「外敵に弱い」。山本にはこうしたイメージが付きまとう。今までのリングスの闘いを見ていても、リングス内の闘いでは時として圧倒的な強さを見せるが、ここぞという時、外敵もしくは外敵に準じる相手に対しては、意外にもあっさりと崩れ去ってしまう。
KOK第一戦でのブラッド・コーラーへの敗戦もそうだった。
そして、今日の相手も、新たに「リングスUSA所属選手」となったとはいえ、そもそもはNHB界からの外敵であるジェレミー・ホーン。なんとしてもイメージを払拭しなければならない。
だが、結果は、またしても敗北であった。
グラウンドでは何度か有利なポジションを取るものの、そこから攻めきれない山本。サブミッションの体勢に入る前にポジショニングを崩されてしまう。かといって、スタンドでのホーンは実に手強い。「総合の打撃」というものを本当によく心得ているのだ。間合いを潰していっての至近距離からの短いアッパーやフック。そして組んでからの膝。相手の頭を押し下げての膝蹴りはえげつないほどだ。
2R、強引にでもペースを作らないと判定負け必至と考えた山本は、渾身の力を込めてミドル、ローの連打にいく。そしてコーナーに押し詰めてのパンチのラッシュ。だが、ここでも仕留めきれない。山本の攻勢をしのいだホーンは、超ショートレンジからのパンチを集中させる。崩れていく山本。かろうじてダウン判定はでなかったものの、力なくそのままマウントを取られてしまう。ボディ・パンチを浴び、抵抗力を奪われ、最後には肩固めで息の根を止められてしまった。