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[全日本キック] 新田、K-1中量級出場権獲得!/12.9後楽園(写真掲載)

全日本キックボクシング連盟 "BULLET"
2001年12月9日(日)東京・後楽園ホール

レポート&写真:井原芳徳  選手コメント:石動 龍

メインイベント 全日本ミドル級タイトルマッチ
K-1 WORLD MAX日本大会出場者決定戦/5回戦
王者            挑戦者/同級1位
新田明臣(S.V.G.)    対 清水貴彦(超越塾)
ドロー 判定1-1[47-48,48-47,48-48]

 復帰戦の新田の大応援団が北側のひな壇席を陣取り、試合開始前から異様な熱気を漂わせる。清水の開始早々からの猛ラッシュで新田が1Rからダウン。その後も苦戦を強いられたが、次第にエンジンがかかり、膝蹴り、ミドルキックで形勢逆転。三者三様の判定でかろうじてドローに持ち込み、王座を防衛し、K-1中量級への切符も手にした。
 新田のこの試合に臨んだ心境については、下記の本人のコメントをご覧いただければ他に説明はいらないと思う。

新田、試合後のマイク
「ありがとうございました!(涙声になりながら)言わないでおこうと思ったんですけど、今日は僕の妹の四十九日だったんで・・・。妹のためにがんばりました。妹のために戦いました。(妹の写真を持ち、天を仰いで)見ててくれたか?勝ったぞ!!」

新田コメント
「今日はどうしても勝ちたかったです。もし負けたらキックをやめて、妹の四十九日を僕の引退記念日にしようと思ってました。(妹のことは)言わないつもりだったけど、涙がこらえられなくて・・。ドロー防衛で泣いてると思われたくなかったので。
 試合はみっともないの一言ですね。相手が最初から来るのはわかってたんですけど、実際いいようにやられてダウンまで取られちゃって・・。気おくれするかな、ぐらいは考えていたんですけど。内容的には最低です。こんなこと言うとドラマを作ってるみたいで気は進まないんですけど、今日はやっぱり妹が守ってくれたんじゃないかな、と思います。次はK-1で一番になれるように頑張ります。」

清水コメント
「最初に畳み掛けたのは作戦通りだったんですけど、飛ばしすぎてスタミナが切れちゃいましたね。ダメージは全然受けてないんですけど・・。タイトルが2つ掛かっていたような試合だったので悔しいです。」

第10試合 セミファイナル 58kg契約/5回戦
全日本フェザー級5位
前田尚紀(藤原)    対 大宮司 進(シルバーウルフ)
勝者:大宮司進 判定0-2[48-49,49-49,47-50]

 高校球児のような朴訥とした風貌で「戦う修行僧」の異名を取る前田に対し、ヒップホップ系の華やかなイメージの強い大宮司。しかし2年ぶりの全日本キックのマットに登場するその姿は前田と同じく丸坊主。セコンドにはこの夏からのチームメイトで前日K−1東京ドーム大会でノエル・ソアレスを破ったばかりの魔娑斗も付く。2年前の全日本電撃離脱のころからより大きく成長して戻ってきた魔娑斗。最近ようやく客席で全日本の大会を観戦するようになっていたが、セコンドとしてリングに近づくのは離脱以降初めてだ。
 試合は前田の回転の早いパンチラッシュから始まる。2R途中まで押され気味だった大宮司だが、膝蹴りを中心に反撃。正道会館時代の先輩、中迫、宮本の激励をインターバル中に受けると、3Rも肘打ち、ミドルキック、ハイキックなど多彩な攻めを見せ、攻め疲れた前田に反撃の機会を与えない。4R前田が前蹴りでリズムをつかみかけたが、大宮司が右フックで自分のリズムに戻し、ボディ中心の攻めでさらに前田を苦しめる。5Rになっても大宮司は疲れを見せない。魔娑斗とともに激しいトレーニングを積んだ成果が終盤になってはっきりあらわれる。ローキック、ミドルキックと攻め続け、勢いを維持したまま試合は終了した。

 同点を付けるジャッジが1人いたものの、大宮司の勝利は大半の観客にとっても明らかだった。元々評価の高かった大宮司の実力がシルバーウルフでようやく開花。魔娑斗もリングに上り大宮司とともに勝利のファイティングポーズを取る。お互い「くん」付けで呼ぶ二人の二人三脚で得た勝利であることを実感させる光景だった。1月のJ-NETWORK有明大会で蔵満誠との2年ぶりの再戦が決まっている大宮司、来年は各団体で旋風を巻き起こすこと間違いない。

大宮司コメント
「とにかく後ろに下がらないことを考えてました。あのタイプは下がってしまうと好き放題打って来るんでね。今回は正直モチベーションが上がらなかったです。どうしても消化試合的に考えてしまって。増田(博正)とか、あの辺の相手なら気合も入るんですけどね。今日はKOできなかったので、60点のデキです。今の目標はとりあえず日本で一番になることなんで。それをクリアしてから、世界に出ようと思います。」

※この間に来年1月4日後楽園ホール大会のメインイベントで2年ぶりに対戦する小林聡と金沢久幸がリング上で挨拶。金沢はこの大会で新発売されたジムの後輩・デンジャー高山のオリジナルTシャツを着て「これを着ていれば負けると思われる試合にも勝てます!」とアピール。小林は「金沢選手が僕の弱点を見つけたと語ったと聞いて夜も眠れません」とおどけて語った。

第9試合 全日本バンタム級ランキング戦/サドンデスマッチ【→ルール説明】
同級2位       同級6位
YUTAKA(月心会)  対 笠原大介(GENESIS)
勝者:YUTAKA 判定2-0[30-30,30-29,20-29]

 YUTAKAが左右のコンビネーション、回し蹴り、バックハンドブローなど多彩な攻めを見せ、3R終盤にはパンチで笠原をひるませた。
 今大会初めてサドンデスマッチ4試合が組まれたが、全て3R以内に決着。今後の大会で醍醐味が発揮されるのを期待したい。

YUTAKAコメント
「1〜2Rは僕のペースで行けましたね。3Rは疲れちゃってちょっと攻め切れなかったですけど。(3Rの)ヒジのアピールはスタミナ回復のための時間稼ぎです。(新ルールについて)5Rに比べて、3Rはすごく短く感じるんですわ。だからスタミナ配分考えないで行ったらいいだけやったんで、楽でしたね。僕はこのルール大好きですね〜。アイ・ラブ・サドンデス、ですわ。」

第8試合 全日本ウェルター級ランキング戦/サドンデスマッチ
同級2位        同級5位
池田好治(藤原)   対 江口真吾(作真会館)
勝者:池田好治 判定3-0[30-28,30-28,30-28]

 1Rダウンを奪った池田が勝利。後半はクリンチの多い展開。

第7試合 80Kg契約 サドンデスマッチ
全日本ミドル級3位   全日本ライトヘビー級
藤原鉄志(青春塾)  対 西田和嗣(S.V.G.)
勝者:西田和嗣 判定0-3[29-30,28-30,28-30]

 クリンチが多くなかなか差が出ない展開だったが、3R左右のハイキックで西田が攻勢にまわり勝利。

第6試合 フェザー級 サドンデスマッチ
全日本フェザー級8位   新空手全日本軽量級準優勝[2000年度]
石川直生(青春塾)   対 新宅正章(新空手/空修会館)
勝者:石川直生 KO 1R 3分05秒

 新空手の実力者として期待されていた新宅だが、カウンターの右フックでダウンすると、石川得意の膝蹴りをモロに顔面にもらいノックアウト。

第5試合 ライト級/3回戦
降矢康勝(GENESIS) 対 加藤啓明(TEAM-1)
勝者:降矢康勝 判定2-0[30-28,30-30,30-29]

第4試合 64kg契約/3回戦
           新空手全日本軽中量級3位[2001年度]
平 航(REX JAPAN) 対 佐々秀幸(新空手/瀧澤学園)
勝者:平 航 判定3-0[30-28,30-28,30-28]

第3試合 ヘビー級/3回戦
鈴木ミツル(GENESIS) 対 窪田豊彦(FATBOYS)
勝者:窪田豊彦 KO 1R 2分07秒

第2試合 フェザー級/3回戦
栗原 毅(作真会館)対 清水英樹(月心会)
ドロー 判定1-1[29-30,30-30,29-29]

第1試合 フェザー級/3回戦
村山良和(はまっこムエタイ)対 瀬尾博幸(TEAM-1)
勝者:村山良和 判定2-0[30-30,30-28,30-29]


※第4試合後の休憩時間に同大会で新発売されたデンジャー高山Tシャツの販売,サイン&握手会が行われたが、サインを求める人はまばら。しかしTEAM-1のセコンドがみんなこのTシャツを着たり、金沢がマイクアピールで紹介したりと、宣伝はバッチリ。これからファンに浸透していくことだろう。

Last Update : 12/11 17:57

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