(レポ&写真) [新日本キック] 5.29 後楽園:武田、わずか33秒で完勝
新日本キックボクシング協会 "SLEDGE HAMMER" 2005年5月29日(日) 東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳 【→掲示板スレッド】
第14試合 メインイベント 肘無し 70kg契約 3分3R ○武田幸三(治政館) ×フェートパヤック・サックターウィン(タイ/ラジャダムナン・Sウェルター級9位) 1R 0'33" KO (左ローキック)
武田は2月のK-1 MAX日本代表決定トーナメントでは右スネが裂け途中リタイアしたが、既に完治。開始早々、その右足で蹴ったロー一発でフェートパヤックを後ずさりさせる。さらに左右のローを連打すると、フェートパヤックはあっけなくマットに沈んだ。 武田は勝利したとはいえ、両手を左右に広げ不満げ。不甲斐ないタイ人が悪いのだが、武田はマイクを持つと超満員の観客に詫び、「次は8月22日のTITANS(代々木競技場第二体育館)で世界タイトルに挑戦します」と表明した。
控室での武田の話によると、そのタイトルはWBC(世界ボクシング評議会)が新設したムエタイ部門のスーパーウェルター級世界王座だという。相手はジョン・ウェイン・パーとなる模様。昨年11月の第1回TITANSで対戦が予定されながら武田の欠場で流れていた相手だ。ウェインは7月のK-1 MAX世界一決定トーナメントに出場するため、正式決定は試合後のコンディション次第となる。
この日武田は、リングに上がる直前まで、4月に誕生した長女・一紗(かずさ)ちゃんと奥さんのことを考えながら気持ちを落ち着かせていた。武田の公式ホームページには、一紗ちゃんの名前の由来について「“一”には、【物事のはじめ。初心を忘れず】“紗”には絹等の希少価値のあるような糸、という意味から【人々に愛され、大切にされるような】人間へ成るように、という想いが込められています」と記されている。その【初心を忘れず】の思いを示すかのように、武田が「タイでファイトマネー1万円で戦っていた頃を思い出して、8月の試合に備える」とも語っていたのが印象的だった。
背負うものは家族だけじゃない。ファンの思い、新日本キックボクシング協会の威信も背負い、8月の大一番に備える。「次の試合では今日みたいなマスターベーションはしたくない。今日は全然納得していない。今日の分、次の試合でお客さんに喜んでもらえるようしたい」「今日は深津(飛成)もいい試合しましたし、協会にもいい選手がいっぱいいる。協会にとって次のTITANSは正念場になる」「大きい会場でやって、テレビが付いて、協会が表に出る時に、自分がメインをやらせてもらう。そのことに責任を感じている」と、次の試合に賭ける熱い思いを語っていた。
ちなみに武田は総合格闘技のHERO'Sからの出場オファーを断ったことを明かし、「個人的には無茶苦茶出たいけど、僕は協会の人間なので、僕の思いだけでは動けない。その前にキックとK-1で結果を残さないといけない」とその理由を語った。
第13試合 メインイベント 58kg契約 3分3R ○菊地剛介(伊原/日本フェザー級王者) ×ヤン・ハンヨン[梁 韓龍](韓国/特士/前韓国フェザー級王者) 判定3-0 (江刺家30-26/稲田30-26/珠川30-26)
菊地が得意のローで攻め、1Rから右フックでダウンを奪取。その後もローで攻勢を維持する。新調されたマットが水をはじき滑りやすい材質のため、互いに動きにくい様子。菊地はなかなか倒しきれなかったが、3R終了間際に左フックでダメ押しのダウンを奪い、完勝を印象づけた。
第12試合 メインイベント ライト級 3分3R △石井宏樹(藤本/日本ライト級王者) △デンターサイ・ギャットウィワット(タイ/ラジャダムナン・ライト級10位) 判定0-1 (深瀬30-30/稲田29-30/江刺家30-30)
サウスポーから繰り出されるデンターサイの左ミドル、さらに組み付いての膝に石井は苦戦。決定打はもらわないものの、攻略の糸口をなかなかつかめない。3R終盤に左フックを命中させたが、時すでに遅し。日本式の判定に救われたが、ラジャダムナン王座挑戦に向け課題の残る内容となってしまった。
第11試合 バンタム級 3分3R ×深津飛成(伊原/フライ級1位) ○蘇我英樹(市原/バンタム級3位) 判定0-3 (島田26-27/深瀬27-28/稲田26-27)
開始早々、蘇我のラッシュで深津は苦しみ、右フックでダウン。左フックでダウンを奪い返したものの、2Rにはまたも右フックでダウンしてしまう。深津は顔を腫らしながらも左ボディやローで応戦するが、巻き返しならず。この日一番観客を熱狂させる好ファイトとなったが、階級の壁を越えることはできなかった。
第10試合 フェザー級 3分3R ×大刀国秀(藤/フェザー級2位) ○岡田武士(トーエル/バンタム級1位) 1R 1'13" KO (右ミドルキック)
開始しばらく静かな打ち合いだったが、右ミドル一発で岡田が大刀をマットに沈めた。
内田ノボル、K-1パリから凱旋帰国
フランス・パリで27日(現地時間)に行われたK-1ヨーロッパGPに出場した内田ノボル(ビクトリージム)が早くも帰国し、ファンにアレクセイ・イグナショフ戦の勝利を報告した(準決勝で敗退)。次は8月のTITANSに出場するという。
第9試合 ウェルター級 3分3R ○萩野兼嗣(ビクトリー/2位) ×SHING(治政館/5位) 判定2-1 (30-29/29-30/30-29)
第8試合 ウェルター級 3分3R ○正木和也(藤本/4位) ×高崎博一(誠真/6位) 判定3-0 (30-29/30-29/30-28)
第7試合 ライト級 3分3R ○鈴木 敦(尚武会/8位) ×関野義男(治政館) 2R 2'40" TKO (ドクターストップ:肘による額のカット)
第6試合 ライト級 3分3R ○石原裕基(伊原) ×西川 義(藤本) 判定3-0 (30-27/30-28/30-28)
第5試合 フェザー級 3分2R ×アツシ(ビクトリー) ○大川敏彦(トーエル) 判定0-3 (19-20/19-20/19-20)
第4試合 ライト級 3分2R ×栗本初男(横須賀太賀) ○タイジ(トーエル) 判定0-2 (20-20/18-20/19-20)
第3試合 フェザー級 3分2R △栗本直基(野本塾) △早草義樹(治政館) 判定1-0 (20-20/20-19/20-20)
第2試合 52kg契約 3分2R ○勝岡 健(伊原土浦) ×松井 久(藤) 1R 2'19" KO
第1試合 54kg契約 3分2R ○拳士浪(治政館) ×藤田光次郎(尚武会) 2R 2'28" KO
Last Update : 05/30 01:36
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