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(レポ&写真) [K-1 MAX] 6.28 武道館:魔裟斗ら順当に開幕戦突破

FEG "Ameba presents K-1 WORLD MAX 2007 〜世界一決定トーナメント開幕戦〜"
2007年6月28日(木) 東京・日本武道館  観衆:12.628人(超満員)

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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■世界一決定トーナメント開幕戦 (すべて3分3R(延長1R))

第9試合
○魔裟斗(日本/シルバーウルフ/'03優勝・'06ベスト4)
×J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム/推薦選手・HERO'Sミドル級(70kg)トーナメント'06王者)
判定3-0 (朝武30-27/岡林30-27/大成30-27)


 1R序盤、カルバン得意の右フックをもらってしまった魔裟斗だが、中盤からパンチとローのコンビネーションを決めると流れを取り戻し、終盤に右ストレートと左アッパーでカルバンを後ずさりさせる。
 2R序盤も少しパンチをもらうが、魔裟斗は左ミドルや左膝も駆使するようになると、カルバンの動きが落ちる。右ストレートを当てると、すぐさま飛び膝でカルバンをスリップさせ、相手のお株を奪うような動きも見せる。さらには右ハイ、右アッパーをヒット。打ち合いにも果敢に応じ、左フック、左アッパー、左膝の連打を決める等、動きが冴え渡る。
 3Rも魔裟斗が優勢。左膝を何発も当て、終盤には右フック、右アッパーを連打。カルバンはなかなかひるまず、ダウンは奪えなかったが、ほとんど相手に攻撃を出させず、文句無しの判定勝ちをおさめた。

◆魔裟斗「(試合内容について)周りが良かったと言うので、いいかな、と。2回位いいのもらってグラッとしたけど、あとは。結局、会場が盛り上がったので良かったと思います。力が均衡すると3Rでで倒すのは難しい。1Rはもらっちゃったけど、2Rにボディに効かせて相手が失速してから攻撃が見えるようになりました。9分間あれだけ打ち合えたので、力では負けたとは思ってません。J.Zを投げられたところがうれしいですね。どうだ!って(笑)。
(右拳を冷やしているが?)試合10日ぐらい前にスパーリングで痛めただけで、骨には異常は無いと思う。(今日の出来具合について)まあまあ。これを今度は一日3回やらないといけないと思うと非常に辛い。でも1週間だけ休んだらそのあとはトレーニングを再開します。また8月にキャンプをやって走り込みます。気持ちだけは充実してるんで。今年は頑張るために現役続行したんで、やりますよ。」

魔裟斗の一夜明け会見でのコメントはこちら
 

第8試合
○ブアカーオ・ポー・プラムック(タイ/ポー・プラムックジム/'04 '06優勝)
×ニキー・ホルツケン(オランダ/ゴールデン・グローリー/西欧予選優勝)
判定3-0 (朝武30-28/御座岡30-27/大成30-28)


 1R、ブアカーオはボクサーのようにパンチ主体で攻めつつ、左右のローを随所で確実にヒット。2Rに入ると、ジャブと前蹴りを休ませる暇なく当てつつ、ロー、ストレート、膝蹴りにつなぎ、初参戦のホルツケンを圧倒する。3Rこそ手数が落ち、ホルツケンの右ストレートを数発もらったものの、連覇に向け盤石の強さを印象づける戦いぶりだった。

第7試合
○アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ/'02優勝・'06ベスト8)
×ヴァージル・カラコダ(南アフリカ/ウォリアーズMMAアカデミー/'06ベスト8)
判定3-0 (朝武30-29/シャルリー30-29/大成30-29)


 クラウスはローキック、カラコダは左ジャブと左フック主体の攻めだが、クラウスもパンチのコンビネーションを駆使し、カラコダもローも当て、両者多彩な攻めを見せる。攻撃のつなぎも早く、一発をもらってもすぐさま相手に返したりと、両者とも決勝トーナメントと変わらないハイレベルな攻防を繰り広げる。
 試合は3R、クラウスが左ミドルから右ストレートにつなぐ攻撃でカラコダをひるませチャンスを作り、パンチラッシュで追い詰め勝利。最後はカラコダのパンチをスウェーし続け観客を驚かせた。とはいえカラコダも動きが良く、決勝トーナメントに進めないのがもったいないぐらいだった。

第6試合
○アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング・オランダ/'05優勝・'06準優勝)
×オーレ・ローセン(デンマーク/アンテイムド/推薦選手)
1R 2'07" KO (右フック)


 インフルエンザの影響と思われる高熱で減量に苦しんだサワー。開始しばらく、ローセンのパンチやローで押され気味だったが、勢いのあるハイキックの後、カウンターの右フックをローセンにクリーンヒットさせ豪快KO。ピンチを乗り越え、王座奪還に一歩進んだ。

第5試合
○佐藤嘉洋(日本/フルキャスト / 名古屋JKファクトリー/日本予選優勝)
×デニス・シュナイドミラー(ドイツ/Feuer sports/東欧予選優勝)
判定3-0 (朝武30-29/岡林30-28/大成30-27)


 佐藤が1Rから右ローと左膝蹴りでペース。パンチをもらう場面も少しあったが、2R中盤からは奥足狙いの左ローを何発も当て、手数で圧倒。3Rにはハイもたびたびヒットさせ、文句無しの判定勝ちをおさめた。

第4試合
×ドラゴ(アルメニア/チーム・イッツ・ショータイム/'06ベスト4)
○マイク・ザンビディス(ギリシャ/メガジム/推薦選手)
4R 判定0-3 (朝武9-10/御座岡9-10/大成9-10)

3R 判定0-0 (朝武30-30/御座岡30-30/大成30-30)

 豪打対決は期待通りの名勝負に。ザンビが左右のボディブロー、飛び膝蹴りを何度も当てるが、ドラゴは全くひるまず、右ミドルと右ローをお返しする。両者一歩も引かない強烈な打撃戦は次第に観客を興奮の渦に巻き込み、延長戦が決まると場内は拍手に包まれる。ドラゴの右膝蹴りでザンビは左目周辺をカットするが、ザンビは左ハイをクリーンヒット。これでもドラゴが倒れない。手数差でザンビが勝利したが、ザンビだけでなくドラゴにも暖かい拍手が送られた。谷川貞治K-1イベントプロデューサーの個人的見解では、決勝トーナメントの推薦枠の優先順位はドラゴ、コヒ、カラコダの順。TBS、ファン、専門家の意見をまとめ後日最終決定される。

第3試合
○アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン・オデッサ/推薦選手)
×イ・スファン(韓国/韓国体育館/アジア予選優勝)
3R 1'24" KO (左フック)


 1R、キシェンコがボディブロー、右ストレート、右ハイを何発も当て優勢。2R、スファンも前蹴りと膝蹴りで反撃するが、キシェンコは手数が減る程度で大きなダメージは無し。3R、左フックでスタンディングダウンを奪うと、最後は怒濤のパンチラッシュの末に左フックでスファンを大の字に沈めた。谷川プロデューサーは敗れたスファンに関してもカルバンとならび「今日心に残った選手」として讃えた。


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■スーパーファイト (すべて3分3R(延長1R))

第2試合
○小比類巻貴之(日本/チームドラゴン/'06ベスト8)
×ツグト“忍”アマラ(モンゴル/フリー/モンゴル代表)
判定3-0 (朝武30-28/シャルリー30-29/大成30-28)


 コヒが1Rから周りながら着実に右ローを当て続け主導権。2Rになると手数で差をつける。3Rには明確にポイント差がつくほどローをヒット。終了間際になぜか観客の声援に右手を上げ満面の笑顔を見せ、ダウンを奪えそうなチャンスを逃してしまったのもコヒらしいが、再起戦をきっちりと白星で飾ることができた喜びの現れなのだろう。

第1試合
○TATSUJI(日本/アイアンアックス/日本予選準優勝)
×アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チーム・オロゴン/推薦選手)
判定2-0 (朝武29-28/シャルリー29-29/大成29-28)


 TATSUJIが左ジャブから距離を詰めて右ストレートを当てる攻撃パターンをたびたび成功させ主導権。1R終盤には右のロングフックでアンディをぐらつかせる。3Rにはアンディがパンチで少し反撃したが、2Rまでの失点を取り返せず。アンディの試合前の言葉通り、TATSUJIはダウンは奪えなかったものの、勝利は奪った。

■オープニングファイト (すべて3分3R)
 

第3試合
△尾崎圭司(日本/チーム・ドラゴン)
△パク・ウィングヒョング(香港/ウーニク・タイボクシング)
判定


 1R中盤から尾崎が右ローを効かせると主導権を奪取。コーナーに何度も相手を詰めるが、その先の攻め手に欠いてしまう。ラウンド終盤にバックスピンキック等の大技も見せ観客を湧かせたものの、課題の残る内容となった。
 当初、判定2-0 (御座岡30-30/川上30-28/黒住30-29)で尾崎の勝利と発表されたが、試合後、角田信朗競技統括プロデューサーから判定に異議申し立てがあり、ビデオ等で審判団が確認の結果、ドローに裁定が変更された。尾崎の勝利と採点した川上・黒住両ジャッジにはペナルティが科され、審判団からプロモーターのFEG側に再戦が要請された。川上ジャッジは1・2Rが尾崎10-9、黒住ジャッジは3Rが尾崎10-9と採点していた。

第2試合
○名城裕司(日本/頂上会・テアゲネス・スポーツ・アカデミー)
×白虎(日本/和術慧舟會レンジャー品川ジム)
2R 2'46" KO (3ダウン:パンチ連打)


 1R、白虎が右ストレートでダウンを先取したが、名城は近距離からのハイを当てる等、一歩も引かず。2R30秒ほどで右ストレートでダウンを奪い返すと、しばらく攻めあぐねたが、終盤に右ストレートで再びダウンを奪い、最後はパンチ連打で仕留め、元NKB王者をKO。K-1 2連勝を果たした。

第1試合
×ノンタナン・ポー・プラムック(タイ/ポー・プラムックジム)
○ファリッド・ヴィヨム(フランス/フェニックス・ムエタイ)
判定0-3 (御座岡29-30/川上29-30/黒住28-30)


 初参戦のノンタナンは右の蹴りを当てるものの、ヴィヨムはしっかり対処。ビッグヒットこそ無かったものの、左フックと左アッパーを何度も当て、手数差で勝利を奪った。ノンタナンの戦法にブアカーオと共通点は少なく、K-1ルールに順応しきれていない印象だった。


Last Update : 06/29 21:59

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