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(レポ&写真) [K-1 MAX] 10.3 武道館:サワー、魔裟斗破り2度目の優勝

FEG "Ameba presents K-1 WORLD MAX 2007 〜世界一決定トーナメント決勝戦〜"
2007年10月3日(水) 東京・日本武道館  観衆:14,231人(超満員札止め)

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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■世界一決定トーナメント

第3試合 準々決勝(1) 3分3R(延長1R)
×ブアカーオ・ポー・プラムック(タイ/ポー・プラムックジム/'04 '06優勝)
○魔裟斗(日本/シルバーウルフ/'03優勝)
判定0-3 (岡林27-30/朝武27-30/大成27-29)


 1R、ロー中心の蹴りで攻めるブアカーオに対し、魔裟斗はコンビネーションからの右フックや右アッパーを的確にヒット。残り30秒、左アッパーのフェイントの後、右ストレートをクリーンヒットさせダウンを奪うと、場内は大歓声に包まれる。2Rにはブアカーオに右ローを効かされ、魔裟斗はやや失速。だが、3Rは左ジャブ、右アッパーを何発も当て、ブアカーオに反撃の糸口を与えず。文句無しの判定勝ちで、見事3年前の決勝戦の雪辱を晴らした。

第4試合 準々決勝(2) 3分3R(延長1R)
×マイク・ザンビディス(ギリシャ/ザンビディス・クラブ)
○アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン・オデッサ)
4R 判定0-3 (岡林9-10/朝武9-10/大成9-10)

3R 判定0-1 (岡林29-30/朝武30-30/大成29-29)

 ザンビディスが左右のフック、右ハイ、キシェンコが左ミドルと左ハイ主体で攻めるが、互いに慎重で、クリーンヒットもほとんど無い。だが延長に入ると、中盤にキシェンコの左のテンカオ(近距離の飛び膝蹴り)が連続ヒット。結局これが評価され、キシェンコが準決勝に駒を進めた。

第5試合 準々決勝(3) 3分3R(延長1R)
○アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ/'02優勝)
×佐藤嘉洋(日本/フルキャスト / 名古屋JKファクトリー)
判定3-0 (御座岡30-29/朝武30-29/大成30-29)


 1Rはクラウスがパンチ、佐藤がテンカオとロー主体で攻める展開。2Rも基本的に同じだが、クラウスもローを絡め、佐藤もパンチを放つ。接戦が続いたが、3R中盤、クラウスが左フックのクリーンヒットをきっかけにパンチラッシュ。すると佐藤は「来い」とアピールしながら、意外にも打ち合いで真っ向勝負。劣勢は変えられず破れはしたものの、谷川貞治K-1イベントプロデューサーは「今までで一番いい試合だった」と讃えた。

第6試合 準々決勝(4) 3分3R(延長1R)
○アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング・オランダ/'05優勝)
×ドラゴ(アルメニア/ショータイム)
2R 1'43" KO (右フック)


 サワーは左ミドルと左ボディブロー、ドラゴは右ミドルを主体に攻める展開。どちらもタフで、五分の状態がしばらく続くようにも思えたが、2R、ローとパンチの打ち合いが増えると、サワーのクロスカウンターの右フックでドラゴが大の字。サワーは口を切り左肋骨を痛めたというが、準々決勝唯一のKO勝ちで、比較的軽微なダメージで準決勝に進んだ。

第7試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○魔裟斗(日本/シルバーウルフ/'03優勝)
×アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン・オデッサ)
2R 0'41" KO (左フック)


 試合はローの打ち合いからスタート。ブアカーオのローももらっていた魔裟斗はダメージが蓄積される。終盤からはキシェンコの左フック、右ストレートが当たりだし、魔裟斗は後ずさりするピンチ。ブアカーオを下した代償が大きすぎたとも思えたが、2Rに入るとパンチャーのキシェンコとパンチで真っ向勝負。足を止めての打ち合いで、左フックの相打ちとなったが、倒れたのはキシェンコ。場内総立ちの大歓声に包まれ、魔裟斗は飛び跳ねて喜んだ。しかし花道を帰る時はセコンドに肩を担がれており、決勝に不安を残した。

第8試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ/'02優勝)
○アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング・オランダ/'05優勝)
判定0-2 (御座岡29-30/朝武30-30/大成29-30)


 魔裟斗の予想通り、反対ブロックを勝ち上がったのはサワーだった。サワーは1R、左ミドルとローを着実にヒット。クラウスのパンチのコンビもきっちりとブロックする。準々決勝で佐藤のローをたっぷりもらったクラウスは、足を痛めていたといい、踏み込みが甘くなる。2Rにはサワーがパンチの連打と飛び膝で攻勢の場面を作る。3Rは激しいパンチ戦が続き、クラウスの手数が若干上回るが、サワーは一歩も引かず。ジャッジ2者の評価を得て、大きなダメージ無く優勝に王手をかけた。

第10試合 決勝 3分3R(最大延長2R)
×魔裟斗(日本/シルバーウルフ/'03優勝)
○アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング・オランダ/'05優勝)
2R 終了時 TKO (タオル投入)

※サワーが2年ぶり2度目の優勝

 激しい試合が続いた魔裟斗は、ブアカーオ戦で左足のスネ、キシェンコ戦で右足を負傷。大会後の谷川プロデューサーの話によると拳も痛めていたといい「普通なら決勝前にドクターストップがかかる」ほどの状態だったという。本人も「1回戦(ブアカーオ戦)が終わった時点で辞めたいな、勝ち逃げしようと考えた」が、セコンドの叱咤激励もあり花道に姿を現すと、超満員の観衆から大歓声。優勝への期待を一身に背負う。
 「決勝も1Rが終わったらタオルを投げようって話していた」という魔裟斗は、開始すぐからストレート、フック、アッパーの猛ラッシュで短期決戦を狙う。手数で劣るサワーだが、下がることなく右ローを着実にヒット。魔裟斗は1Rで力を使い果たしたようで、2Rは途中から一方的にサワーのローをもらい続け劣勢に。ゴングが鳴る時には背中を見せフラフラの状態で、セコンドにかつがれコーナーに戻るとイスに座ったまま立ち上がれず首を振り、セコンドがタオルを投入した。
 魔裟斗のTKO負けは10年のキャリアでこれが初めて(KO負けも一括りにすればデビュー2戦目のコヒ戦に続き2度目)。サワー相手には去年の準決勝に続きに2連敗。クラウスとは初対決で判定負け、2戦目は引き分け、3戦目はKO勝ちだったが、同じ相手に2連敗というのはサワーが初めてだ。
 試合後の魔裟斗は「悔いは無い」「自分のダメージがキツかった」「辞めるとは言わないけどトーナメントはもう出たくない」「俺が元気なら大晦日にサワーと決着を付けていい」等とコメント。谷川氏は「いいっすね」と再々戦に乗り気だったが「かなり状態は悪いですから、サワーもそうだけど、両方体調がいい時にやらせたい」と話した。

第2試合 リザーブファイト(1) 3分3R(延長1R)
×小比類巻貴之(日本/BRAVI RAGAZZI)
○ヴァージル・カラコダ(南アフリカ/ウォリアーズMMAアカデミー)
3R 1'56" KO (2ダウン:右フック)


 カラコダはコヒに頭を付けてアッパーとフックを連打。コヒは組み付かざるをえない状態だが、豊永レフェリーはコヒへの注意を繰り返し、クリンチを誘発する側のカラコダには注意しない。コヒは1・2Rとも警告1ずつもらい、3Rにはイエローカード減点1。だがコヒはその状況に流されるまま打開できず、パンチをもらい続けると失速。パンチで2連続ダウンを喫し、KO負けに終わった。
 一夜明け会見で谷川プロデューサーは「コヒの悪いところが全部出た」と語る一方、「カラコダにはあの戦い方はダメだと注意した。あれをやられるとブアカーオでもクリンチしてしまう。ルールの盲点を突き面白くない。審判団はコヒに厳しかったけど、カラコダにイエローカード(減点1)を出してもいいと思った」と話した。

オープニングファイト2 リザーブファイト(2) 3分3R(延長1R)
○ムラット・ディレッキー(トルコ/ユニバーサルジム)
×サトルヴァシコバ(日本/全日本キック・勇心館)
2R 0'39" KO (2ダウン:左飛び膝蹴り)


 ヴァシコバは打ち合いで最後に左ストレートや左ハイを当てる等、スピードではある程度渡り合ったが、重みではディレッキーが上。1R終盤に前蹴りと左ストレートの連打でついにダウンすると、2Rに左フック、左飛び膝で続けてダウンを喫し、第2リザーブ権を逃した。


■ワンマッチ

第9試合 スーパーファイト 70kg契約 3分3R(延長1R)
×安廣一哉(日本/正道会館)
○イ・スファン(韓国/韓国体育館)
判定0-3 (シャルリー25-30/市瀬26-30/岡林26-30)


 サウスポーのスファンが蹴り技を駆使しつつ随所でパンチを的確にヒット。1Rと2Rに右のパンチでダウンを奪う。安廣も右のストレートで応戦するが、単調な攻撃が続き劣勢を跳ね返すことはできなかった。

第1試合 スーパーファイト 60kg契約 3分3R
○HIROYA(日本/フリー)
×クォン・オルチャン(韓国/清武ジム/韓国格闘技連盟ライト級王者)
判定3-0 (市瀬30-29/朝武30-28/シャルリー30-28)


 HIROYAは距離を取りながら右フック、右ローを的確にヒット。1R終盤には右フックでオルチャンをぐらつかせる。オルチャンも左ボディ、左ミドルでほぼ互角に渡り合うが、HIROYAは2Rにも右ローを効かせ再びチャンスを作る。3Rは右ミドルをもらってから失速したが、高校1年生とは感じさせない好ファイトだった。


オープニングファイト1 75kg契約 3分3R
○GORI(ロタ/PUREBRED大阪)
×亮司(日本/フリー)
判定3-0 (斉藤30-27/勝本30-27/豊永30-26)
※3R亮司に右ストレートで1ダウン


Last Update : 10/04 10:16

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