コールされた体重は80kg。無駄なく絞り込まれた近藤の体は、UFCへ向けて順調に調整されているようだった。
菊田の対戦相手は、交渉を続けていた選手が練習中のケガで出場不可能となった。そのため急遽、9月22日のUFC 27(米・ニューオリンズ)でティト・オーティス戦を控える近藤と3分1ラウンドのエキシビジョンマッチを行うことになった。
この日、あっという間の3分は、菊田のハイキックという珍しいものからスタートした。近藤と菊田はスタンドでもグランドでも、まるで展覧会をするように多彩な動きを見せた。特に菊田は、これほど柔軟な攻撃と防御が可能なのかと驚くほどであった。
3分が終わったとき、客席からはもう終わってしまうのかとため息のようなものが漏れた。願わくば、あとしばらく見続けていたい。そんなエキシビジョンだった。エキシビジョンとはいえ、これだけ彩り豊かな闘いができる近藤なら、ティト・オーティスとの試合も大胆な挑戦でもなんでもないかもしれない。