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kick 新日本キックボクシング協会 "SPEED KINGS" 3月26日 後楽園ホール
第13試合 メインイベント 日本バンタム級選手権/5回戦 
日本バンタム級王者
菊地剛介
(伊原)
判定3-0

50-44
50-46
50-47
日本バンタム級3位
山口志
(宮川道場)
×
※菊地が初防衛に成功。

1月の興行でラジャのフライ級現役ランカーから明確な判定勝利を奪った菊地。まだ19歳と若い王者は1戦ごとに違う一面を見せ、未だ成長途上であることを伺わせる。

一方の山口はバンタム級3位。98年の1月に菊地に判定負けしている。挑戦権のある上位ランカーが怪我で回避し廻ってきたチャンスだけに、この幸運を王座奪取へつなげたいところだろう。

1Rからパンチで前進する菊地、中盤ワンツーからハイキックをヒットさせいきなりダウンを奪う。「ここで決めようと思った」と言う王者、さらに左のパンチでダウンを追加する。早期決着も予想されたが山口も粘って1Rゴング。しかしいきなり王者が大きくアドバンテージを得る事になる。

2R、倒しにかかる菊地の攻撃に対し山口は首相撲に活路を求める。しつこく組み付き膝蹴り。菊地これを押し返して山口を転がすが、突進しては首相撲、を繰り返す山口に苛立っているようにも見える。両者組み合ってはブレイク、と言うパターンが続く。

3Rも同様の展開。例えば組際にパンチ、離れ際にハイという戦法もあると思われるのだがなぜかこれにつき合う菊地。これが作戦でないことは菊地陣営の「アウトで行けアウトで!」という声からも明白。互いに意地になっているのか、蹴り足をキャッチして転がした後も攻撃を止めない両者にそれぞれの応援団からブーイングが。4Rも展開に変化は見られない。わずかに山口がローを見せたくらいか。

最終ラウンド。またも組み合いになるがここで菊地の縦肘が山口の額をカットしドクターチェック。再開後は両者パンチと肘の打ち合いになるが、もみ合いのうちに試合終了。消化不良気味の一戦は1R2度ダウンを奪い、その後もポイントを奪われなかった菊地の判定防衛となった。

「早い回で倒すつもりだった」という菊地、思うような試合運びが出来なかったとして「20点」と自己採点してみせた。
これまでパンチで来ればパンチで、ムエタイでくればムエタイでというように相手のスタイルに合わせる戦法を見せ、いづれも勝利してきた菊地の柔軟さが今回は悪い方向に出たとも言える。
しかしムエタイ嗜好の強い菊地にとって、今回の様に首相撲の主導権争いが5R通して続くという展開はこれからもあると思うので、良い経験になったとも言えなくもない。

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レポート:新小田哲 写真:薮本直美


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