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Report

kick 新日本キックボクシング協会 "SPEED KINGS" 3月26日 後楽園ホール
第11試合 セミファイナル ウェルター級/5回戦 
ラジャダムナン・スタジアム認定ウェルター級6位
日本ウェルター級王者
武田幸三
(治政館)
2R1分29秒

KO
ラジャダムナン・スタジアム認定ジュニアウェルター級3位
コンファーク・ルークメークロン
(タイ)
×
※武田は5月大会でラジャ・ウェルター級タイトルマッチに出場が正式決定。

昨年11月のラジャ興行で現役ランカーにKO勝ちしたことで武田の頂点への挑戦が始まった。しかしここに至るまでの道のりは、舞台裏で複雑極まりない道程をたどることになる。

当初は4月にダイレクトに王座決定戦が現地で行われることになっていたのだが、協会側が日本でタイトルマッチを行う事を提案するとラジャ側はその条件として3月にランカーとの対戦を要求。そこで組まれたのがこのコンファーク戦なのだが、さらに事態は急転。5月に対戦予定だったヨンサック・ガンワーンプライ(11月に武田にKO負けした相手)が戦意喪失、するとタイでは3月13日にラジャダムナン・スタジアムで同級7位のジャランデット・シットオーと同級2位のチャラームダム・シットラトラガーンとで王座決定戦を行い、4RKO勝利したチャラーダムを王者と認定し5月の試合を無効とする通達を出した。そこで協会は渡タイし5月の試合で王者チャラーダムとのタイトルマッチを行う事を交渉し、無事了承されたが、今回のコンファーク戦勝利が条件なのは言うまでもない。
一連の動きの中で一人動じなかったのが武田。「どちらにしろ倒すだけ」と言う言葉と決意を、今回の試合で証明することになる。

ゴングと同時に仕掛けた武田、ノーガードで左右のフックを繰り出すとコンファークも応戦、序盤から激しい打撃戦が展開される。武田は最大の武器であるローをほとんど出さず左右フック中心。コンファークの顔面に再三ヒットさせ場内を沸かせるが、タイ人も右フックを当て今度は場内から悲鳴が。思ってもみない展開にざわついたまま1R終了のゴング。

2R、武田左フック、コンファーク右ミドルで応戦するが勢い余って反転、後ろを向いたコンファークに武田の右。あわてて反撃するコンファーク、右を相打ちする。動じない武田右ローから左フックを放つとコンファークも左ミドル、ここからまたもノーガードの激しい乱打戦が開始される。武田の左フックにコンファーク同じく左フックを連打。しかし武田も左を痛打、腰の落ちたコンファークに追撃するとたまらずダウン、10カウントが数えられ武田の勝利が確定した。

この勝利により5月のタイトルマッチが正式決定のアナウンスが場内に流されると、大歓声が巻き起こった。
5月の相手は膝蹴りを得意としパンチもこなすクレバーなファイター、チャラーダム・シットラトラガーン。しかし武田にとってはランカーだろうと王者だろうと対するスタンスは変わらない。「倒すだけ」だ。5月、我々は21年振りの歴史的快挙の目撃者となるかもしれない。

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レポート:新小田哲 写真:薮本直美


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