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[HERO'S] 桜庭移籍について榊原DSE代表「家族に裏切られた気持ち」

(5/6 up) DSEの榊原信行代表は5日のPRIDE無差別級GP開幕戦・大阪ドーム大会の終了後の記者会見で、桜庭和志のHERO'S移籍について初めてコメントした。要約は以下のとおり。

◆榊原代表「試合を見ながら(桜庭の移籍について)色々考えたが、喋るのがバカらしくなった。PRIDEのリングに上がるには、色々なものをあきらめる覚悟がいる。例えば僕がHERO'Sに行くという選択肢が無いように、桜庭選手もそうだと思っていた。彼は家族の一員で、信頼関係があれば契約は必要ないと思っていた。愛する気持ちは憎しみにもエネルギーにもなる。気持ちに溝があったということ。僕個人は裏切られたという気持ち。今(PRIDEで)命を賭けて闘ってくれている選手たちが、今の家族・兄弟。そういう人たちと世界最高の舞台を作り上げたい。藤田選手や高阪選手の生き様を見て頂ければわかるように、そこで全てを賭けて戦う覚悟がなければ真のヒーローは生まれない。」
 

正式参戦表明の桜庭「K-1もPRIDEも仲良くなって欲しい」

(5/4 up) 3日のHERO'S代々木大会に登場した桜庭和志が4日、都内のホテルで記者会見を行い、HERO'Sへの参戦を正式に表明した。

 会見冒頭、谷川貞治FEG社長が桜庭参戦に至る経緯を説明した。谷川社長は「PRIDEのお手伝いをしていた時に一番思い入れのあった選手で、批判とかじゃなく、ここ3年ぐらいの試合を見ていて、プロデューサーとして『自分だったらああしたい、こうしたい』という気持ちがあった」といい、桜庭が3月一杯で高田道場を円満退社したという噂をマスコミ報道前に聞くと、桜庭と連絡を取り久々に面会。桜庭が「自分も現状に悩んでいる。知り合いの弁護士と相談して欲しい」と話したため、桜庭の友人の上杉昌隆弁護士と2週間程話し合った。
 上杉弁護士はプロ野球の阪神の下柳剛投手、巨人の仁志敏久内野手の代理人でもある。桜庭は下柳投手とは冬季キャンプで共に練習する等親交が厚い。上杉弁護士は「(高田)道場退団後もサクは普通にPRIDEに上がり続けると思っていた」が、桜庭が「悩み死にしそう」な状態になっていたのを見るうち、他の友人と共に相談に応じるようになったという。
 その後、上杉弁護士は桜庭に代わって榊原信行DSE代表と面会。「榊原代表は誠心誠意話してくださいました」という。そして4月29日のK-1ラスベガス大会の後の5月1日、谷川社長が帰国すると、桜庭は「HERO'Sに行きます。明日、榊原社長に話に行きます」と谷川氏に語り、3日のHERO'Sのリングに覆面を付けて上がると自ら提案した。2日に桜庭と会った榊原代表は慰留に努めたというが、桜庭の決断は覆らず。谷川社長はPRIDEを中継するフジテレビや榊原代表にもこの件を報告したが、榊原代表の電話は留守番電話の状態だったという。HERO'Sの大会の運営や中継のスタッフに桜庭来場の件を伝えたのも当日朝。短い期間に事態が大きく動いたようだ。

 PRIDEと桜庭の間の契約状況について、上杉弁護士は「直接の契約は無く、PRIDEと(高田)道場との間の契約になっていた」と話す。いわゆるタンパリング(道場退団前の事前交渉)に関しては谷川社長と共に否定。マスコミで「DSE側は今後も桜庭がPRIDEを主戦場とすることを確認している」等と報じられた件については「流れの上で(DSE側が)『そう思いたい』と思われていただけなのでは?」と否定した。
 谷川社長は「桜庭選手からPRIDEに対する不満は一切聞いていない。たまたま格闘技人生の転機に話したからこういう形になったのではないか」と説明。「桜庭選手はお金で動く人ではない。僕は桜庭選手に『大好き。大好き』としか言ってなかった。これは引き抜きではない」と強調した。

 前日のリング登場時はマスクにTシャツにジーンズ姿だった桜庭だが、この日の会見には素顔でかつスーツ姿で登場。だが堅苦しさはなく、谷川社長や前田日明HERO'Sスーパーバイザーと度々笑い合いリラックスした様子だった。
 桜庭はまず「新しいところで一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いいたします」と挨拶。移籍決意の理由については「谷川さんに『好き好き』と言われて、僕も人間なんで、好きになってしまった」と照れくさそうに答える。HERO'Sの印象は「いろんな選手がいて、やってみたい選手が出てきて、楽しそう」と話し、「やってみたい選手」については「ブラックマンバ」と答え、出席者を笑わせた。
 だが、離れたPRIDEと高田道場への気持ちを聞かれると、表情が引き締まり「いろんな意味で感謝の気持ちしか無い」と回答。「長州(力)さんが(新日本プロレスから)全日本プロレスに行った時も活気づいたので、それでK-1もPRIDEも仲良くなってもらいたい」と話し、PRIDEにも上がりたい夢を語った。上杉弁護士も「サクは常人と違ってリングを狭く捉えていない。格闘技もセ・リーグとパ・リーグのように交流戦ができればいい」と話していた。

 リング上では8月5日のHERO'S有明コロシアム大会から参戦すると発表されたが、まだ正式決定ではなく、これから話し合うという段階だという。所属はフリーで、取材申請もFEG経由。当面はK-1ジム等の練習場所をFEGが用意・斡旋し、桜庭念願の道場設立のバックアップも行うつもりだ。谷川社長は「FEGのプロデュースで桜庭選手をさらに輝く存在にしたい」「HERO'Sの他の選手たちもこの件を(昨日の発表の)直前に聞いて驚いて刺激を感じていた。HERO'Sがより活性したリングになると思う」と“サク効果”に期待した。

 前田スーパーバイザーは「総合格闘技がメジャースポーツになるための最初の壁を破ったのは彼。彼のおかげで総合が日本に根付いた」と桜庭の功績を絶賛。PRIDE時代の起用方法について「テレビで見ていて、こういう状況で試合をするのは大変だなと思っていた。普通だったら、こういうマッチメイクはどうなんかな?と思った。使う側も桜庭に甘えていた部分があると思う」と語り、HERO'Sでの起用について「彼はもっとまだ時代を築けて、総合の奥深さを知らしめられる人。選手として100%力を出せるマッチメークをするのがプロモーターの基本。お金やテレビとかいろんな状況はあるけど、その辺は気をつけてやっていきたい」と話した。さらに「極端に言えば上がるリングはどこだっていい。このままHERO'Sに上がり続けるのか、PRIDEに戻るのか、それとも桜庭君自身が新しい団体を興すのかわからないが、いずれにせよ、自分たちの時代の後、彼にはさらに次世代へバトンタッチして、総合がずっと続くような役割を担って欲しい」と大きな期待を寄せた。

 なお、桜庭移籍問題についてDSE側はコメントを保留。5日のPRIDE無差別級GP開幕戦大会終了後に見解を示す。(井原芳徳)
 

桜庭、覆面姿でHERO'Sのリングへ。ライトヘビー級トーナメント参戦か?

(5/4 up) 3月いっぱいで高田道場を退団した桜庭和志のHERO'S参戦が濃厚となった。
 3日のHERO'S代々木大会の休憩明け、前田日明HERO'Sスーパーバイザーが「8月からHERO'Sに参戦することになった武士(もののふ)中の武士を紹介します」とリング上で話すと、オレンジ色のタイガーマスクの覆面をかぶった桜庭がテーマ曲をBGMに花道からリングイン。桜庭はマスク姿のまま「タイガーマスクです」と言い張り、HERO'S参戦かという質問にも「ご想像にお任せします」と答えるのみだった。
 その後はリング上で前田氏とガッチリ握手。前田氏は桜庭に何か耳打ちした後、カメラマンの前で桜庭と揃ってファイティングポーズを取った。桜庭は最後までマスクを取らないまま、花道を走って退場していった。
 桜庭は8月5日のHERO'S有明コロシアム大会からスタートするライトヘビー級(85kg)トーナメントへの参戦が濃厚。大会後の会見で谷川貞治FEG社長は「引き抜きではない。明日の会見で本人が喋ります」とナーバスな様子でコメント。果たして4日の会見でどういう言葉が出てくるのか?(井原芳徳)

Last Update : 05/06 11:34

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