(レポ&写真) [新日本キック] 9.22 ディファ:武田、“ムエタイ版ガファリ”に呆然
新日本キックボクシング協会 "ADVANCE ATTACK 〜進撃〜" 2002年9月22日(日)東京・ディファ有明 主催:治政館
レポート&写真:井原芳徳
第15試合 メインイベント 日・泰Jr.ミドル級国際戦 70kg契約 ○武田幸三(治政館/ラジャダムナンJr.ミドル級3位) ×メッケンナー・ソーキングスター(タイ) 1R 1'12" KO (右ローキック)
5月26日の後楽園大会のサゲッダーオとのラジャダムナンJr.ミドル級タイトルマッチでは、わずか58秒、左ストレート一撃でマットに崩れた武田幸三。7月27日の後楽園でのブーヌン戦でも、肘によるカットでドクターストップ負けを喫し、再起はならなかった。 今回武田が対するメッケンナーは、過去に小笠原仁と松本哉朗に敗れている選手。戦績も79戦45勝(7KO)31敗2分と、ラジャダムナンの元ウェルター級王者の武田の相手としては実力が低い感じがする。しかし見方を変えれば、武田がもうこれ以上後退できない立場に立たされていることも意味する。
試合は武田の鋭い右ローから始まる。軽い打ち合いを経て、7月のブーヌン戦と同じような組み手でクリンチに。静かな展開から始まったが、メッケンナーが突然伸びのある右ハイキックを放ち、武田の顔をかすめると、客席は一気に騒然とする。武田はメッケンナーの軸足にローを叩き込むが、この時思わぬアクシデントが起こっていた。ハイでバランスを崩し背中を向けたメッケンナーは、そのまま苦悶の表情を浮かべ足をひきずるようにしてマットに倒れ、さらに武田は追い打ちをかけるようにメッケンナーの左足にローを叩き込む。レフェリーのカウントが進んでもメッケンナーは立ち上がれない。
試合終了のゴングが鳴る。呆然とする武田と観衆。強い武田がこれから見られると思った矢先のジ・エンドだった。武田はメッケンナーに歩み寄り腕をつかみ立ち上がらせようとするが、メッケンナーは右足を棒のように伸ばし座ったままだ。 実はメッケンナーは膝に古傷があり、自らのハイキックで突如再発。リングドクターによると、メッケンナーはじん帯を痛めた。武田もメッケンナーの右膝から「ブチッ」と音がしたのが聞こえたという。総合格闘技の話になってしまうが、8月8日のUFO東京ドーム大会のメインの試合で、小川直也のパンチでコンタクトレンズがズレたことが敗因となったマット・ガファリの敗北を思い起こさせる、あっけない結末だった。
5時間を越えるディファ大会。メインイベントはたったの72秒。マイクアピールもなく控え室に戻った武田の第一声は「お客さんに申し訳ない」。7月のブーヌン戦の反省を活かし、ヒジ対策に重点を置いてきたというが、何も出せなかったことを悔やんでいた。 「選手を長いことやってるとこういうこともあるんじゃないですか? 今日は何も言うことはないですね」とガックリした様子の武田。だが「相手がどうこうじゃなく、自分が悪いんで。その程度の相手としか今の段階では試合ができない立場と理解して、自分を戒めます」と、あくまで謙虚だったのが武田らしかった。 次はタイでの試合を計画している武田。日程は未定で、タイトル戦ではなく普通のランキング戦となる模様だ。
第14試合 セミファイナル フェザー級 5回戦 ×鈴木 敦(尚武会/1位) ○遠藤心平(治政館/6位) 判定0-3 (47-50,48-50,47-50)
遠藤の捨てパンチから右ローにつなぐ攻撃がハマり、後半戦は攻め続け金星。
第13試合 セミファイナル バンタム級 5回戦 ○小川和宏(治政館/2位) ×新宅大介(伊原/4位) 判定3-0 (49-47,49-48,49-48)
小川が2〜4R膝の連打で猛攻。5Rに新宅がパンチとキックでばん回したが逆転はならず。
第12試合 ウェルター級 5回戦 ○阿佐美義文(治政館/6位) ×鈴木祐作(伊原/8位) 判定3-0 (50-49,50-47,50-47)
伸び盛りの阿佐美が、パンチとヒジの手数で上回り勝利。
第11試合 フェザー級 5回戦 ○小原祥寛(藤本/9位) ×白熊市原(市原) 判定3-0 (50-49,50-49,49-48)
第10試合 ミドル級 4回戦 △松島忠信(藤本/ウェルター級) △青木克真(トーエル/ミドル級) 判定1-1 (36-35,36-37,37-37)
第9試合 ウェルター級 4回戦 ×植木 攻(尚武会) ○HIROKAZU(誠真) 判定0-3 (38-40,37-40,37-40)
第8試合 ミドル級 3回戦 ×弘次(横須賀太賀/ミドル級) ○松崎勇気(治政館/ウェルター級) 3R 1'34" TKO (ドクターストップ) ※出血による
第7試合 ライト級 3回戦 ×中川 大(トーエル) ○石原裕基(伊原) 判定0-3 (28-30,28-29,28-30)
第6試合 ウェルター級 3回戦 ×飛馬武士(横須賀太賀) ○昇平(宇都宮尾田) 判定0-3 (28-30,28-30,28-30)
第5試合 ライト級 3回戦 ×一眼レフ夫(ホワイトタイガー) ○星野 豹(横須賀太賀) 3R 1'05" KO
第4試合 ヘビー級 3回戦 ○國中厚二(市原) ×宮崎隆一(藤本) 判定3-0 (30-28,30-28,30-29)
第3試合 ライト級 3回戦 ○鈴木ひろし(治政館) ×佐々木泰士(トーエル) 判定3-0 (30-26,30-25,30-26)
第2試合 フェザー級 3回戦 ×豊野進也(尚武会) ○田辺祐基(藤本) 3R 1'29" KO
第1試合 フライ級 3回戦 ○林ライス(ホワイトタイガー) ×岡林久嗣(伊原) 判定3-0 (30-28,30-28,30-29)
Last Update : 09/23
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