[NJKF] 5.12 後楽園 (レポ&写真):小次郎、「K-1のチャラチャラした奴らをブッ飛ばします!」
NJKF "DREAM RUSH 4" 2002年5月12日(日) 後楽園ホール
レポート:磐田レン 写真:井原芳徳 【大会前のカード&タイ人選手紹介記事】
メインイベント WMC世界ウェルター級選手権/5回戦(インターバル2分) ○小次郎(ウィラサクレック/WMC世界ウェルター級王者/NJKFミドル級2位) ×スイット・ウォースティラ(タイ/WMC世界ウェルター級6位) 1R 2'37" KO (左膝蹴り) ※小次郎が王座防衛
2月のK-1 WORLD MAX のリザーブマッチで勝利をおさめた小次郎。もちろん、再びKのリングを視野に入れている。前日に行われたMAXの世界大会もテレビで観戦していたという。今日の試合もすっきりと勝利し「中量級に小次郎あり」とアピールしたいところだろう。 対するスイットはキャリア60戦を誇るベテラン選手。タイ・ラジャダムナンスタジアムの国際式ランキング1位で、しかもパンチよりローキックを得意とする選手だということで、拮抗した試合が期待されていたが…。 1Rから積極的に前に出ていく小次郎。パンチのコンビネーションから、距離を詰めて肘、膝の攻撃を仕掛けていく。スイットは単発のロー、ミドルを返すのが精一杯。「ローが強いと思ったら、たいしたことなかった」と振りかえるように途中からは余裕な攻め。実はスイットは3ヶ月ほど前に手術した右膝が完治していなかった。そのため得意のローを出せず、防戦一方に。フィニッシュは、組んだ状態からの膝蹴り。崩れ落ちるスイットを見てレフェリーが試合を止めた。
小次郎はマイクを持つと「K-1に出てチャラチャラしてる奴を一人一人ぶっ飛ばして、自分が一番だというのを見せつける」と、試合の余力をぶつけるように力強く宣言。 その一方で「今日は母の日なので、うちの母が会場に来ています。(昔は)悪ガキだったけど、今後がんばっていくので安心してください」と親孝行ぶりを見せつけた。
◆小次郎のコメント 「(相手の印象は?)思ったより強くなかったですね。ボディーも効いてるのわかったし、肘も当たるんで。背が低かったんでやりやすかったです。 (昨日のK-1の感想は?)ガオラン選手も肘があればすぐKO勝ち出来たと思うんですよ。ムエタイ構えだと肘がないと弱いと感じました。 (優勝したクラウス選手は?)パンチですね。ジャブとか凄い速いし。パンチの重要性が判りました。でも、彼は、足(キック)が出来ないじゃないですか。オールマイティーにできないと駄目ですね。K-1とキックは構えのスタイルから違うんで、これから考えて練習します。」
セミファイナル NKB統一トーナメント準決勝 フェザー級/5回戦 ○桜井洋平(岩瀬/前NJKFバンタム級王者) ×岩井伸洋(小国/NJKFフェザー級6位) 判定3-0 (50-47,50-47,50-46) ※桜井が決勝進出。9.8 NJKF後楽園大会で決勝戦。相手は7.21 APKFディファ大会 伊藤陽二 (日本キック) vs. TURBO (APKF) の勝者。
デビューから破竹の7連勝中の岩井。その前に立ちはだかるのはNJKFのエース格の桜井。岩井にとって高い壁となる桜井をどう攻略するのか。注目を浴びる一戦となった。 序盤から桜井は飛び膝蹴りやハイキックを繰りだし自分のペースをつかむ。対する岩井はリズムを崩し攻撃が乱雑に。桜井は要所で的確に攻撃を仕掛け試合を組み立てる。5R残り30秒で桜井は猛ラッシュを仕掛け、岩井をぐらつかせる。 桜井の経験からくる試合運びの上手さが見える試合となり、大差の判定で勝利を物にした。これにより、桜井は9.8 NJKF後楽園大会の決勝進出のキップを手に入れた。
第6試合 NKB統一トーナメント準決勝 フライ級/5回戦 ○川津真一(町田金子/NJKFフライ級1位) ×佐藤友則(小国/NJKFフライ級2位) 2R 2'48" KO (右ストレート) ※川津が決勝進出。7.14 NJKF後楽園大会で唐沢たくみ(K-U)と決勝戦
昨年6月の後楽園大会の再戦。佐藤にとってはリベンジマッチとなるこの試合。すっきりと借りを返し、決勝に進出したい所だろう。 その佐藤の意気を反映するように、序盤から激しい打ち合いに。2R、佐藤は接近しての打ち合いでダウンを奪う。しかしスリップ気味だったため「ダウンじゃない」と川津はアピールする。ダメージもなく、これを機に奮起した川津は一気に攻めこみ、右ストレートを佐藤の顔面に叩き込む。前のめりに崩れ落ちる佐藤。レフリーがカウントの途中で試合を止めた。
ダウンで記憶が飛んだのか、試合が終わった事に気がつかない佐藤は、再び川津に飛びかかろうとする。セコンド陣は制止し、我に帰った佐藤はコーナーでうずくまる。ダウンを奪った直後のKO負けとなった佐藤にとって、悔しい結果となったが、最後はお互いの健闘を称えあった。 川津はリング上から「7月14日の試合はもっと速いかもしれません!瞬きしないで下さい」とアピール。詰めかけた観客に決勝の必勝を誓った。
第5試合 WMC世界ミドル級ランキング戦/5回戦(インターバル2分) ○ウドムサック・ウォンパサー(タイ/タイ国ミドル級) ×HIROSHI(サシプラパージャパン/NJKFミドル級1位) 判定3-0 (50-48,50-47,50-47)
ムエタイ式の進行で行われたこの試合。HIROSIはパンチ主体で攻めるが、強豪ウドムサックは速射砲のような前蹴りで距離を保ち、ローやミドルを打ち込み手数で上回る。勝利を確信したウドムサックは4R以降全く相手の攻撃に付き合わない。組みついては投げ飛ばし、時間を稼ぐ展開に。結局、前半のポイントを守りきり、ウドムサックが勝利した。
第4試合 NKB統一トーナメント準決勝 ライト級/5回戦 ○笛吹丈太郎(大和/NJKFライト級2位) ×ソムチャーイ高津(小国/NJKFライト級3位) 判定3-0 (50-49,50-48,49-47) ※4R ローブローにより高津に減点1あり ※笛吹が決勝進出。AVIS SV-01(NJKF)と決勝戦
両者は2000年の1月に一度対戦しており、ダークホースだった笛吹が高津にわずか1分8秒でKO勝ちしている。高津にとっては2年越しの借りを返したいところ。試合前から高津は笛吹を激しくにらみ付け、笛吹も視線をそむけない。 しかし、試合はいきなりのアクシデントから始まる。高津の放った蹴りがローブロー気味に入ってしまう。立ちあがることすらできずにマットにうずくまる笛吹の回復を待つため、5分間のインターバルが与えられる。さらに2Rにも高津のローブローで試合が中断。荒れ模様の試合へと展開していく。 気をとりなおしてパンチを主体に攻めこむ笛吹。高津は詰めて肘打ち、膝蹴りを狙う。 だが4R、3度目の悲劇が起こる。またもや高津のローブローで笛吹が倒れこむ。ここで遂に高津に減点が与えられる。 これを境に、両者は激しい殴り合いへと移行。高津もリベンジへの意地を見せたが、笛吹の有効打が若干上回る。ローブローの減点も響き笛吹が決勝進出を決めた。 だが笛吹の勝利の代償は大きく、下腹部の腫れが引かず入院手術となった。そのため7.14後楽園大会で予定されていた決勝は延期となった。
第3試合 58kg契約/5回戦
×清水力一(小国/NJKFフェザー級3位)
○立嶋篤史(ASSHI PROJECT/NJKFフェザー級8位)
判定0-3 (48-49,49-50,48-50)
立嶋のNJKF移籍第2戦。両選手とも30歳の対決だが、キャリアは立嶋63戦、清水13戦となんと50戦もの開きがある。
1Rから前に出ていく清水。立嶋はこれを老獪なインサイドワークで凌いでいく。3R、肘打ちでの切りあいを演じるも、両者有効打には至らない。
後半戦になると攻めきれない清水に対し、立嶋は緩急をつけた攻撃で相手のリズムを狂わし、時折強烈なボディーブローを放つ。更にローキックで清水を攻め、判定ながら立嶋が移籍後初勝利をとげた。
立嶋は試合後エプロンで集まったファンと一緒に万歳三唱。入場から退場まで後楽園ホールを立嶋ワールドに染め上げていた。
第2試合 NKB統一トーナメント準決勝 ライト級/5回戦
×野崎勇治(東京北星/NJKFライト級4位)
○AVIS SV-01(小国/NJKFライト級5位)
本戦判定1-1 (50-48,48-50,50-50) ※公式記録はドロー
延長判定0-3 (9-10,9-10,9-10)
※AVISが決勝進出。7.14 NJKF後楽園大会で笛吹丈太郎 (NJKF) と決勝戦
1Rから激しい打ち合いを展開。お互いのパンチが眼前で飛び交う一進一退の攻防となった。結局、本戦では決着がつかず、トーナメントの為の延長戦へと突入。
延長戦もどつきあいとなったが、AVISが声を出し自らに気合を入れると、最後のラッシュを仕掛け、この混戦を物にした。
第1試合 MKB統一トーナメント準決勝 バンタム級/5回戦
×弘中史樹(ウィラサクレック/NJKFバンタム級4位)
○山本恭太(大和/NJKFバンタム級5位)
判定0-2 (49-49,49-50,49-50)
※山本が決勝進出。6.29日本キック後楽園大会で中野智則 (APKF) と決勝戦
両者は昨年6月の後楽園大会で対戦しているが、この時はドロー。トーナメント決勝をかけた試合は、同時に二人の決着戦にもなった。
パンチ主体で攻めこむ山本。対する弘中はミドルから膝蹴りを狙う展開となる。しかし、パンチの技術で山本が上回る。4Rには、パンチのラッシュで弘中をダウン寸前まで追いこむ。5R、弘中も意地を見せ、両者足を止めての打ち合いに。
第1試合とは思えないほどの大歓声の中、一進一退の攻防を展開し、僅差の判定ながら山本が勝利と決勝への切符をもぎ取った。
Last Update : 05/24
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