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(レポ&写真) [M-1] 9.24 ディファ:ワンロップ、米田を肘で返り討ち

M-1 MC "日タイ修好120周年記念イベント 120th ANIVERSARY OF JAPAN-THAILAND 〜 MUAY THAI HEARTY SMILES"
2007年9月24日(月/祝) 東京・ディファ有明

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第8試合 ライト級 3分5R
○アタチャイ・フェアテックス(タイ/フェアテックスジム/ルンピニースーパーフェザー級5位・元スーパーバンタム級王者)
×鈴木 敦(GAREX/元新日本キック日本ライト級6位)
4R 1'14" TKO (レフェリーストップ:ボディストレート)

※1R左ハイで鈴木1ダウン。2R左ストレートと左肘打ちで鈴木2ダウン。4R左ボディブローで鈴木1ダウン

 6月のM-1での大宮司戦がフジテレビのSRSでも放映され反響を呼んだアタチャイが、今回も神懸かり的な強さで満員の観客を魅了した。
 開始早々、合気道のように軽く触れただけで鈴木をコカすと、その後もマススパーリングのような軽い蹴りを鈴木の急所にピンポイントで当てていく。フルパワーなら間違いなくダウンを奪える正確さだ。そして1R終盤、鈴木をコーナーに追いつめ、ジャンピングの左ハイで最初のダウンを奪取。2R序盤にも左ストレート、左回転肘でダウンを奪う。
 ダウンを奪う前後の攻撃は全てマススパー状態で、ダウンを奪う一撃のみパワーを込めるという、最小限の労力で鈴木を翻弄。いや、むしろ「遊んでいる」と言い切っていいような状態だった。鈴木のパンチを軽々とバックスウェーし、鈴木を投げ飛ばす時もマットに叩き付けず、寸止めで終わらせる。まるで社交ダンスで相手を苦しめているようだった。
 3Rも鈴木を翻弄し続けたアタチャイ。フィナーレもまるで計ったかのように大宮司戦と同じ4R1分台だった。4Rは序盤から鈴木のボディに集中攻撃。左ボディブローでダウンを奪い、最後はグロッキー状態の鈴木に前蹴り、ボディストレートを叩き込み、レフェリーストップ。ほぼ同時に鈴木陣営からタオルも投げ込まれた。

第6試合 55kg契約 3分5R
○ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1バンタム級王者)
×米田貴志(NJKF・OGUNIジム/NJKFスーパーバンタム級王者・真王杯55kg級王者)
2R 2'51" TKO (レフェリーストップ:左肘打ちによる額のカット)


 5月のNJKFでの初対決ではワンロップが判定2-0の僅差で勝利。今回は期待通りの完全決着だったが、改めて“ムエタイの切り裂き魔”ワンロップの恐ろしさを見せつけられる幕切れに。
 1Rは互いにジャブとローを打ち合う静かな展開。だが2Rに入ると、ワンロップは米田をローでコカすと、インプレーで顔を蹴ろうとする攻めを繰り返すキラーモードに突入。ラウンド中盤、左右のミドルでリズムをつかみ、左肘で米田を下がらせると、右フックと膝蹴りを叩き込み猛ラッシュ。最後はロープ際に追い詰めてからの左肘でダウンを奪うと同時に、米田の額をパックリとカット。マットに血の海を作り、試合を終わらせた。

第4試合 フェザー級 3分5R
×コムパヤック・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1スーパーバンタム級王者)
○駿太(MAキック・谷山ジム/MA日本フェザー級王者)
判定0-2 (シーナ48-49/小川48-49/石川48-48)

※1R右ストレートでコムパヤックに1ダウン

 1Rからコムパヤックがローとミドルで主導権を握るが、ラウンド終了間際、右ローのカウンターで駿太が右ストレートをうまく合わせ、ダウンを奪う。2R以降もコムパヤックの左右の蹴りの勢いは止まらなかったが、駿太はジャブとローを的確にヒット。終盤は手数で劣ったものの、大きなチャンスを与えず。対日本人3連続KO勝ちだったコムパヤックから、僅差ながらも金星を奪うことに成功した。

第9試合 70kg契約 3分5R
○クンタップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1スーパーウェルター級王者)
×白虎(レンジャー品川ジム/元NKBウェルター級王者)
1R 1'42" KO (左ミドルキック)


 開始すぐ、クンタップの左ミドル一発で白虎の動きが落ちる。大きなダメージは無いようにも思えたが、当たりどころが悪かったようだ。もう一発クンタップが左ミドルを当てると、白虎はダウンし立ち上がれなくなり、あっけなく試合が終わった。クンタップは対日本人連勝記録を7に伸ばすとともに、久々のKO勝ち。白虎は1年前の山内戦以降5連敗となった。

第7試合 メインイベント M-1ミドル級タイトルマッチ 3分5R
○我龍真吾(ファイティングマスター/王者)
×城戸康裕(MAキック・谷山ジム/挑戦者・MA日本ミドル級王者)
判定3-0 (小川49-48/石川49-48/少49-47)

※2R右フックで我龍1ダウン、右ハイキック、右フックで城戸2ダウンあり
※我龍が初防衛

 1Rの様子見の攻防の後、2R序盤、城戸が右フックでダウンを先取する。その直後、城戸のバッティングで我龍がエキサイト。今度は我龍の膝蹴りがローブローとなり、両者がリング中央で土下座をしあう珍しい光景に。
 するとこれで若い城戸は気が押されたか? 再開直後に我龍に右ハイを叩き込まれ、ダウンを奪い返されてしまう。パンチの打ち合いに誘った我龍は、ラウンド終了直前に右フックで2ダウン目を奪い、流れを変える。
 3Rは互いに手数が落ちたが、回復力では城戸。4Rには左ハイやストレートを当て反撃する。5Rの我龍からの“我龍タイム”の要求には最初乗らなかったが、ポイントで負けていることを思い出したか?自分から打ち合いを仕掛けたが、時既に遅し。絶好調の城戸が、崖っぷちの我龍の老獪な試合運びで足下をすくわれた。

第5試合 59kg契約 3分5R
○カノンスック・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1フェザー級王者)
×TURBΦ(FUTURE_TRIBE ver.O.J/WMAF世界スーパーフェザー級王者・R.I.S.E. FtCトーナメント'07優勝)
2R 1'02" KO (左ハイキック)


 第5試合から第8試合はタイで衛星生中継されたため、この日のタイ人の気合いの入りようがいつもと違った。サウスポーの構えのカノンスックは、1R序盤から奥足狙いの左ローを着実にヒット。終盤には左ボディストレートも絡め先手を取る。2R、TURBΦは右ストレート、右インローをヒットさせるが、これはTURBΦを油断させるための罠だったか? カノンスックはすぐさま左ハイをTURBΦにクリーンヒットさせ、試合を終わらせた。ダウンしたTURBΦは意識はあるものの足腰が動かず、担架で運ばれた。

第3試合 フライ級 3分5R
○ナムペット・ソータムティップ(タイ/BBTVミニフライ級王者)
×建石智成(GAREX/元新日本キック日本フライ級王者)
判定3-0 (小川50-48/少49-47/石川49-47)


 入場テーマをロックバージョンの「マイウェイ」に変えて登場した、フリー1戦目の建石。開始からパンチとローで勢い良く仕掛けるが、逆にナムペットのボディストレートと奥足狙いのローをもらうと劣勢に。2Rには肘、右ミドル、パンチラッシュの連続攻撃でダウン寸前まで追い込まれる。その後もなかなか反撃に転じることができず、ポイントで差をつけられ判定負けを喫したが、最後迄勝負をあきらめず、5Rには左フックをクリーンヒットさせ、一矢報いた。

第2試合 70kg契約 3分5R
○レッドモンコン・ソータムティップ(タイ/タイ国プロムエタイ協会Sライト級2位・ラジャダムナン同級5位・ルンピニー同級5位・WBCムエタイ世界同級5位)
×キム・ソンシク[金 成植](韓国/韓国ミドル級王者)
判定3-0 (シーナ50-46/中村50-48/少49-48)


 初来日のタイの強豪が、序盤に右肘、左ミドルを何発もヒット。後半は失速したが、ソンシクのパンチを耐え勝利した。

第1試合 フェザー級 3分5R
×クック・ソークッカイ(タイ)
○中村元気(クロスポイント・ムサシノクニ/全日本フェザー級2位)
判定0-2 (少49-50/シーナ49-50/中村49-49)


 クックは51戦35勝(4KO)11敗5分の24歳。序盤から前蹴り、膝蹴り等の蹴り技で中村を翻弄する。中村は途中から左ストレート主体にシフト。5Rには何発か当て巻き返すが、クックは逃げ切る。ムエタイ基準では完敗の内容だったため、勝利を宣告された中村本人が首を傾げていた。

※本戦全試合インターバル90秒の「M-1ムエタイルール」採用

エキシビジョンマッチ
−サムランサック・ムアンスリン(タイ/元ルンピニー2冠王)
−チャモアペット・ハーパラン(タイ/元ムエタイ9冠王)
勝敗無し

キッズムエタイ M-1アマチュアルール 2分2R
×名倉拓海(堀切KMC桜)
○山本風雅(尚武会)
判定0-2 (19-20/19-20/20-20)

Last Update : 09/26 12:42

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