(レポ&写真) [R.I.S.E.] 6.17 ディファ:TURBΦ優勝。中須賀1回戦敗退
KGS "INNER WARP presents R.I.S.E. FLASH to CRUSH TOURNAMENT '07" 2007年6月17日(日) 東京・ディファ有明
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
【ONLINE SHOP】HAYATΦ Tシャツ「SAMURAI HAYATΦ」好評発売中
◆ FLASH to CRUSH TOURNAMENT '07
第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R) ○末広智明(大道塾吉祥寺支部) ×ファイヤー原田(J-NET・レグルス池袋/J-NETライト級3位) 3R 1'39" KO (2ダウン:膝蹴り) ※2R左フックで末広に1ダウン
「一回戦から入場テーマを使わせて欲しい」というファイヤーの試合前の要望は聞き入れられなかったが(使われたのは例年通り決勝のみ)、試合前からファイヤーのテンションは最高。コーナーで試合を待ち、観客一人一人の「ファイヤー」コール一つ一つにうなずき、自分の力にしている様子だ。 右ロー主体で攻めるファイヤーに対し、2R、末広は左のテンカオをファイヤーのボディに効かせ、次第にペースをつかむように。だがファイヤーの左フックでスリップ気味にダウン。試合は流れが一気に変わるが、それを断ち切ったのも末広のテンカオだった。3R序盤にこれでファイヤーの動きを止めると、強引にパンチラッシュを仕掛けダウンを奪い返す。さらにパンチと膝の連打でスタンディングダウンを奪い、苦しみながらも準決勝に駒を進めた。
第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R) ×菅原勇介(山木ジム) ○板橋 寛(スクランブル渋谷) 判定0-3 (大澤28-30/梅沢28-29/和田27-29) ※1R右フックで菅原に1ダウン
サウスポーの板橋が素早いパンチのコンビネーションを決め、1Rにダウンを奪取。2Rもパンチと左ミドルで手数多く攻める。3Rは菅原も積極的に攻めたが、逆転はならなかった。
第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R) ○TURBΦ(FUTURE_TRIBE ver. O.J/WMAF世界スーパーフェザー級王者) ×大嶋茂樹(スクランブル渋谷/KAMINARIMON60kg級トーナメント優勝) 1R 2'12" KO (左ハイキック)
TURBΦがスピーディーな蹴りとパンチを巧みに打ち分け序盤から主導権。大嶋もジャブと左ミドルを的確に返すが、リズムを崩す技術では経験豊富なTURBΦ。「序盤見過ぎた」と反省したが、大嶋のボディに攻撃を効かせると、終盤に右ハイを放った後、すぐさま左ハイをクリーンヒットし、難無く準決勝に進んだ。
第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R) ×中須賀芳徳(NJKF・OGUNI-GYM/真王杯60kgトーナメント準優勝・NJKFフェザー級2位) ○オノリュウ(クロスポイント・ムサシノクニ) 2R 2'30" KO (2ダウン:右フック)
下馬評では圧倒的優位だった中須賀だが、初の他団体での試合。R.I.S.E.の持つ特有の雰囲気と、首相撲でのブレイクの早さ等のルールの違いに、やや戸惑っているようにも見える。左ストレートやローを当てるが、1Rからオノの右フックを不用意にもらい、詰められてさらに連打をもうら場面も。 結局オノにとってはこのパターンが2Rに見事ハマり、右の連打でダウンを先取する。中須賀も膝蹴りで必死に応戦するが、ダメージは隠せず。再びパンチでオノがロープ際に詰めると、右フックをクリーンヒット。「初戦に全てをぶつける」と試合前話していたオノが中須賀をマットに沈め、昨年覇者・水谷秀樹ばりの“神風”を今年のトーナメントに吹かせた。
第6試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R) ○末広智明(大道塾吉祥寺支部) ×板橋 寛(スクランブル渋谷) 2R 1'38" KO (2ダウン:膝蹴り連打)
Aブロックの準決勝は去年大会の一回戦のリマッチ。板橋にとってはリベンジのチャンスが訪れたが、試合は末広の独擅場に。1Rから右ミドル、前蹴り、右フックの手数で上回り、一回戦同様、テンカオとミドルで相手のボディにダメージを与えると一気に主導権。膝蹴りの連打で立て続けにダウンを奪い、悲願の優勝に王手をかけた。
第7試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R) ○TURBΦ(FUTURE_TRIBE ver. O.J/WMAF世界スーパーフェザー級王者) ×オノリュウ(クロスポイント・ムサシノクニ) 判定3-0 (和田30-25/小川30-25/櫻井30-26) ※2R右フックでオノ1ダウン、3R左ハイキックでオノ1ダウン
中須賀との準決勝を予想していたTURBΦは、練習ではサウスポー対策に重点。オノの映像は事前に見ていなかったという。だが「一回戦を見ていた人に内容を聞いた。パンチの選手は得意」だといい、中須賀が沈んだオノのパンチラッシュも首相撲からの膝蹴りで冷静に防御。素早い前後の出入りを駆使しつつ、ボディブローを中心に上下左右に攻撃を打ち分け、1Rから主導権を握る。2Rも優位に試合を運び、右フックでダウンを奪取。3Rには左ハイで再びダウンを奪い、その後もパンチを何発も当てオノの反攻を封じた。
第10試合 決勝 3分3R(最大延長2R) ×末広智明(大道塾吉祥寺支部) ○TURBΦ(FUTURE_TRIBE ver. O.J/WMAF世界スーパーフェザー級王者) 判定0-3 (大澤28-30/和田28-29/秋谷28-29) ※2R右ストレートで末広に1ダウン ※TURBΦが優勝
決勝はトーナメント前の不調を振り払い、倒すスタイルを取り戻した新鋭・末広と、豊富な経験と多彩な攻撃を武器に圧勝で2試合を制したTURBΦの激突。茨城から多くつめかけたTURBΦ応援団のテンションの高さが会場の温度を上げる。 試合は二人とも準決勝までの疲れもあってか、互いにフェイントをかけながら様子を伺う状態が続く。とはいえその中でも着実に攻撃を積み重ねるのはTURBΦ。末広は一回戦のファイヤー戦でのローのダメージがここに来て影響した様子で、手数が出ない。TURBΦは開始すぐから右ローでの軸足狩りで末広をマットに這わせると、右ロー主体で攻めつつ、右フックと膝もヒット。2Rには左フック、右アッパー、右ローのコンビネーションを決めると、効いた末広が「来い」とばかりに挑発して前に出たところに右ストレートを合わせ、ダウンを奪取する。 後が無い末広は、これまで2試合を制した膝蹴りを当てるが、TURBΦの動きは落ちず。3R終盤には右フックで反撃するが、「勝ちに徹した」TURBΦは打ち合いに応じることなく時間切れを待ち、見事優勝をもぎ取った。
ここ1年のTURBΦは、昨年3月の大高一郎戦での辛勝以降、菊地剛介、桜井洋平、上松大輔、大宮司進に敗れ4連敗。一時は引退も頭によぎったが、「ちょっとのタイミングの差と詰めの甘さ」を直し、5月のアトム山田戦では肘をクリーンヒットさせTKO勝ち。「もう負けたく無い」「3勝して1勝」という気持ちで臨んだ今回のトーナメントでは、持ち前のスピードと技の多彩さをフルで発揮し、3試合とも圧勝で完全復活を印象づけた。 NKB王座を返上し、フリーに転向し、TURBOからTURBΦに改名して約3年。それから苦闘が続いたが、かつての勢いを取り戻しただけでなく、得意技の活かし方、試合運びといった戦術面でプラスαを得た感がある。菊地や洋平といった経験で勝るトップ選手には負けたが、その悔しさを精神面でも技術面でもバネにすることができたようだ。31戦と経験豊富ながらまだ26歳。念願の全日本キックの山本元気・真弘との対戦に関しても「まだまだ僕の体は動く。きっとやる時が来る」と焦りは無い。TURBΦのターボエンジンのスピードが自己ベストを塗り替えるのは、まだまだこれからだ。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R) ○パトリシア山内(湘南格闘クラブ) ×KOICHI(新宿レフティージム) 判定2-0 (和田30-30/小川30-29/秋谷30-29)
◆ スペシャルワンマッチ
第9試合 70kg契約 3分3R(延長1R) ○HAYATO(FUTURE_TRIBE) ×裕樹(リアルディール) 判定3-0 (和田30-28/大澤30-27/小川29-28) ※2R左フックで裕樹1ダウン
1R開始すぐ、裕樹は左フックをクリーンヒットさせ、その後も得意の右ローを着実にヒット。1R終盤にはHAYATOの膝が一瞬ガクンと落ちる。だがHAYATOも左ボディ、前蹴り、膝蹴りと、ボディ狙いの攻撃を着実に当て、簡単には引かず。2R中盤、裕樹が左フックの空振りでガードが空いたところに左フックをアッパー気味に合わせダウンを奪うことに成功する。その後もHAYATOは前蹴りや膝蹴り等で攻め手を緩めず。裕樹のパンチでの反撃を封じ、中量級サバイバル戦を制した。
第8試合 70kg契約 3分3R(延長1R) ×龍二(リアルディール) ○拳士(シルバーウルフ) 1R 2'55" KO (3ダウン:右フック)
開始間もなく、龍二が右ストレートを連続で当てチャンスを得るが、さらに右で飛び込んだところ、ボクシング元日本ランカーの拳士の右フックが炸裂し龍二がダウン。拳士は再び右フックでダウンを奪う。後が無い龍二はなんとかラウンド終盤まで持ちこたえ、セコンドからも「(残り時間は)流してもいいぞ」と2R目以降の勝負を望む声が聞こえる。だが龍二は左フックが連続で当たったことでまたも深追いしてしまい、拳士の右フックで3度目のダウンを喫しKO負けに。暮れのDoAトーナメントに向けての戦線に波乱が起こった。
◆ RISING STAGE
第5試合 70kg契約 3分3R ×左 禅丸(J-NET・レグルス池袋/J-NETウェルター級7位) ○小宮山大介(北斗会館/新極真会 第20回全日本ウェイト制軽量級優勝) 判定0-3 (29-30/29-30/28-30)
2R、小宮山が単発ながらも右ハイ、左右のフック等のヒット数で優勢。3Rは左の首相撲からの膝蹴りに捕まる時間が長かったが、終盤にパンチを当て返し失点を許さず。プロ2連勝となった小宮山だが、攻撃がつながらない等まだまだ課題は多く、試合後は笑顔は無かった。
第4試合 へビー級 3分3R △イ・ソンチョン(韓国/MAキック・ワイルドシーサー群馬) △マッスルヒラヌマ(フリー) 判定1-0 (30-29/29-29/29-29)
第3試合 67kg契約 3分3R ○國安浩史(シルバーウルフ) ×高平大需(ドージョーチャクリキ・ジャパン) 3R 1'21" KO
第2試合 53.5kg契約 3分3R ○梅原崇雪(TARGET) ×Roberto(club EDO) 判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第1試合 Kリーグプレゼンツエキシビションマッチ 2分2R −YUKIYA(ウィラサクレック・フェアテックスジム) −KAZUYA(ファイティングスペースゼロ) 勝敗無し
Last Update : 06/18 22:23
|