BoutReview Logo menu shop   Fighting Forum
Report
pride 2000.1.30 PRIDE-GP 一回戦 東京ドーム
 第6試合 
× 佐竹雅昭
1'13"
首がため
マ−ク・コ−ルマン

佐竹、秒殺に散る


 
この日の佐竹は、今までと同様、闘志天翔のテーマ曲に空手着という姿で入場した。一方、マーク・コールマンはレスリングシューズを着用しての入場である。プライドのオフィシャルルールではシューズ着用の選手によるキックを一切認めていない。スタンド主体の戦法で少しでも有利に展開したい佐竹に対して、最初から蹴る気がないマーク・コールマンであった。


腰を引き気味にしてタックルを警戒する佐竹から、いとも容易にテイクダウンを決めたコールマン。クローズドガードをとる佐竹だが、ガードが甘い。上からお構いなしにコールマンがパンチを数発浴びせる。その直後、上体の上がった佐竹の首をすかさず抱え込むと、そのまま締め込み完璧なネックロックの体勢に。呼吸を止められた佐竹は、たまらずタップしてしまう。結局スタンドでの展開も何もないままにあっという間のギブアップ。佐竹にとっては新天地での渋いスタートとなった。

昨年10月、佐竹はK1のリングで戦っていた。言うまでもなく佐竹は、K1創世記から日本人唯一のトップファイターとしての看板を背負い、Kのリングをメジャーなものへと引っ張ってきたフロンティアファイターである。4ヶ月前までは名実ともに国内のトップに君臨する格闘家であり、空手家佐竹であった。そんな佐竹がK1を離脱。そして4ヶ月後の現在、今まで築き上げてきた名誉と勲章を胸に、格闘家人生の集大成を確立すべく、フリー格闘家としてPRIDEのリングで新たな1歩を踏み出した。この日に備えて佐竹はシアトルのモーリス・スミスジムや高田道場に通い、グラウンドテクニックの猛特訓を積んできたという。とはいえ、この短期間でのトレーニング成果がレスリングテクニックで世界トップクラスを誇る強豪マーク・コールマンに対してどこまで通用するのかは、誰にでも想像に易いことである。空手家・佐竹にとり、新天地の第1歩として選んだプライドのリングは決して容易ではなかったものの、異種格闘技のリングへのチャレンジ精神と格闘家魂に心を動かされたファンも少なくない。34歳という年齢からして、限られた時間内で佐竹が格闘技人生の集大成をどうやって締めくくるのか、この後の佐竹に注目したい。

(藤間敦子)



結果一覧に戻る
← 5. 桜庭和志 vs ガイ・メッツァー / 7. ボブチャンチン vs アレクサンダ−大塚 →
取材:藤間敦子・山口龍・横森綾  写真:井田英登

TOP | REPORT | NEWS | CALENDAR | REVIEW | BACKNUMBER | STAFF | SHOP | FORUM


Copyright(c) MuscleBrain's All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。