(レポ&写真) [全日本キック] 8.5 横浜:38歳 真後、TKO負けで引退
全日本キックボクシング連盟 はまっこムエタイジム "日タイ修好120周年記念事業 Muay Thai Wave from YOKOHAMA 6" 2007年8月5日(日) 神奈川・横浜赤レンガ倉庫
レポート&写真:井原芳徳 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】
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第10試合 メインイベント バンタム級 3分5R ○サミンデート・チョー・ワッチャリン(タイ/プライアナンジム/元オームノーイスタジアム・フライ&ライトフライ級王者・第8回ISUZU賞金トーナメント優勝) ×真後和彦(はまっこムエタイジム/全日本バンタム級3位) 3R 0'48" TKO (タオル投入:右ローキックで2ダウン後)
真後は38歳になる直前の6月、初のタイ遠征となるルンピニースタジアムでの試合で勝利した後、今回の横浜での試合を最後に引退することを周囲に明かしていた。29歳でムエタイと出会い、はまっこムエタイジムのユタポン前田会長の熱意に押されるうちにのめりこみ、31歳でプロデビュー。選手生活7年。真後の言う「第2の青春」の幕を閉じたのも、ユタポン会長の決断で投げられたタオルだった。 ゴング前、真後に多くのファンが花束を贈呈。子供たちの姿も多く、ほのぼのしたムードに。だが32歳の元オームノーイスタジアム王者は、容赦なくゴングと同時にパンチラッシュ。わずか30秒程で左フックでダウンを奪い、会場の空気を一変させる。 前のめりで倒れた真後は「何で倒されたのかがわからなかった」というほどのダメージ。10カウントギリギリで立ち上がるも、一層厳しいタイ人の攻めが待っていた。右のボディストレート、真後も「見えなかった」という左の縦肘、ボディだけでなく相手の膝の裏の急所も狙う膝蹴り。これらの攻撃がローテーションで何発も真後の体に叩き込まれる。 特に真後は「足への膝蹴りが効いた」といい、2Rには膝で、3Rには右ローでダウン。だが真後の心は折れず、その度に立ち上がって右フックで前に出る。最後も3R 2度目のダウンから立ち上がってみせたが、ユタポン会長がタオルを投げ入れ、愛弟子の選手生活にピリオドを打った。 試合後は、かつて拳を交えた全日本バンタム級王者の藤原あらしと、同級ランカーの割澤誠が花束を贈呈。最後の挨拶を行った真後は「歳いってから始めたキックボクシングですが、ここまでやってこれたのも会長のおかげです。第2の青春、ありがとうございました」と話した。10カウントゴングの後はうっすらと笑顔。バックステージでは「悔いは無い。相手があんだけ強かったら」と語った。通算戦績17戦9勝(4KO)6敗2分。
第9試合 セミファイナル 59kg契約 3分5R ×水落洋祐(はまっこムエタイジム/全日本フェザー級5位) ○サッグサーコン・ルークマトゥリー(タイ/ウォーワンチャイ・ムエタイジム/フェザー級/元ラジャダムナンスタジアムランカー) 1R 1'43" KO (右フック)
水落は4月の全日本キック後楽園での上松戦でのWノックダウンでのKO勝ちが、フジテレビの「SRS」でも紹介されたことで話題を呼んだ選手。今回も豪腕炸裂の期待がかかる。 だが対戦相手は元ラジャのランカーで33歳の古豪・サッグサーコン。去年に水落と同門の藤牧孝仁相手に苦杯をなめており、パンフのインタビューでは「元ラジャのランカーとしての意地と誇りにかけても、2年連続で日本人相手に失態を犯すわけにはいかない」とのコメントを出していたが、試合ではその「意地と誇り」が存分に発揮される。 サッグサーコンはミドルの打ち合いでプレッシャーをかけた後、開始1分、左からのワンツーで右フックをクリーンヒットさせ、いきなりダウンを奪取。水落も上松を沈めた左フックで反撃を試みるが、サッグサーコンは難なく防御すると、再び右フックを当て水落をノックアウトした。 序盤からいきなり倒しにいくスタイルは本気モードの現れ。メインのサミンデート同様、ピークを過ぎた選手とはいえ、あなどれないのがムエタイの怖さだ。
第8試合 64.5kg契約 3分5R ×押炉花者[おろかもの](町田金子ジム/NJKFライト級6位) ○ダイスケ・ルークハマッコ(はまっこムエタイジム/全日本ウェルター級) 判定0-3 (49-50/48-50/48-50)
第7試合 ヘビー級 3分3R ○ヌンポントーン・バンコクストアー(タイ/ルークチャオポーマヘーサックジム/元ルンピニースタジアム・ライト級3位) ×小潟義明(チーム・ゼロス/元MA日本ミドル級3位) 判定3-0 (30-28/30-27/30-27)
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第6試合 スーパーウェルター級 3分3R ×亜紀斗(はまっこムエタイジム) ○武田一也(JMC横浜GYM) 判定0-3 (29-30/28-30/28-30)
第5試合 ウェルター級 3分3R ×小榑基能(はまっこムエタイジム) ○紅 祐士(キング・ムエ) 判定0-3 (27-30/27-30/28-30)
◇ アマチュアムエタイ「第7回Muay Yoko(ムエヨーコー)」トーナメント決勝戦
第4試合 70kg級 2分3R ×櫻井 均(センチャイムエタイジム) ○菅 健二(はまっこムエタイジム) 4R 判定1-2 (9-10/10-9/9-10) 3R 判定0-1 (30-30/29-30/30-30)
第3試合 64kg級 2分3R ×北原恭平(はまっこムエタイジム) ○水落暁洋(はまっこムエタイジム) 不戦勝 (北原の負傷欠場)
第2試合 58kg級 2分3R ○三浦恭平(ROOTS) ×田邊公一(DEION KICKBOXING GYM) 3R 1'39" KO (2ダウン:右ローキック)
◇ ムエタイエキシビジョンマッチ
第1試合 32kg契約 2分2R ○山本 岬(はまっこムエタイジム/10歳) ×栗林公貴(DEION KICKBOXING GYM/10歳) 判定2-0 (20-20/20-19/20-19)
◆ タイの子供支援募金に募金&一部収益を寄付
毎年夏の恒例となった、はまっこムエタイジムの主催興行では、今年もユタポン前田会長らによる古式ムエタイの演舞が繰り広げられた。戦場を想定し、剣を無くした兵士が剣を持った敵と闘う時の技が披露された。 今大会は日タイ修好120周年記念事業として行われ、タイ王国大使館の職員が選手へのプレゼンターを務めた。大会MVPはダイスケ・ルークハマッコ、ベストファイト賞はサミンデート vs. 真後和彦が獲得した。 会場で行われた募金と興行収益の一部は、タイの子供支援のために寄付される。
Last Update : 08/11 13:57
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