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[全日本キック] 佐藤が得意の膝で金沢を完封/2.15 後楽園 (レポート追加)

全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2002 2nd.BOUT "VANGUARD[ヴァンガード]"
2002年2月15日(金) 東京・後楽園ホール

レポート:井原芳徳

メインイベント スペシャルマッチ ウェルター級(66.68kg)契約/5回戦
○佐藤嘉洋(名古屋JKF/WKA世界ムエタイ・ウェルター級王者)
×金沢久幸(TEAM-1/WPKC世界ムエタイ・スーパー・ライト級王者)
判定3-0(50-45,50-44,50-46)

 正月の小林戦では62.5kg契約で戦った金沢が、わずか1か月後の今回は4kg以上重い契約体重の試合に挑む。しかも相手は10cm背の高い佐藤。金沢は66.2kg、佐藤は66.4kgで計量をパスしたが、リング上に並んだ両雄を見比べると、とても同じ階級とは思えない体格差がある。
 案の定試合は佐藤が金沢を首相撲につかまえて膝を連打する展開が繰り返される。金沢はバックステップを踏むばかりで、起死回生のバックハンドブローもリーチが短くて届かない。小林戦の後に金沢は「スーパーライトでもウェルターでも、70kg以下ならいける自信はあります」と豪語していたが、佐藤は規格外だったようだ。客席から「相撲じゃねえんだぞ!」と野次が飛ぼうとも、同じ展開が最後まで続く。金沢はダウンこそしなかったものの、大差を付けられ判定負けした。
 バックステージに戻った金沢からは5R攻められ続け完敗したという悲壮感が感じられない。「1月と同じで蛇の生殺しみたいですね。(佐藤が「世代交代の瞬間を見せる」と言っていたが)こっちが立ち上がれなくなるくらいに潰してほしかったですよ。小林君の攻撃のほうが効きました」と煮え切らない様子だった。
 煮え切らない気分なのは勝った佐藤も同じ。「“膝蹴りはつまらない”というイメージを払拭したかったんですけど、今日の試合じゃダメですね。僕自身の採点では今日は赤点です。金沢さんに勝てたことはうれしいけど、あと一発が必要です。また頑張ります」と喜び少なだった。
 また、佐藤は大きな盛り上がりを見せたK-1中量級大会に刺激を受けた様子で「全国ネットで放映されててうらやましかった。僕も目立ちたいです。魔裟斗のいる地位まで上がりたいですね」とも語った。K-1は将来的に膝蹴りを廃止する方向に進んでいるので、膝蹴りを必殺技とする佐藤がK-1に参戦する可能性はあまり高くない思う。だが、佐藤の素質を考えると、うまく個性を生かせる舞台さえあれば「魔裟斗のいる地位」も夢ではない。そのためには関係者の努力はもちろんだが、佐藤の膝蹴りの威力と魅力のさらなる向上も課題だと思う。

セミファイナル 日本・イギリス国際戦 82kg契約/5回戦
○西田和嗣 (S.V.G./全日本ライトヘビー級1位)
×デビッド・ウィルキンス(イギリス/WKAイギリス・ライトヘビー級王者)
1R 2'26" KO

 ウィルキンスはイギリス出身の28歳で、戦績は12戦9勝(4KO)3敗というデータぐらいしかない謎めいた選手。試合はウィルキンスが離れ際に左ハイを出し、西田が膝蹴りを出す程度で、特に目立つ攻防のないまま静かに進んでいたが、西田の右フックがウィルキンスにクリーンヒットし、ウィルキンスはノックアウト。西田があっけなく勝利した。「ラッキーパンチだった。蹴りを打つためのパンチだったんですけど」と西田は苦笑いしていたが、「相手と組んだ瞬間に今日はいけると思った」と語るあたりからも、その成長と大物ぶりが感じられる。これで西田はデビュー以来6戦6勝(3KO)。セミファイナルを難無くクリアしたことで、メインイベンターにさらに一歩近付いたといえそうだ。

第9試合 全日本バンタム級ランキング戦/5回戦
○割澤誠(作真会館/同級1位)
×杉浦磨(名古屋JKF/同級4位)
判定2-1(50-49,50-49,48-50)

 1月に21歳になったばかりの杉浦が序盤から猛攻を仕掛けるが、30歳の割澤も負けじと応戦。互いに決定打に欠けるものの、激しい打ち合いが続く。3Rになると消耗戦の様相を呈し、割澤がクリンチから杉浦を倒す場面が目立つようになる。杉浦も負けじと倒す場面があったが、割澤は前蹴りも使って杉浦を翻弄。判定は評価が分かれたが割澤が勝利した。割澤は「途中でスタミナが切れました。でもセコンドのアドバイス聞いて顔を見る余裕があったので勝てたと思います」と試合を振り返り、「次は絶対にタイトルマッチに挑戦したい。もう待てないんで」と安川賢戦を熱望した。

第8試合 バンタム級サドンデスマッチ
○笠原大介(GENESIS/同級5位)
×武井豊(谷山/新空手全日本軽量級3位[2001年度])
判定3-0(29-26,30-26,30-26)

 笠原が右カウンターパンチなどで序盤から攻勢。1R残り30秒では飛び膝蹴りで武井からダウンを奪う。2Rも笠原がプレッシャーをかけながら攻勢。武井が左ハイを当て反撃の兆しを見せたが、すぐに笠原ペースに戻り、3Rになると笠原の攻勢の度合いがさらに強まる。カウンターを当て続け、中盤には右ミドルで再びダウンを奪う。試合終了まで飛び膝、ハイキック、回し蹴りと多彩な動きを見せ、ポイント大差を付けて勝利した。試合後、笠原は昨年12月大会で判定負けしたYUTAKAへのリベンジ戦を熱望。今年の笠原はバンタム級戦線を面白くしてくれそうだ。

第7試合 ウェルター級/3回戦
×山崎秀二(S.V.G.)
○松本俊太郎(MA日本/士道館)
KO 1R 1'53"

第6試合 ライト級/3回戦
×長谷川誠(青春塾)
○山本優弥(新空手/空修会館)
判定0-3(27-30,27-30,27-30)

第5試合 フェザー級/3回戦
×嵐田茂(REX JAPAN)
○岩浅晶士(S.V.G.)
判定0-3(29-30,29-30,29-30)

第4試合 バンタム級/3回戦
×真後和彦(はまっこムエタイ)
○リヨン樺澤(國土会)
KO 1R 0'47"

第3試合 64kg契約/3回戦
△平航(REX JAPAN)
△前田大輔(はまっこムエタイ)
判定0-0(29-29,30-30,30-30)

第2試合 ミドル級/3回戦
○上林 剛(青春塾)
×藤田啓一(MA日本/土浦)
KO 1R 0'50"

第1試合 フェザー級/3回戦
×城間正巳(勇心館)
○阿部圭祐(はまっこムエタイ)
KO 1R 2'01"
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Last Update : 03/06

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