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(レポ&写真) [PRIDE.31] 2.26 埼玉:ショーグン&ハリトーノフ敗れる

ドリームステージエンターテインメント "PRIDE.31 〜Dreamers〜"
2006年2月26日(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ  観衆:22,141人(主催者発表)

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
 

第9試合 無差別級 1R10分・2-3R5分
○マーク・ハント(ニュージーランド/オシアナ・スーパーファイタージム/132.5kg)
×西島洋介(日本/高田道場/95.5kg)
3R 1'18" KO (右ストレート)

※西島は4点ポジションでの蹴りを認める

 総合デビュー戦の西島が大方の戦前予想を裏切る健闘。ハントがパンチと膝で西島をダウン寸前まで追い込み、グラウンドでもアームロックを狙うなど攻めるが、西島が素早く的確な左ジャブや左ストレートを当て、逆にハントを苦しめる場面も。西島のボクシング技術と打たれ強さが光る。

 激しい打撃戦に会場は大盛り上がりとなったが、西島のダメージは2R終了時点でドクターストップをかけていいぐらい激しかった。榊原信行DSE代表の試合後の談話によると、実際ストップも検討されたが、「本人の強い続行意志もあり、出場までの紆余曲折もあったので、最後まで戦わせたかった」といい、試合続行。ショートフックを当て会場を沸かせたとはいえ、序盤の勢いはなく、最後はコーナーに詰められての右ストレートで撃沈した。
 西島は歩いてリングから下りたが、診断のため病院へ。翌日のDSEの発表によると、深刻な怪我はなく、数日の安静の後、練習を再開する予定だという。ハントはマイクアピールで「西島は真のウォリアーだ」と敗者を讃えた。榊原代表は「体調が整うようなら、個人的には西島君を無差別級GPに推薦したい」と話し、メインの両者を「大会MVP」に認定した。

 なお、無差別級GPの2ndラウンドの開催日が7/1(土)、決勝戦の開催日が9/10(日)に決定した。いずれも会場はさいたまスーパーアリーナ。5/5(祝/金)大阪ドームでの開幕戦のチケットは3/19(日)に特電先行発売され、4/2(日)に一般発売がスタートする。
 

 
第8試合 無差別級 1R10分・2-3R5分
×マウリシオ・ショーグン(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー/PRIDE GP 2005覇者/103kg)
○マーク・コールマン(アメリカ/ハンマーハウス/PRIDE GP 2000覇者/101.7kg)
1R 0'49" TKO (レフェリーストップ:右肘の脱臼)


 ショーグンがテイクダウンを潰され下になるも、腕十字に捕まえチャンス。コールマンが叩き付けて強引に外すと、ショーグンはさらに足関を仕掛ける。スピーディーな攻防に場内が沸くも、最後は意外な決着。足関を脱出したコールマンが弾丸タックルで突進すると、ショーグンが受け身に失敗し右肘を脱臼。異常に気づいたレフェリーが試合をストップした。

 するとリングサイドで観戦していたヴァンダレイ・シウバがリングに乱入し、コールマンに殴りかかろうとする騒ぎが発生。リング上に多数の関係者が上がり制止し、レフェリーがイエローカードを出した。

 この騒動について榊原代表は「ルールミーティングでそういうことに関して厳しく注意していた後なので残念。ヴァンダレイには厳重に注意する。彼の気持ちはわかるが、これを許しておくことはできない。この後、両陣営がクールダウンした中で、今後このようなことが起こらないようシェイクハンドしてもらう」とコメント。イエロー以外のペナルティは特に課されない模様だ。
 

第7試合 無差別級 1R10分・2-3R5分
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム/109.0kg)
×田村潔司(日本/U-FILE CAMP/85.0kg)
1R 2'24" 腕ひしぎ十字固め

※田村は4点ポジションでの蹴りを認めず

 両者の実力は、約5年前の前回の対戦時よりさらに広がっていた。パンチが交錯したあと、ノゲイラが片足タックルでテイクダウン。田村が立とうとするとノゲイラは背後にガッチリとつかまり、2分近くチョークを狙い続ける。最後は田村が上になった直後のカウンターで腕十字を極め完勝。マイクを持つとGPでの優勝を誓った。
 バックステージでのインタビューでノゲイラは、改めてジョシュ、吉田秀彦との対戦を希望。ショーグンとも戦いたい考えだったことも明かし、ハリトーノフの完敗に驚いていた。
 敗れた田村は「言葉にならないぐらい悔しい」とコメント。ウェルター級GPに参戦する気があるかという問いにも「ノゲイラとやりたい。ノゲイラが心の中に染みついた。僕に無差別級GPに出る権利は無いと思うけど、純粋にノゲイラを追いかけたい」等と答えるほどで、ノゲイラしか眼中にない様子だった。
 

第6試合 無差別級 1R10分・2-3R5分
○ジョシュ・バーネット(アメリカ/新日本プロレスリング/115.5kg)
×中村和裕(日本/吉田道場/102.0kg)
1R 8'10" チョークスリーパーホールド


 ジョシュは「ミルコ戦より10倍ぐらいコンディションが良かった」といい、完全復活をアピール。ボクシングの攻防の後、中村のタックルを切りサイドに。変形のアンクルホールドを極め早くもチャンスを作る。いったんスタンドに戻ると、中村がテイクダウンに成功するが、ジョシュがリバースに成功。ハーフから腕を狙い続け、最後はバックに回ってチョークを極めた。
 リング上では「ムサベツキュウチャンピオン、イク!」と片言の日本語で叫び、GP制覇を宣言した。
 

第5試合 無差別級 1R10分・2-3R5分
×セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア/ロシアン・トップチーム/110.6kg)
○アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー/103.2kg)
1R 5'13" TKO (レフェリーストップ:サイドポジションから頭部への膝連打)


 ハリトーノフがまたも怪我に泣かされた。パンチをかわされタックルで倒された時に右肩を痛め防戦一方に。アリスターがボディに肘を打ち意識を散らしつつ、顔面に膝を当て続けていると、ハリトーノフの顔が少しずつ腫れてくる。ハリトーノフの動きが落ちたとみるや、アリスターはマウント。そして四点ポジションに。再びサイドに戻ると、またも膝を顔面に連打し続け、レフェリーが試合をストップした。
 アクシデント含みとはいえ、本来ミドル級のオーフレイムが4強のハリトーノフから金星といっていい勝利。場内は驚きの歓声に包まれ、榊原代表も「GPをかき回すポジションになる」と絶賛した。
 一方のハリトーノフはPRIDE.30で左肩を負傷し、今度は右。病院に直行し、セコンドは「大変良くない状態」と明かした。GP出場は困難な気配だ。
 

第4試合 無差別級 1R10分・2-3R5分
○高阪 剛(日本/チーム・アライアンス/100.6kg)
×マリオ・スペーヒー(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム/104.8kg)
1R 1'20" KO (右フック)


 開始早々の打ち合いで、スペーヒーの右フックが炸裂。高阪は後退したが組み付いて上に。再び打ち合いになると、スペーヒーのパンチをスウェーした高阪の右フックがスペーヒーのこめかみに炸裂し、スペーヒーはマットに崩れた。
 高阪はセコンドの高橋義生と抱き合い涙。マイクを握り「もし5月からのGPに出させてもらえるのであれば、それを最後に引退します。みなさんの力を貸してください」とアピールすると、会場は歓声に包まれた。盟友・吉田秀彦は。大会当日が高阪の第一子の誕生予定日だったことを明かし、榊原代表は「彼の思いに答えてあげたい」と高阪のエントリーに前向きなコメントをした。
 

第3試合 無差別級 1R10分・2-3R5分
×ユノラフ・エイネモ(ノルウェー/フロントライン・アカデミー/107.3kg)
○ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/チーム・クロコップ/108.0kg)
判定0-3 (ヒューム=ヴェウドゥム/大橋=ヴェウドゥム/三宅=ヴェウドゥム)


 寝技のハイレベルな攻防が期待されたこの試合。エイネモが何度か上になるが、互いに技術を知り尽くしているせいもあってか、膠着状態が繰り返される。スタンドになるとヴェウドゥムがストレートの連打と膝蹴りを当て、エイネモの鼻から出血を誘う。かといって一撃で倒すパワーと精度の無いパンチで、ヴェウドゥムは真後ろに下がる癖がありコーナーに詰められることもしばしば。両者の不得意分野での勝負となってしまい、二人とも観客を魅了することができなかった。
 

第2試合 ミドル級 1R10分・2-3R5分
○クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(アメリカ/ゴッド・ストリート・ソルジャー/92.8kg)
×ユン・ドンシク(韓国/高田道場/92.9kg)
判定3-0 (足立=ジャクソン/大橋=ジャクソン/小林=ジャクソン)


 この日唯一のミドル級戦。1R、ユンが下からの腕十字でチャンスを作る。2R、ジャクソンは右フックを皮切りに、パンチの連打と4点膝で反撃。3Rはユンがタックルでテイクダウンに成功するとマウントを取るが、ブリッジで返され下に。ユンはイエローこそもらわなかったものの、下で足をクロスし防御する時間が長かった。決定的な差はなかったが、打撃で攻めたジャクソンが白星を奪った。
 ジャクソンは試合後「相手を過小評価していた。判定までいくとは」とユンを讃えた。さらに無差別級GPについて聞かれると「1日に2試合をするのは嫌だ。俺はツイていない男なので、運に左右されるトーナメントに興味ない。ボディスラムを決めるのが好きだから、ヘビー級の選手と戦うのも嫌だ」と返答。さらにDSEとの契約が今回限りで切れることを明かし、「アメリカでは総合の人気が出てきているので、他の選手たちのように俺も稼ぎたい。最近子供も生まれたので生活を支えないといけない。日本のファンは勝敗に関係なく選手を尊重してくれるので大好きだ」と話し、PRIDE離脱を示唆した。
 

第1試合 無差別級 1R10分・2-3R5分
×ペドロ・ヒーゾ(ブラジル/ファス・バーリ・トゥード/111.5kg)
○ローマン・ゼンツォフ(ロシア/レッドデビル/103.2kg)
1R 0'25" KO (左フック)


 ゼンツォフがPRIDE 2戦目でポテンシャルを発揮。開始間もなく、ヒーゾが右ローを放ったところ、ガードの下がったところに合わせ、左フックをアゴに炸裂。これ一発でヒーゾは伸びてしまった。ゼンツォフはリングサイドで観戦していたヒョードルらと喜びを分け合った。
 

Last Update : 02/27 18:48

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