「テキサスの黒い嵐、勢力拡大」
レポート:井田英登 写真:飯島美奈子
不気味な勢いでテキサスの黒い嵐が勢いを増してきた。
昨年「PRIDE-9」で日本初上陸、元リングスの人気選手ウィリー・ピータースを秒殺。その後も、白鯨と呼ばれ総合格闘技界の伝説的存在であったトム・エリクソンの怒涛の攻撃に耐え抜いてワンチャンスの大逆転を決め、前回「PRIDE-12」ではエンセン井上を撃破。まさに、昇り龍のように、PRIDEマットでその存在感を高めてきた。
184センチ115キロの恵まれた体格を活かして打撃戦に華のあるところを見せるが、元は96年のサンボUSA大会で優勝した寝技系の選手。99年にブラジルで開催された第9
回WVCのトーナメントで優勝したことから注目を集め、PRIDE参戦を経て、昨年オランダで結成された格闘技スーパーユニット「ゴールデン・グローリー」所属となった。入場時のテキサスハットに黒マントのコスチュームもすっかりおなじみのものとなっており、会場人気も出てきた。今年23歳という若さもあって、高田道場の若大将リコ・ロドリゲスと並ぶPRIDE次世代のエース候補といった所だろう。
対する、ソボレフ・デニスは制圏道が送りだしてきた第二の刺客だが、そもそもはロシア国内で行われているノールール系の「アブソリュート大会」で98、99と連続優勝を飾っている選手。キック経験がありヒーリングとは派手な打撃戦が展開されるのではというのが当初の予想であった。
しかし、結果は意外や意外。
豪快な前蹴りから、片足タックルで飛び込んだヒーリングが、テイクダウンと同時にサイドポジションを奪取。そのまま、パンチで取られた首を引っこ抜いたかとおもうと、頭にヒザをぶち込み、あっという間に右腕をテレフォンアームロックに極めて秒殺勝利を飾ってしまったのだ。
素材の違いもあるだろうが、やはりヒーリングの進境著しいところが目立った試合だった。そろそろ、PRIDE主力クラスとの対戦が楽しみになってきた。
<ヒーリング×デニス・感想掲示板:Your
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