(レポ&写真) [新日本キック] 7.26 後楽園:米田、ラジャダムナン王者にKO負け
新日本キックボクシング協会 "MAGNUM 2" 2003年7月26日(土) 東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳 【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・キック・ムエタイ&K-1 MAXスレッド]
第12試合 メインイベント 泰国ラジャダムナンスタジアムウェルター級タイトルマッチ 3分5R(インターバル2分) ○チャーンヴィット・ギャットトーボーウボン(タイ/王者) ×米田克盛(トーエル/同級7位・日本ウェルター級1位) 3R 2'23" KO (左肘打ち)
チャーンヴィットの左ミドルで右腕を殺されたという米田(まいた)は、ショートアッパーを当てるものの、拳の握りが甘く威力を発揮できない。3Rには肘・膝の打ち合いから突破口を見い出そうとしたものの、チャンピオンのほうが数枚上手。打ち合いを制し、最後は米田の首をつかんで左肘で米田のこめかみを強打。目の前が一瞬真っ白になったという米田は、5カウント近くでなんとか立ち上がろうとしたものの(冒頭写真)、膝の震えが止まらず、タイ人レフェリーが試合をストップした。 医務室経由で控室に戻った米田は「まだこめかみがズッキンズッキン痛い」と苦笑い。「(1月に引き分けた)ブーヌンと同じぐらいの強さだったけど、チャーンヴィットの方が動きが正確。僕より2つも3つもレベルが高かった。今みたいな練習環境では追い付けない気がする」と肩を落とした。
第11試合 メインイベント フェザー級 3分5R ○菊地剛介(伊原/王者) ×鈴木 敦(尚武会/5位) 1R 2'50" KO (3ノックダウン:左ロー)
菊地はお得意の左ローを効かせると、左ハイでダウンを奪取。さらに左ローの猛攻で2ダウンを連取し完勝。格の違いを見せつけた。
第10試合 セミファイナル 日・泰ライト級国際戦 3分5R △石井宏樹(藤本/日本ライト級王者) △ノッパガオ・ソーワンチャート(タイ/ラジャダムナンSフェザー級5位) 判定1-1 (50-49,49-50,50-50)
ノッパガオは昨年7月のJ-NETWORK後楽園大会で増田博正と対戦し引き分けている選手。だがその試合の時は仏教国タイの風習である出家から戻ったばかりで、練習を5日しかしていなかったせいもあり、十分実力を発揮できないでいた。当時持っていたラジャダムナンフェザー級王座からは陥落したものの、今もスーパーフェザー級のランカー。パンチで積極的に前に出る石井も、「ほとんど向こうの距離でやられてしまった」と振り返ったように、思うように攻められない。大きなダメージを与えることはないが、ノッパガオは左ミドル、肘、首相撲からの膝蹴りで石井を翻弄。結果は三者三様のドローだったが、石井も「終った瞬間負けたと思った」試合だった。これで連続KO勝ち記録は7でストップしたが「特に意識してなかった。また次の試合でKOできるよう頑張る」と再起を誓った。
第9試合 セミファイナル 日・泰ミドル級国際戦 3分5R ○松本哉朗(藤本/日本ミドル級王者) ×ラムソンクラーム・スワンアハーンジャーヴィー(タイ/泰国ミドル級) 1R 1'05" KO (右肘打ち)
ラムソンクラームは45戦33勝(3KO)10敗2分の選手だが、今の松本にはこのクラスのタイ人は全く問題外。蹴り足をつかんで強烈なフックを叩き込むと、さらにフックで猛攻。最後はロープに追い詰め右肘を叩き込み、タイ人を大の字にマットに沈めた。この日観戦に訪れた魔裟斗は、同体格の松本の試合をどう見たのだろうか?
第8試合 セミファイナル 日・泰バンタム級国際戦 3分5R ×加村健一(伊原/日本バンタム級王者) ○トゥンソンノーイ・シンポンローハー(タイ/泰国バンタム級) 判定0-2 (49-50,48-50,50-50)
6月ディファ大会で鈴木敦を肘で倒したトゥンソンノーイと、加村はムエタイスタイルで渡り合うが、うまさではトゥンソンノーイが上。5Rに額をカットし、僅差ながらも勝利した。
第7試合 フライ級 3分5R ○深津飛成(伊原/1位) ×スダッチ(ホワイトタイガー/3位) 5R 2'30" KO (左アッパー)
スダッチのパンチからローの細かい動きを前になかなか攻め込めなかった深津だが、次第にボディとローを効かせ、5Rに右のショートフックでダウンを奪取。さらにラッシュをかけ最後は左アッパーでスダッチを仕留めた。
第6試合 ライト級 3分5R ○朴 龍(市原/2位) ×高 修満(伊原/10位) 5R 2'06" KO (パンチ連打)
2R、朴は倒れた高の顔面を蹴る反則で減点1とされ、さらに残り30秒に右ハイでダウンを喫し、実質3点差を付けられる。さらには4Rに左目尻の出血でドクターチェックを受け、このまま高の判定勝ちの流れかと思われた。だが5R、朴が右フックでダウンを奪取。高は苦しみながらなんとか立ち上がるが、朴のパンチラッシュを浴びマットに沈んだ。
第5試合 フェザー級 3分5R ×小原祥寛(藤本/7位) ○小林ひろし(治政館) 判定0-2 (49-49,49-50,49-50)
第4試合 フライ級 3分3R ×林ライス(ホワイトタイガー) ○がってん古川(治政館) 判定0-2 (30-30,29-30,29-30)
第3試合 フェザー級 3分3R ○北野正一(誠真) ×勝山泰士(トーエル) 判定2-0 (30-28,30-30,30-29)
第2試合 ミドル級 3分3R ×弘次(横須賀太賀) ○山崎銀二郎(宇都宮尾田)※康臣から改名 判定0-3 (28-30,29-30,29-30)
第1試合 ヘビー級 3分3R ○立川政市(伊原) ×バッハ吉田(野本) 判定3-0 (30-28,30-29,30-29)
※第8試合の前の休憩開けには伊原信一・新日本キック協会代表の招きで魔裟斗がリングイン。練習場所を借りている伊原ジムの関係者にお礼の挨拶をし、「キックボクシングをもっとメジャーにしたい」と語った。
Last Update : 07/27
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