(レポ&写真) [MAキック] 6.10 後楽園:白須・城戸・水町が完勝
マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟 "BREAKDOWN(打破)5 〜 新東金ジム29周年記念 戦場の狼3" 2007年6月10日(日) 東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
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第13試合 WMAF世界スーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R ○白須康仁(花澤ジム/王者) ×我龍真吾(ファイティングマスター/挑戦者・M-1ミドル級王者) 判定3-0 (小林50-48/少50-47/小川50-47) ※白須が初防衛
「“白須タイム”で頑張ります」と対戦カード発表時に話していた白須。これは我龍の「5R残り1分になったら、足を止めて殴り合う“我龍タイム”をやりましょう」という恒例の要求に対する返答だったが、実際に我龍タイムを受けなかっただけでなく、試合全体も“白須タイム”にしてみせた。 試合前の我龍のガン飛ばしに呼応し、白須もガンを飛ばし満員の観衆を煽る。2Rまでは両者とも距離を取ってジャブを放ちながら様子見の展開。白須は慎重にローを当て、我龍は右ミドルを返す。
3Rに入ると互いに前に出るようになるが、主導権を握ったのは白須。右ローを効かせつつ、右フックを度々ヒット。肘、ボディブロー、前蹴りも当て、以降は主導権をキープ。スタミナを切らした我龍は手数が急減。5R残り1分の我龍タイムにも白須は応じず、前蹴りで突き飛ばし、パンチとローも当て、最後まで我龍を圧倒した。 完勝だったものの白須に嬉しい様子は無く「ローのキレがダメでした。ダラダラした勝ち方になった。9月30日に花澤ジムの興行で試合することが決まっているので、そこでビシッと勝って、K-1にアピールしたい」と気を引き締めた。 一方の我龍は控室に戻ると悔し涙を浮かべ「練習不足でスタミナが切れた」「いろんなことがあったので勝たなきゃいけない試合だった」と憔悴しきった様子で話した。
第12試合 交流戦 肘無し 70kg契約 3分5R ○城戸康裕(谷山ジム/MA日本ミドル級王者) ×宍戸大樹(SB・シーザージム/SB日本ウェルター級王者) 判定3-0 (小林50-48/梅沢49-47/少50-47) ※2R右膝蹴りで宍戸に1ダウン
リーチと体格で勝る城戸は、ジャブやミドルを軽々と出すだけで宍戸に届くが、逆に宍戸はミドルを放っても届く場面が少ない。2R、宍戸は接近戦で右アッパーを当てるようになるが、ラウンド終盤、近づいたところで城戸が右膝蹴りを顔面に当てダウンを奪取する。 ダウンのダメージはさほど大きく無いように見える宍戸は、3Rに入ると距離を詰め、右ミドル、右ロー、右アッパーを手数多く当て怒濤の反撃。城戸は苦しい表情を見せるが、4R残り1分には右ストレートの連打や左ハイで挽回する。
手数が多いのは宍戸。だが体格差の影響で破壊力では城戸。5Rも結局、後半に城戸が左ハイやバックハンドブロー等の豪快な技で宍戸を苦しめポイントを許さず、2Rのダウン分のポイント差を守りきった。 元学生キック王者の城戸が、ようやく素質を開花させ、キャリアで上回る宍戸から金星とも言える勝利。K-1 MAXでもオープニングマッチながらも今年2連勝と好調で、日本代表決定トーナメント出場者の宍戸から勝利を奪ったことで、来年のトーナメント初出場に向け大きなアピールとなったはずだ。
第11試合 MA日本ウェルター級王者決定戦 3分5R(延長1R) ○水町 浩(士魂村上塾/1位) ×笹谷 淳(橋本道場/2位) 2R 2'18" TKO (タオル投入:飛び膝蹴りで2ダウン後) ※水町が新王者に。2階級制覇
1年前の対決でKO勝ちしている水町が、今回もTKO勝ちという記録を残したが、危ない場面が2度あった。1R、ローとフックで手数多く攻めたが、終了間際の笹谷の肘で左目尻をカット。2Rはローを受けた後の左ハイキックで一瞬グラリとくる。 だが直後、得意の飛び膝で笹谷をひるませると、パンチの連打でダウンを奪取。さらに飛び膝で2度目のダウンを奪う。笹谷はかろうじて立ち上がったが、危険と見た師匠の橋本敏彦会長がタオルを投げた。
勝利者インタビューで水町は「見ていただいてわかるように、笹谷選手もチャンピオンだと思います」と敗者を讃え、「あと、そろそろK-1にも行きたいです」とアピールした。 この日は既にK-1 MAX参戦経験のある白須、城戸も圧勝。MAXの日本代表決定トーナメントの出場枠争いは、歳が経つ事に熾烈になっており、MAキック内だけでも3人が当落線の前後で争うことになる。過去に白須・尾崎・川端に敗れている水町が当選するまでの道のりは険しいが、水町が追い上げれば、白須・城戸に与えるプレッシャーは小さく無いはず。“MA中量級三銃士”と筆者は勝手に呼びたいが、三銃士が互いに刺激しあうことで、より強くなることを期待したい。
第10試合 交流戦 65kg契約 ショーダウンマッチ1(3分3R+延長1R) ×山本佑機(橋本道場/ライト級1位) ○水谷秀樹(スクランブル渋谷/R.I.S.E. Flash to Crushトーナメント'06優勝) 3R 判定0-2 (小林29-30/秋谷30-30/梅沢28-29)
1Rから水谷が距離を詰め、組まない状態での左膝蹴りをたびたびヒット。1R終盤には膝蹴りのフェイントでバックブローを放ったり、2Rには横を向いてから膝を出したりと、変則的なリズムと攻撃で佑機をかく乱する。 佑機も右膝蹴りとローキックを返し、3Rには左ストレートとアッパーで反撃するが、直後に水谷は右ストレートをはじめとしたパンチで巻き返し。結局最後まで水谷が自分のリズムで圧力をかけ、手数多く攻め、僅差ながらも判定勝ちをおさめた。 マイクを持った水谷は「去年の6月に(R.I.S.E.のFtCトーナメントで)優勝してから、うれしい試合が無かった。(4月の)村浜戦も情けない試合で、いっぱい練習してきた」等とコメント。MAX出場を目指した肉体改造の成果も少しずつ出て来つつあるようだ。
第9試合 交流戦 ヘビー級 ショーダウンマッチ1 ×高山博光(DANGER/ヘビー級4位) ○コウイチ・ペタス(ザ・スピリットジム) 3R 判定0-3 (大澤28-30/秋谷27-30/小林28-30)
第8試合 交流戦 66kg契約 ショーダウンマッチ1 ○アルタンゲレル・ガントムール(モンゴル/新東金ジム/モンゴルプロキック65kg級'06王者) ×一貴(マズターズピット/ミドル級10位) 3R 判定2-1 (少30-28/大澤28-29/小林30-29)
第7試合 バンタム級ランキング戦 55kg契約 ショーダウンマッチ1 ○高橋拓也(習志野ジム/3位・元王者) ×平本 悠(橋本道場/6位) 3R 判定3-0 (少30-29/小林30-28/梅沢30-29)
第6試合 交流戦 60kg契約 ショーダウンマッチ1 ○ウルジーバト・エンフバヤル(モンゴル/新東金ジム/モンゴルプロキック60kg級'06王者) ×NOZOMI(習志野ジム) 2R 0'23" TKO (ドクターストップ:左目尻のカット)
第5試合 肘無し 59kg契約 3分3R ○拳竜(士魂村上塾/フェザー級8位) ×三井基州(ダイケンジム) 1R 1'24" KO (左膝蹴り)
第4試合 交流戦 肘無し 52kg契約 3分3R ○信末小僧(新東金M.A.G/フライ級10位) ×畠山悟史(SB・シーザージム) 判定2-0 (30-28/29-29/30-28)
第3試合 交流戦 肘無し 54kg契約 2分3R ×デルガームラン・ツシンバヤル(モンゴル/新東金ジム) ○松本圭一太(土浦ジム) 2R 1'55" TKO (ドクターストップ:パンチによる目頭のカット)
第2試合 新人王トーナメント一回戦 ウェルター級 2分3R ×岡田進吾(新東金ジム) ○加藤 渉(Kインター柏ジム) 4R 判定0-3 (9-10/9-10/9-10) 3R 判定1-1 (29-30/29-29/30-29)
第1試合 新人王トーナメント一回戦 ウェルター級 2分3R ×YOHSUKE(モンゴル/新東金ジム) ○モハン・ドラゴン(ネパール/士魂村上塾) 判定0-3 (28-30/29-30/29-30)
Last Update : 06/12 12:31
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