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(レポ&写真) [NJKF] 5.13 後楽園:米田、ワンロップに惜敗。久保14連勝

ニュージャパンキックボクシング連盟 "FIGHTING EVOLUTION VI 〜進化する戦い〜"
2007年5月13日(日) 東京・後楽園ホール

  レポート:本庄功志  写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第11試合 メインイベント 55kg契約 3分5R
×米田貴志(OGUNIジム/NJKFバンタム級王者・真王杯55kg級王者)
○ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1バンタム級王者)
判定0-2 (多賀谷48-49/高木49-49/小林49-50)


 前の久保戦が終わった直後に、ウィラサクレック応援団による「ワンロップコール」が会場を支配。日本なのにタイのアウェーの地にいるような錯覚に陥る。両者の入場前にダンスユニット「紫音」が、キレのある踊りで会場の温度をさらに上げる。その後、青コーナーから100万円のボードを掲げたセコンド陣を引き連れワンロップが入場してくると、リング西側に多数いる応援団はお祭り状態と化する。
 対する米田応援団も、負けじと「米田コール」で応戦。ゴングは、米田・ワンロップコールでかき消される程で、会場の興奮が最高潮に達したまま55kg至高の対戦が開始された。

 1Rは様子見の両者。しかし、ワンロップが単発で鋭い左の肘、ストレート等で米田に襲いかかる。対する米田はローキックでコツコツと崩す。
 2R以降から、米田が後手に回る展開に。ワンロップの強烈な左の攻撃で後退。相手の打ち終わりにローキックを返す米田だが、ボディも当てられプレッシャーをかけられない。「自分の引き出しの少なさに残念」と試合後語った米田は、打開策が見つけられず迷走する。
 3Rも2Rと同様の展開。4Rに入り米田は、ローキック攻めでワンロップの足を効かせ始める。だが「一回首相撲を試してみようと思った」というワンロップの作戦変更に、米田は再び劣勢に立つ。直前にバッティングもあった米田は、ボディに膝を当てられ続け、完全にこのラウンドを落とす。

 だが、このままでは終わらないのが、真王杯を底力で制した米田。最終ラウンドになると、クリンチが多くなり、若干スタミナが切れてきたワンロップを猛追する。ラウンドを通じて効かせた左のローキックで圧力をかけ、ガードが空いた顔面にパンチを被せる。試合終了のゴングが鳴ると同時に、米田の右フックが相手の顔面にクリーンヒット。会場は地鳴りのような声援に包まれ、ワンロップは厳しい顔で自陣のコーナーに戻る。
 だが、「最終ラウンドのように早く吹っ切れればよかった」と米田が話すように、遅すぎた攻勢。判定は一者ドローで二者がワンロップを支持し、米田のワンロップ越えはならず。僅差の判定で米田応援団からは厳しい声が上がると思ったが、応援団含め、会場の観客達は判定に納得の雰囲気だった。米田自身も敗北を認めたが、「正直、なんとかなる相手だった。僅差だったから、余計に悔しい」と話し、苦渋の表情を浮かべた。

◆ワンロップ「米田の攻撃はよく見えていました。(4Rに作戦を変更したが?)一回、首相撲を試してみようと思いました。初回からこの作戦で行ったら、早い段階でKOできたと思います。(最終ラウンドの米田の攻撃は?)ちょっとクラクラしました。(もう一度戦いたい日本人は?)誰でもいい。55kgなら肘無しでもいい」

◆米田「1Rから、試合を支配されていました。最後の方で、やっと自分が支配できました。ジャブに前蹴りを合わせられて、やりづらいというイメージができてしまって、早く最終ラウンドのように、吹っ切れればよかったです。自分の引き出しの少なさに残念。もっと経験を積みたいです。(相手の)肘は見えました。でも、見えるけど、攻められませんでした。考える余裕はないのに考えてしまいました。
(試合を通じて手応えのあった攻撃は?)ローキックは手応えありましたが、自分の攻撃が単調すぎました。(4Rにヒザをもらっていたが?)ヒザの連打は効きましたが、バッティングも効きましたね。ボディは今までの試合で初めてに近いぐらいに効かされました。
(判定については?)妥当だと思います。(5Rの盛り上がりはわかった?)わかりました。パンチ、ローキックが当たっていたので。そのまま行ければよかったのですが、相手に上手く逃げられてしまいました。
(これからはどう立て直す?)いろいろな選手と試合をするしかないと思います。正直ワンロップは何とかなる相手でした。だから、余計に悔しいです。相手の方が一枚上でした。こんな選手が世界にはいっぱいいると思うと、やりがいがあります」

第10試合 WINDY CUP 59kg契約 3分5R
○久保優太(立川KBA/NJKFフェザー級王者)
×ファーカムワーン・SKVジム(タイ)
判定2-0 (小林50-49/高木50-50/センチャイ50-48)


 両者が対峙すると、身長差もあるせいか体格差が浮き彫りになる。大きさで勝る久保だが、相手のファーカムワーンの勢いにペースを掴みきれない。ローキック、ストレートで崩しを図る久保だが、ファーカムワーンもヒジを絡めた攻撃で反撃する。だが、徐々に久保のローキックが効いてきているか。
 3Rには、久保が効かせている足にローキック、組んではヒザを打ち込みこのラウンドを取る。だが、4R以降から試合は組み付く展開が多くなり、決定打に欠ける。目立った攻撃はなかったものの、ラウンドを通じて久保がローキックを効かせ勝利した。
 久保は賞金10万バーツ(約36万円)とWINDY後援のヨーロッパのキック大会への出場権を獲得 。海外の未知の強豪に対し、14戦無敗の久保がどこまで連勝記録を伸ばせるのか楽しみだ。

第9試合 NJKFウェルター級王座次期挑戦者決定戦 3分5R
×KEN(OGUNIジム/3位)
○健太(E.S.G./4位)
1R 2'23" KO (左ストレート)


 大塚愛の「さくらんぼ」の曲をBGMに、体にさくらんぼを付けて入場した健太が序盤から主導権。コンビネーションを決めつつ、強烈な右ハイを放つ。早くもローが効いて来た様子のKENに対し、終盤に差し掛かるとカウンターで左ストレートを振り抜き一発KO。笛吹丈太郎の持つウェルター級ベルトの挑戦権を獲得した。対するKENは連敗中で落とせない試合だっただけに、痛すぎる敗戦だった。

第8試合 ヘビー級 3分5R
×天昇山(キング/NJKFヘビー級1位)
○ブラーブスックレック・シッサタット(タイ/元香港ウェルター級王者)
判定0-3 (48-50/48-50/48-50)


 どちらも手数少なく、決め手に欠く展開。ラウンドを消費していくうちに、ブラーブスックレックの右ローが効き始めるも、倒すまでには至らず。終盤にはブラーブスックレックが肘でカットに成功。天昇山の大降りのパンチをステップでかわし続け判定勝利した。

第7試合 53kg契約 3分5R
○前田浩喜(インスパイヤード・モーション/NJKFバンタム級3位)
×西村 勝(E.S.G./NJKFフライ級3位)
3R 1'29" KO (3ダウン:左膝蹴り)


 序盤から前田が左右のローキックを多用し、流れを掴む。2R中盤から両足が真っ赤に腫れ上がった西村に、前田が追撃のローを叩き込むとゴングと同時にダウン。ゴングに助けられた西村だが、足のダメージはもう限界を超えている様子。3Rが始まると、前田が左のパンチ、膝等も絡めて圧倒し、最後は左のローで2連続ダウンを奪った後、膝蹴りで西村をマットに沈めた。

第6試合 ライト級 3分5R
○ソンクラー・センチャイジム(タイ/センチャイムエタイジム/元BBTV・元WPKFフェザー級2冠王)
×ミシマ(格闘道場G-1/NJKFライト級7位)
4R 1'20" TKO (ドクターストップ:肘によるカット)


 入場ではいつもの馬の面を被り、試合でも独特の動きで相手を幻惑するミシマ。だが、ベテランムエタイ戦士ソンクラー相手には通用せず。左のストレート、フック、肘などで計6度のダウンを喫し完敗した。

第5試合 フライ級 3分5R
×中西祐介(健心塾/9位)
○久保賢司(立川KBA/10位)
3R 2'49" TKO (ドクターストップ:肘によるカット)


 久保が1R終盤からローキックでペースを握り始め、相手のガードの隙間にアッパーを狙うなど優勢に試合を進める。セコンドからの「蹴りを散らせろ」という言葉も忠実に守り、ロー、ハイと当てていき、最後は右の肘で相手を切り裂き試合を終わらせた。

第4試合 ウェルター級 3分5R
○古川照明(インスパイヤード・モーション/9位)
×原田忠典(闘真ジム/元NKBミドル級3位)
1R 2'34" KO (パンチ連打)

第3試合 ライト級 3分5R
×名和儒考(キングジム/8位)
○一輝(OGUNIジム/10位)
判定1-2 (49-50/50-49/48-49)

第2試合 52.5kg契約 3分3R
×園部和芳(VERTEX/バンタム級)
○大槻直輝(OGUNIジム/フライ級)
判定0-2 (29-30/30-30/29-30)
           
第1試合 ウェルター級 3分3R
×大牧一成(東大門ジム)
○MASAMI(Bombo Freely)
1R 1'28" TKO (ドクターストップ:肘によるカット)

Last Update : 05/14 15:53

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