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(レポ&写真) [J-NET] 3.2 後楽園:MACH 55開幕。W藤原5月激突へ

J-NETWORK "GO! GO! J-NET '05 〜MACH 55〜" (開幕戦)
2005年3月2日(水) 東京・後楽園ホール

  レポート:井原芳徳、永田遼太郎  写真:米山真一  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

第8試合 「MACH 55」1回戦Bブロック第2試合 3分5R
○藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級王者)
×関 健至(彰考舘/J-NETWORKバンタム級1位)
3R 2'45" KO (右フック)


 試合は藤原あらしのワンサイドゲームだった。1ラウンド距離を取って攻めたい関に対しインファイトが得意の藤原は左ミドルとワンツーを繰り出し徐々にプレッシャーをかける。そして1ラウンド中盤、首相撲からの右ヒザで最初のダウンを奪う。
 2ラウンド、さらにギアを上げてきた藤原は首相撲からヒザ、左ボディアッパーから左右ストレートのコンビネーション離れると左ミドルと付け入る先を与えない。さらに左ミドル、左のテンカオを藤原の勢いが増すと、3ラウンドにはコーナーに詰めてパンチラッシュなんとかこのピンチを切り抜けた関だったがさらに藤原は左アッパーから再びパンチラッシュ最後は右フックで関のとどめを刺した。
 試合後、藤原は一方的な勝ちに満足せず「20%の出来、KOしたけど自分の試合が出来なかった最近で一番悪い試合、こんなんじゃ次はやられる」と厳しい自己採点をした。 (永田)

◆あらし「今日は20%の出来、初めてで緊張もあったと思うけど全然だめですね。自分の試合が出来なかったし最近で一番最悪の試合。(準決勝の藤原国崇に関しては)試合は見てません。寺戸選手と全日本同士で戦うよりは、せっかくこういう舞台なんだし他団体と戦う方が燃えますね。国崇選手は気さくな人なんで今回戦うとかじゃなくふつうに人間的に友達になれそうって感じ。いきなり次当たりますが今日みたいな出来なら1ラウンド以内で倒されると思う。(優勝候補同士の対決とか)僕ら以外の周りの人が勝手に言ってるだけで自分が優勝候補としては考えていません。(トーナメントは)今回いい機会を頂いたと思う。去年の11月にベルト取って看板を背負って戦うのは緊張や重み感じるが良いプレッシャーだったしよかったと思います」

第7試合 「MACH 55」1回戦Bブロック第1試合 3分5R
○藤原国崇(拳之会/ NJKFバンタム級王者)
×寺戸伸近(BOOCH BEAT/全日本バンタム級3位)
3R 1'42" TKO (ドクターストップ:肘打ちによる額のカット)


 1Rはほぼ互角の打ち合い。寺戸がカウンターの左フック、左ミドルで先制すれば、国崇も右ストレート、左フックで反撃。1Rはやや様子見だった国崇だが、2Rからエンジンがかかる。左アッパーを皮切りに、左フック、左ボディ、さらには肘で次第に攻勢に。一気に流れを引き寄せる。こうなればもう国崇の必勝パターン。3R序盤に左ハイを当てた後、左肘一発で額をカットすることに成功し、見事TKO勝ちをおさめた。NJKFで見せるエンジン全開の動きにはやや及ばなかったが、初めて国崇を見た人へのアピールには十分なったはずだ。(井原)

◆国崇「序盤冷静になりすぎました。行こう行こうとは思ったけど、相手はパンチを当てるのがうまかったです。ここのところ攻め込めない試合が続いているので、次に向けて持ち味のコンビネーションを活かす練習を積みたいです。狙うは全試合KOです」

第6試合 「MACH 55」1回戦Aブロック第2試合 3分5R
○牧 裕三(アクティブJ/J-NETWORKバンタム級王者)
×辻 直樹(山木ジム/前MA日本フライ級王者)
2R 0'59" TKO (ドクターストップ:肘打ちによる額のカット)


 今回で3度目の両者の対決。過去2回はいずれも辻が勝利している。前回の対戦は昨年の12月、やや新鮮味が欠けるのは否めないが、これも抽選で決まった結果。試合は蓋を開けてみなくてはわからない。
 気合いを全身で表現するように花道を歩いてきた牧とは対照的に、はやる気持ちをぐっと内に秘め、既に臨戦態勢に入っている辻の姿は、そうした余計なウンチクを吹き飛ばすに十分の気配だった。
 そして試合、辻は例によって得意のコンビネーションで牧に次々と確実なパンチを叩き込み、一瞬、前回の対戦同様、秒殺KOを思わせた。
 しかし牧はこのピンチを振り切ると、己のチャンスをじっと伺っていながら試合を進める。そしてこの試合の流れを変えたテンカオを辻に炸裂させる。これで牧は勢いづいた。さっきまでの劣勢が嘘のようにラッシュをかける。
 まさにその動きはトーナメント名の「マッハ」そのもの。気がつくと辻の額からうっすらと赤い鮮血が流れていた。己の左肘をグラブで指し鼓舞する牧。しばらくするとドクターチェックの結果が出て牧の勝利が告げられた。

 飛び上がって勝利の喜びを表現する牧。この一勝は彼にとってただの一勝ではなかったようだ。控え室に戻ると「J-NETのチャンピオンとして勝ててよかった」と深い安堵感に浸った。
「僕らはJ-NETってだけで、なかなか取材にも来て貰えなかったり、正当な評価が受けられなかったりする。だから(このトーナメントで)結果を残すしかないと思った」
 普段は決して毒舌など吐きそうにない人が良さそうな風貌。キックボクシングというよりは球技とか他のスポーツをやっていそうな好青年の、精一杯の主張だった。
 しかし牧の主張とは相反するように、J-NETから発表されているランキング表に目を通すと、全体の選手層の薄さは否めない。

 だが牧は続ける。「(J-NETライト級王者の)西山さんなんかそうですけど、強ければ団体に関係なくもっと評価されていいと思う。例えば僕なんかJ-NETのチャンピオンなんて言ったって、誰も街歩いてる人が知らないわけですよ」
 彼のこの言葉に僕は、J-NETWORKが掲げるランキングの門戸解放、そして「MACH55」の真の開催意義を見つけたような気がした。

 これまでもJ-NETは貝沼慶太、小比類巻貴之、増田博正といったキック界を代表する名選手を輩出しているが、J-NET時代の彼等は牧の言うように正当な評価を受け辛い状況にあったと思う。
 今回の大会開催にしても、K-1がミドル級、全日本がライト級ならウチはその下のバンタム級をやろうなどと、安易な発想から生まれたわけではない。キック界全体の発展はもちろんのこと、所属選手に飛躍のチャンスを与えようという、大賀J-NET代表の親心を感じずにはいられない。
 そんな親心を悟ってか、この日牧がフライ級時代からこれまで二度阻まれ続けた辻の壁を、3度目の正直で突破したのは偶然ではないと思う。
 次の5月6日の準決勝ではNJKFの真二と対戦。真の評価を得るには決勝進出なんかじゃ物足りない。このメンバーで優勝してこそ何かが変わっていくと言うもの。「勝った選手が一番なんです」と声を大にして叫ぶためにもマッハで走り続けるしかない。(永田)

第5試合 「MACH 55」1回戦Aブロック第1試合 3分5R
×高橋拓也(習志野ジム/MA日本バンタム級王者)
○真二(OGUNI GYM/NJKFバンタム級4位)
延長R(2分) 判定0-3 (小川8-10/山中8-10/和田8-10)

5R 判定0-0 (小川48-48/山中48-48/和田48-48)
※延長R高橋が1ダウン
※公式記録はドロー

 NJKF、他団体進出第1戦となったこの試合では、国内バンタム級で選手層がもっとも厚いと評されるNJKFの強さを真二が見せつけた。
 高橋が習志野ジムの選手らしく左右のミドル、膝蹴り、肘を多用するのに対し、真二は左右のパンチと右ローで応戦。ムエタイ×キックボクシングの構図の、見応えある攻防が繰り広げられる。
 3Rになると真二の右ローが効き始め、高橋の足元がふらつくように。後ずさりしたり、自らスリップする場面が増える。だがなかなかダウンを奪うことができず、最終ラウンドに突入。それでも真二の優位は変わらなかったが、残り1分、高橋が右肘で真二の左目尻を切り裂くことに成功。終盤はパンチの連打で追い詰めポイントを奪い返し、引き分けに持ち込む。
 だが延長ラウンド、真二が底力を発揮。高橋のテンカオに合わせて、右フックを当てると、終盤には右ストレートを連打。押し気味の展開となり、残り20秒に右ローを放つと高橋はスリップ。半分疲れて倒れただけのように見えたが、レフェリーはダウンを宣告する。だが仮にこれがダウンでなかったとしても、真二の優位は明らか。最後はパンチの連打をもらった高橋が背中を向けてしまったところで終了のゴング。真二が接戦を征し、準決勝に駒を進めた。(井原)

◆真二「コンビネーションとかをもうちょっと出せると思ったけど、すぐに終わっちゃったような感じですね。今までやった相手だと弘中選手に似ていて苦手なタイプでした。延長は体力が残っていたので行けると思いました。(他団体のリングで緊張した?)いや、いつもより楽でしたね。相手を知ってるほうがやり辛いです。(準決勝の相手、牧については?)まだ見たことがないんで、これから研究します」


MAX準優勝・新田、J-NETに凱旋の挨拶

 休憩明け、K-1 MAXで準優勝を果たしたばかりの新田明臣がリングインし、ファンに挨拶。最後は実家・奄美からとどいたという果物のタンカンを客席に投げ入れるサービスも。試合では勝利者へのプレゼンターも務めた。

◆新田「1月にJ-NETに出させていただいて、勢いを付けたおかげで、K-1 MAXでも勝つことができました。J-NETの大賀代表、ありがとうございました。これからもJ-NETにも参戦して、キック界を盛り上げます」

第9試合 メインイベント 67.5kg契約 サバイバルマッチ1
×SHIN (アクティブJ/J-NETウェルター級王者)
○我龍真吾(ファイティングマスター)
1R 2'18" KO (3ダウン:左フック)


 互いに左右のローの打ち合いの後、SHINがスリップするように。我龍は組み付いて投げるケンカファイトを展開。そして左フックをねじ込むように当てダウンを先制すると、パンチでさらに2連続ダウンを奪い、あっさりと勝利した。我龍はフリー転向後初勝利。SHINとは5/6後楽園大会でタイトルを賭けて再戦する予定だ。

第4試合 55kg契約 サバイバルマッチ1
×大原清和(レグルス池袋/J-NETバンタム級4位)
○松下ミツヤ(M-FACTORY/元MA日本バンタム級1位)
4R 判定0-3 (9-10/9-10/9-10)
3R 判定1-1 (30-29/29-29/29-30)

第3試合 60kg契約 サバイバルマッチ1
○黒田アキヒロ(サバーイ町田/J-NETフェザー級4位)
×夜桜弘治(Team YOZAKURA/J-NETフェザー級9位)
3R 判定2-0 (30-29/29-29/29-28)

第2試合 フェザー級 サバイバルマッチ1
○赤羽秀一(ウィラサクレックジム/J-NETフェザー級3位)
×笠原 淳(S.K.V.アラビアジム/J-NETフェザー級6位)
3R 判定3-0 (30-28/30-28/30-29)

第1試合 ライト級 3分3R
○ファイヤー原田(レグルス池袋)
×安川文健(AJジム)
1R 1'32" KO (タオル投入)

Last Update : 03/17 12:34

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