BoutReview: 2000.1.23 パンクラス後楽園ホール --- 4. 石井大輔 vs 矢野倍達

2000.1.23 パンクラス 2000 TOUR "TRANS" 後楽園ホール

第4試合　（10分一本勝負）　

○

石井大輔

0分6秒

ＫＯ

矢野倍達

いきなりグローブ効果！

　
　新ルールに対する選手の反応はさまざまであるだろうが、グローブ着用となってもっとも喜んだ一人が石井であったに違いない。もともとアルティメット大会を見て格闘技の道に進み、掌底ルールはむしろ「やりにくい」ともらしていたほどである。
　対戦相手は昨年１２月の太田に続くｒＪｗ第２の刺客として登場した矢野。太田が稲垣を完封しただけに、矢野にも期待が集まった。パンクラス側にとっては２連敗は許されない。

　決着は６秒でついた。旧ルールではありえなかっただろう。
　ゴングと同時に飛び込んできた矢野の顔面に石井がパンチを浴びせ、あっという間のＫＯ勝ちである。デビュー以来、一度もダウンを奪ったことのなかった石井にとって、グローブ着用でこれほど劇的な効果が出るとは、自分でも予想できなかったに違いない。
　矢野にとっては不運だった。一撃でのＫＯがない分、掌底ルールの方が実力を発揮できたはずである。１１月のＵＦＣでＫＯされたばかりで、ダメージが残っていたのかもしれない。
　グローブ打撃の恐ろしさをまざまざと見せつける一戦だった。　

（慈村弓太）

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取材：慈村弓太、石渡知子　　写真：横森綾