今年4月の大会で、ブランドン・リー・ヒンクルを、鋭い下からの攻めで下した坂田。下になることが多いのは気になるものの、KOKルールになって、ますますシャープさが増してきた感がある。成瀬、山本といったところが負傷での欠場を繰り返す中、坂田の存在感は確実に増し続けている。
その坂田に当たるのは、マルコ・ファスの道場でトレーニングを続けているシム。ババル級という前評判もあり、セコンドに田村潔司をはじめとしたジャパンの選手が付く。
パンチででていく坂田。組んで倒しにいくが、止められてしまい、逆に引き込もうとする。そこをシムに押し込まれ、ハーフガードしかとれずに下の体勢に。攻め手を失って膠着し、ブレイクになる。
再びスタンド。
打ち合いである。シムが、パンチばかりではなく、積極的にキックを打っていくのが目に付く。特に右ハイの思い切りがいい。
ローが坂田の金的に入り一旦ストップ。
その後の再度の打ち合いで、シムの右ハイが坂田を捉える。
一発目はガード。直後の二発目を眉間で受ける坂田。思わず後ろに転がってしまうが、これはスリップ。シムも反動で倒れている。
次の瞬間、低く来た坂田を押さえるようにがぶるシム。
だが、ここでいきなりのストップが入る。リングサイドのドクターが呼ばれる。しばらくして、関係者の手が大きくふられ、試合終了。
流血こそあまりなかったものの、頭部にかなりの裂傷があるということで、坂田、無念のドクター・ストップ負けとなった。
泣きじゃくる坂田。宥める田村。
確かに不運ではある。しかし、眉間を深く割る程の右ハイを立て続けに出したことだけでも、シムが怖い選手であることは十分に証明されている。
またKOK戦線に強敵が増えたようだ。