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Report

新日本キックボクシング協会 "The Star Fleet"
5月27日(日) 東京・後楽園ホール

メインイベント 日・泰国際戦 71kg契約/5回戦 
泰国ラジャダムナン・Jrミドル級王者
小笠原仁
(伊原)
2R0分51秒

KO
泰国ラジャダムナン・ウェルター級4位
サゲッダーオ・ペットプートン
(タイ)
×

7月に初防衛戦を控えたラジャダムナンスタジアム認定ジュニアミドル級王者小笠原仁。3月のタイ人ノーランカーとの凡戦で評価を落とした小笠原にとって、今回の試合はその前哨戦であり、同時に昨年7月大会判定負けしたサゲッダーオ・ペットプートンへのリベンジ戦という重要な一戦だった。

パンチからミドル、ローを散らす小笠原の攻撃にサゲッダーオは全く対応出来ず、特にローのカットが全く出来ない。昨年とは別人のような脆さを見せるタイ人は1R残り20秒、ローで早くもダウン。このラウンドはなんとか生き延びたサゲッダーオ、続く2R単発でミドルを返すがそこまで。早々にローでダウン。そしてラッシュした小笠原がローから左フック→右アッパー→左フックと畳み掛けるとまたもあっさりダウンし、そのまま起き上がってこなかった。

「今日は相手の動きが良く見えた。初心に帰ってパンチとローの練習をした成果が出た」という小笠原、戦績はこれで24戦19勝(14KO)4敗1分。
これで小笠原は7月28日に1位チャオリワッ・ジョッキージムを迎えて後楽園ホールで行われる初防衛戦に臨むことになったわけだが、今回の対戦相手であるサゲッダーオの(1階級下とはいえ)あまりの打たれ脆さに小笠原の復調ぶりというのはわからず仕舞いだった。
「小笠原のローが思ったより早くてびっくりした」と言うサゲッダーオ、現在ウェルター級の4位との事だが、そのふがいなさはとてもランカーとは思えない。特につい2日前にNJKFのリングで同じクラスのルンピニーランカー (2位)のヨーデーチャーの人間離れした強さを見せ付けられた直後だけに、同じランカーでこうも違うのかと考えさせられた。

ラジャとルンピニーの二つの王座がなぜブランドで、その奪取が快挙なのかと言えば、単に歴史や伝統があるからではなく、それが「強さの象徴」であるからに他ならない。分厚い選手層に裏打ちされた、化け物の様な強さのランカー達のピラミッドの頂点に立っているからこそ、王者が強者として尊敬され、目標となりうるのだ。そうでなければ、誰もタイなど目指しはしないだろう。もし今日のサゲッダーオの姿がそのままラジャダムナンのランカーの真実なら、そんな王座はいらない。

強いものを倒してこそ王者。だから小笠原にはもう少し相手のふがいなさに対して怒って欲しかった。

防衛戦の挑戦者、チャオリワッ・ジョッキージムは昨年12月に新日本ラジャ興行で武田を完封した選手。長い手足を駆使したしつこい首相撲と前蹴りで現在ラジャ王者の武田に何一つ満足な攻撃を出させなかった。このタイプは小笠原が最も苦手にするタイプ。防衛戦では相手は目の色を変えて王座を取りに来ることを祈る。そうでないと小笠原の評価が「外国人史上3人目の2大スタジアム王者」ではなく単にアジアのローカル王者になってしまう。強さと巧さを兼ね備えた相手を倒してこその王者。そうでなければベルトに何の価値があるというのだろう。小笠原の真価は7月に“測定”される。

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レポート:新小田哲  写真:薮本直美

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