両手を頭の前で構えた前田は、その構えた両手のグローブの内側からスミューレンを凝視する。スミューレンが前田に右パンチを繰り出す。前田はそれを、よけるとも、受けるともせず、打たれるままだ。
前田がスミューレンに打ち込まれるたびに「キャアァ」と悲鳴にも似た歓声が客席から飛ぶ。それでも前田は一向に反撃をしない。視線だけで相手を威嚇し、前田のイリュージョンに引き込もうというのか?後半、飛び膝蹴りを見せるも、前田がスミューレンに押されて1Rが終了した。
1Rの優勢の流れに乗ったスミューレンは前田を攻め、右ストレートで前田からダウンを奪う。これで万事休すかと思われた直後、不死鳥のようによみがえった前田は右ローとスミューレンに反撃、右ひざがスミューレンに吸い込まれるように入り、ダウン、KOで勝利を収めた。
試合後、「少しひやひやするぐらいのほうが面白いでしょう?」と笑顔で答えた前田。魔裟斗にすれ違い様、大丈夫、大丈夫とグローブをあわせ、メインイベントの魔裟斗に勝利のバトンをつないだ。
結果一覧に戻る
← 前の試合 / 次の試合
→