

「ジャガイモが入ればおいしいと思えば、入れば入れるだけおいしいなと思っちゃいますから、どんどんどんどんやっちゃいます。ちっちゃいころから具がいっぱい入っているカレーだったんで、これはいいことだと思うとやっちゃいますね。
 そういえば、片山右京、前テレビでやってたんですよ。(興奮した口調で)あの、片山右京、かぁなり片山右京、自分は感動しましたね。『おお、片山右京すげえよ、すげえよ』て。見終わったあとに、片山右京ね、やっぱりすげえよ、やっぱり違うわ。あれはねえ、すごかったですよ。(まだ興奮している)話聞いて分かったんですけど、F1ていうのは世界に32人くらいしかいない、ていうんですよ。その中でもレースに出れるのは27人なんです。ちょっとコーナー曲がるのに何ミリ違う、そこでいけるかどうか。でも、片山右京は世界のトップのシューマッハとかが、セナとか、そういうトップを『あれ見ちゃうとねえ』て言いましたよね。それがやっぱり自分たちで言うと、サイキエフ(Bouv aisa Saitiev ロシア。フリー74kg級95年世界選手権1位、96年アトランタ五輪金メダル、76kg級97,98年世界選手権1位、96,98年FILA年間最優秀レスラー。99年フリー76kg級世界選手権1位、Adamは実弟。)とかカレリンじゃないですかね。あれは出ないよ、あんなのがいるのか。同じような心境になりますよね。お話聞いてみて、自分ら分かる部分、理解ある部分、てありますよね。

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