99.10.25 後楽園ホール "1999 BREAKTHROUGH TOUR"
この日は当初予定されていた道場対抗戦が、選手の負傷などにより縮小された結果、パンクラチオンマッチが4試合も組まれることになった。そのことを最も喜んでいるのは窪田ではないだろうか。窪田は以前からパンクラチオンマッチを希望していたが、このルールは年内での封印が決定している。窪田のキャリアでは、チャンスが与えられるかどうかは微妙だったからだ。
しかし、一方では充分な練習期間を取ることができないというマイナス面もある。対戦相手のジョン・アレッシオも急遽呼ばれた選手であり、対策を立てるのも難しかっただろう。
序盤、窪田はいきなり出鼻をくじかれた。テイクダウンに失敗した後、打撃戦でアレッシオのフックを顔面にもらい、ダウンを喫したのだ。チャンスと見たアレッシオは、グラウンドの窪田の横につくと、なおも顔面へパンチを落としていく。なんとか脱出したが、大きなダメージを受けてしまった。
しかし、窪田はそのままパニックに陥ることもなく、当初の作戦通り、グラウンド勝負に持ち込んでいく。アレッシオも容易には攻めさせない。上を取った窪田がパスガードし、アレッシオが再びガードに戻すという攻防が続いた。その間にも、アレッシオのパンチが絶え間なく襲ってくる。一瞬たりとも気を抜けない展開である。
パンクラチオンマッチでは判定がないため、どれほど優勢に攻めていても、時間切れになればドローである。窪田の攻めからは、なんとしても時間内に勝負を決めようとする気迫が感じられた。そしてついに、パスガードからサイドを奪った窪田のアームロックが決まり、アレッシオからタップを奪った。パンクラチオンマッチで初めての関節技決着である。
ネオ・ブラッドでは、優勝を義務づけられながらも、まさかの初戦敗退という屈辱を味わった。しかし、その後は全て他流試合で三連勝。技術的には、まだまだ甘い点、身につけなければいけない技術も多いかもしれない。だが、今の窪田の活躍には無視できないものがある。戦いが選手を成長させるという良い例だろう。
次の試合 :5. 菊田早苗 vs トラビス・フルトン
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レポート:慈村 ゆんた カメラ:井田英登・茂木康子
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