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(レポ&写真) [M-1] 3.4 ディファ:クンタップ防衛。我龍&大宮司王者に

M-1 MC "M-1 FAIRTEX SHINGHA BEER ムエタイチャレンジ 〜BATTLES OF FATE 2007〜"
2007年3月4日(日) 東京・ディファ有明  観衆:1689人(超満員)

  レポート:本庄功志  写真:ひっとまん大場。  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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  ※5回戦はインターバル90秒。3回戦はインターバル60秒

 

第10試合 M-1スーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R
○クンタップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/王者)
×新田明臣(バンゲリングベイ/挑戦者・UKF世界ミドル級王者)
判定3-0 (秋谷50-49/山中49-48/和田50-48)

※クンタップが初防衛

 アップテンポなサンバの曲で入場の新田。対するクンタップは、鬼の面をつけたタイ人トレーナーらと共に踊りながら登場。入場から祭りの雰囲気を匂わせる。
 しかし試合は静かな出だし。クンタップがノーガード状態から単発で前蹴り、ハイキックを放つ。新田はガードを固め、距離を縮めようとするも、なかなか捕まえられない。
 2Rから徐々にクンタップがコンビネーションを使い始め、手数多く攻め込む。ミドル等の一発の破壊力がある攻撃は、ガードの上からでも効きそうだ。

 3Rから「ちょっと疲れた」というクンタップは、少し運動量が落ち始めたものの、決定打は一つももらわない。ラウンド中盤、新田が相手のローを受けると腿を叩き挑発。ローを蹴り合う。クンタップは試合後、「新田のローは早かった。しかし、ダメージはない」と平然と話した。
 新田はクリーンヒットこそもらわないものの、テンカオ、ボディブロー、首相撲から膝をチクチクともらい続け、ダメージの蓄積があるように見える。パンチからローとスタンダードな攻めで圧力をかける新田。しかし、最後まで捕まえることができず、フルマークの判定負けで王座奪取を逃した。

◆クンタップ「相手が早くてKOできませんでした。後半少しだけ疲れましたね。(新田の)ローが早かったです。でもダメージはありません。(次に戦いたい選手は?)有名な日本人なら誰でもいいです」

 
第9試合 M-1ミドル級王座決定戦 3分5R
×白虎(和術慧舟會RANGER品川ジム/元NKBウェルター級王者)
○我龍真吾(ファイティングマスター/前J-NETWORKウェルター級王者)
判定0-3 (センチャイ48-49/山中49-50/和田49-50)

※我龍が初代王者に

 試合開始前の我龍お決まりの睨みに、白虎はわざとらしく笑顔で顔を背ける。白虎は全身刺青に覆われており、強面の我龍同様見た目の存在感が恐い。両者の荒々しいファイトが期待できそうだ。
 試合は白虎が左フックを先制ヒット。後ずさりした我龍だが、すぐにペースを戻す。序盤は比較的静かな展開だ。
 2Rは組んでのヒザ、ローをじわじわと当ててくる我龍に、白虎は若干手を焼いている様子。決定打が出るほど試合は動かない。
 3R、白虎のワンツーからのフックが当たり我龍の動きが鈍る。パンチで攻める白虎を前に下がる我龍だが、返しの手を休めることはない。「蹴り終わりにロー返す!」というセコンドの指示も忠実に守り、攻められながらも落ち着いている様子だ。

 5Rに入り、我龍のファールカップの紐が切れるアクシデントが発生。一旦控え室に戻り、時間を置いて試合を再開すると、同時に我龍は「我龍タイム」を要求。白虎は若干戸惑ったものの、気持ちに応えリング中央での殴り合いがスタート。「インターバルがあったから、お互いスタミナが回復していて楽しかった」と話す我龍。互いの顔が跳ね上がり、ヒット数はほぼ互角。しかし、白虎が嫌がり自ら組み付く場面が見られ、我龍がやや押し気味か。5Rはほとんどが我龍タイムに使われ、熱狂的な雰囲気のまま試合は終了した。

 判定で、リングアナウンサーが「勝者、赤コーナー…」と言った瞬間、白虎は両手を挙げ勝利を確信。しかし、「赤コーナー我龍真吾!」と大事なところで間違えており、白虎は両手を広げ、憮然とした表情でリングを後にした。
 我龍は「去年は全敗だったけど、今年はぶっこんでいくんでよろしく!次は新田祭りだよろしく!」とマイクを持ち叫んだ。

◆我龍「(試合の感想は?)試合全部を通して楽しかったです。我龍タイムに付き合ってくれましたから。(ファールカップは)途中で切れたのがわかって、大丈夫かなと思っていましたが、やっぱり集中できなかったのでレフェリーに言いました。(我龍タイムは)インターバルがあって、お互いにスタミナが回復していたので楽しかったですね。よかったです。(試合が終わって勝ったと思った?)我龍タイムで楽しくなってしまって、どっちでもよかったというのはありましたね。
(今回勝利して)1年ぐらい勝利者コールを聞いていなかったので、よかったです。去年は忙しくて、練習できる環境じゃなかったんですね。しっかりミドル級の体を作ろうと思いました。今回の試合に負けたら引退も考えていましたが、勝ったので、今後ちゃんと70kgの体を作っていけばMAXも見えるかなと。(今年の目標は)R.I.S.E.のDOAトーナメントで優勝して、来年のMAX日本トーナメントに出られればなと思っています。今年はMAXを考えず、しっかりキックをやっていきたいです」

第8試合 M-1スーパーフェザー級王座決定戦 3分5R
○大宮司進(シルバーウルフ/ISKA世界スーパーフェザー級王者)
×TURBΦ(FUTURE_TRIBE ver. O.J/元NKBフェザー級王者)
判定2-0 (センチャイ50-49/山中50-49/和田50-50)

※大宮司が初代王者に

 入場から異様なまでの盛り上がりを見せる今回の一戦。真王杯では、共に桜井洋平に敗れているだけに、リベンジを兼ねて負けられない一戦だろう。会場人気ではTURBΦに軍杯か。
 試合は序盤から両者ローキックの蹴り合い、組むと投げ合いと、一歩も引かない戦いを演じる。投げ合いではパワーで上の大宮司がTURBΦを幾度となく転がす。
 2R、大宮司の右ローが的確にヒットし、TURBΦの左足を腫らす。ワンツーを主体とする直線的な大宮司の攻めに対し、TURBΦはアッパー、フックを絡めた多角的なパンチの攻めで応戦し、左ボディのヒットも重ねる。

 3R以降から、互いにローを攻撃の軸とし、どちらが先に足を破壊するかの根競べに。しかし、互いに踏ん張りを利かせ、真正面からのぶつかり合いは変わらず、4Rに大宮司がやや動きが鈍くなる場面が見られたが、決定的な差が出るまでには至らない。
 最終ラウンドも両者一歩も引かぬ戦い。どちらかがローを打つと、相手はローを返す。散らして攻めるTURBΦに、被弾した大宮司はニヤリと笑うもプレッシャーをかけ続け、攻撃を返す。両者決定打がないまま試合は終了。
 判定の結果、僅差で大宮司が勝利。手数、ヒット数とともにほぼ互角の内容だっただけに、観衆は両者に大きな拍手を送った。
 

第7試合 70kg契約 3分5R
○ゲンナロン・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1ウェルター級王者)
×パク・グィゾン(韓国/国際格闘技協会スーパーウェルター級王者)
1R 終了時 TKO (ドクターストップ:右足首の負傷)


 回し蹴りなど回転系の技を駆使し、ノーガードで打撃を放つゲンナロン。ジャンプして相手の脳天にヒジを狙うなど、1Rは完全に“遊び”だ。とはいえプレッシャーをかけられているグィゾンは、圧倒されている感がある。
 ゲンナロンは2Rからエンジンをフル回転していくと思われたが、1Rにグィゾンが右足首を痛め自爆。不完全燃焼に終わったが、3分間という短い時間の中でもゲンナロンの強さを実感できた試合だった。

 
第6試合 57kg契約 3分5R
○ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1バンタム級王者)
×ゾン・ホング(韓国/大韓ムエタイ協会フェザー級1位)
1R 2'21" TKO (3ダウン:左ストレート)


 ワンロップは試合序盤から強烈な前蹴りで相手を触らせない。ホングがロー、距離を縮めてヒジを狙うも、ワンロップはステップで難なくかわし、逆に相手の脇腹にボディを叩き込む。

 中盤に左ストレートで挨拶代わりのダウンを奪ったワンロップは、続いて相手がミドルを放った足を掴んで再び左。なんとか立ち上がるホングに、ワンロップは「もう余計な攻撃は必要ない」とでも言わんばかりに右手で距離を測り左ストレート一発で試合終了。あまりのワンサイドゲームに観客からは溜息が漏れた。
 今回の試合で会場にいる人誰もが、触れさせもしないワンロップの強さに酔いしれたはずだ。実力差があったものの、「凄さ」と同時に、「芸術」という二文字をムエタイで感じた一戦だった。
 

第5試合 スーパーフェザー級 3分5R
×堀口貴博(WSRフェアテックスジム)
○AKIRA(チームドラゴン/J-NETWORKフェザー級2位)
判定0-3 (秋谷46-50/山中47-50/和田47-50)

第4試合 71kg契約 3分3R
×ワンミーチャイ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム)
○吉武龍太郎(アイアンアックス/全日本スーパーウェルター級6位)
判定0-2 (29-30/30-30/29-30)

第3試合 68kg契約 3分3R
×ゴーンサヤーム・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム)
○市川光大(MA・士道館橋本道場/MA日本ウェルター級5位)
2R 2'14" KO (左ボディブロー)
※2R、左ボディでゴーンサヤームに1ダウン


第2試合 フェザー級 3分3R
○銀次(WSRフェアテックスジム)
×菅崎英世(MA・習志野ジム/元NJKFフェザー級7位)
判定2-0 (29-29/30-28/30-28)

第1試合 フレッシュマンズルール(肘無し) ヘビー級 3分3R
○柿崎孝司(WSRフェアテックスジム)
×篤志(ブリザードジム)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)

Last Update : 03/07 23:38

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