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メインイベント 日・泰国際戦 68.5kg契約/5回戦 | |||||||
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9月にラジャ王座の初防衛戦を行う事が決定したラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王者武田幸三。7月に試合の予定がないため、この試合が前哨戦ということになる。
対戦相手のシッティチョークはメジャースタジアムではそれほど試合の経験がなく、主に地方のリングが主戦場。プロモーターの変更(以前はソンチャイ氏の下にいたこともあったらしい)もあって、半年振りの試合との事だった。棒立ちに両足を揃えて立ち、猫背で両手を突き出す、独特な構えにざわめく場内。武田はおかまいなしにミドルや内股へのインローを蹴り込んでいくが効いているのかいないのか反応のないタイ人。その上素人目にも手打ちのパンチを繰り出し、蹴りを打つ姿もどこかへっぴり腰。笑い声や野次が飛び始め、いつのまにか武田の試合には珍しく観客席に弛緩した空気が漂いだした。
初回は持て余し気味だった武田だが、手足を止めることなくコーナーに詰めてパンチのラッシュ、あるいはローの連打を見せるとさすがに効いたのか2R終盤にシッティチョークいきなりしゃがみこむようにダウン。立ち上がりはしたが、ふらつく姿を見てレフェリーは試合をストップした。試合後の武田は不満を隠そうとしていなかった。不機嫌そのもので取り囲んだ記者を睨み付けるようにして質問に答える。
「ダメはダメなりに綺麗に倒したかった。もう少し(上下に)散らせれば。」
「9月まで間があるのでもし行けるなら7月初頭にでもタイに行きたい。タイミングが合えば試合も。やるなら名前のある強い選手と。そうでないとやる意味がない。」
「物足りなさはもちろんある。満足?とてもじゃないけどしてない。打ち合ってこなかったのでがっかりした。タイトルマッチの時より練習したのに・・・。こういう事もある。逆の意味でモチベーションが上がりました。」強い相手に餓え、相手を倒すことにこそ価値を見出すこの男に、次こそは満腹になる様な相手であることを祈る。
武田はこれで34戦28勝(21KO)4敗2分。結果一覧に戻る
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レポート:新小田哲 写真:薮本直美 |