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[PRIDE] UFCオーナーのロレンゾ・フェティータ氏がPRIDEの全権掌握

「PRIDE 重大発表公開記者会見」 2007年3月27日(火) 東京・六本木ヒルズアリーナ  [→掲示板スレッド]

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(3/28 up) PRIDEを主催するDSEの榊原信行代表は27日、UFCのオーナーであるロレンゾ・フェティータ氏(写真中央)に、PRIDEの商標権・営業権・著作権・選手契約等の全ての権利を移管することを発表した。ロレンゾ氏は兄のフランク氏とともにUFCとPRIDEの2大団体の権利を掌握し、総合格闘技の発展を目指す。
 DSEが運営するPRIDEは、4月8日のPRIDE.34が最後となり、以降の大会はフェティータ兄弟が100%出資する新会社「Pride FC Worldwide Holdings, LLC」が運営する。新会社の日本法人の所在地は現在のDSEと同じ。榊原代表を除く全社員はDSEを退職し、新会社の社員となる。新社長は未定。
 UFC公式サイトにも新会社名義のプレスリリースが掲載され、同サイトでも大々的に報じられている。買収額は非公開だが、榊原氏は「十数億円と報じられた額よりは多い」と話している。

 六本木ヒルズアリーナで27日午後6時より行われた公開記者会見には、榊原DSE代表、ロレンゾ新オーナー、UFCを主催するズッファのダナ・ホワイト社長(写真右端)、高田延彦PRIDE統括本部長ら首脳陣が出席。約200名のマスコミ、約3000人の観衆が見守る中、PRIDE 10年の節目となる重大発表が行われた。
 DSEの榊原代表は去年6月に打ち切られた地上波放送の再開を目指すため、また、Bodog等の新興団体との競争力をつけるため、自身の代表辞任を前提に新たな提携先を模索。ロレンゾ氏とは「昨夏以来幾度となく話し合って来た」といい、ロレンゾ氏からは「PRIDEをそのまま残す日本の企業を自分が用意する。手漕ぎボートに代わる大きな船を用意しよう」と提案され、「我が子を嫁がせることとした」と表現する。

 ロレンゾ新オーナーは、年商約1500億円のアメリカの有力カジノ「ステーションカジノ」の経営者の一人(関連リンク:Googleの株式情報)。ボクシングや総合格闘技を管轄するネバダ州アスレチックコミッションの委員を96年から00年まで務めたこともある。01年1月にはUFCを買収。榊原氏によると、UFCを主催するズッファの株式の配分は「ロレンゾとフランクが90%、10%はダナ」だという。
 世界の総合格闘技市場ではPRIDEに次ぐ2番手の地位の続いたUFC=ズッファだが、05年、テレビのリアリティーショー「ジ・アルティメット・ファイター」の大ヒットにより、収益を大幅増加。06年、IFL、Bodog等、大手資本をバックにつけた新団体の旗揚げラッシュとなると、以前から存在したWFA、WECを買収・傘下に。今年に入るとヨーロッパ市場進出の拠点となるイギリス法人も設立。ロレンゾ氏にとってもPRIDEの獲得は、選手獲得だけでなく、日本と東洋の市場進出において大きな足場となる。
 PRIDEのリングアナ・レニー・ハートさんのコールで登場したロレンゾ氏は「7年前にPRIDE GPの桜庭×ホイスをたまたまPPVで見て以来、恋に似た感情をPRIDEに持つようになった」「取引をしたのはPRIDEを愛しているから。ビジネスのためじゃない。自分の夢がかなうような試合が見たい」「私が2つの団体の頂点に立ち、MMAの将来とブランドを維持できる」「2人の子供を同じように愛し続けます」と話した。

 会見では佐藤大輔氏作成のVTRを交えつつ、「10年の助走を終え、100年の未来へ」「2大リーグ(PRIDEとUFC)が交わる時、総合格闘技版ワールドカップ、スーパーボウルが実現する」とファンの期待を煽った。
 PRIDE側の高田本部長は「PRIDEはUFCに買収されたのではありません。野球でいえば、ロレンゾが2つの球団を手にしたようなものです」「これかもポジティブな競争関係を築き上げる」「世界最高峰のリングというコンセプトをUFCに揺ることはできない」、UFC側のダナ社長は「他の団体はみんなジョークのようなもの。この世には二つの団体しかない。UFCとPRIDEだ」「ロレンゾとPRIDEがどういう関係になろうが知らない。私はただPRIDEを叩き潰すだけ」と発言。互いにエールを送りつつ、舌戦を繰り広げた。さっそくPRIDE.34では、UFCヘビー級王座に挑戦経験のあるジェフ・モンソン(冒頭写真右2人目)と、PRIDE側の藤田和之の一戦が実現し、対抗戦がスタートする。
 会見の最後には、吉田秀彦、五味隆典ら、PRIDEファイター約30名が登壇。吉田は「ミスター・ロレンゾと榊原代表の決断により、世界最高峰の舞台が整いました。この舞台で、俺たちPRIDEの選手が一番だと誓います」と話した。退場時には、ロレンゾ新オーナーが全選手と握手した。

 会見後の囲み取材で、榊原氏はPRIDE.34を最後に格闘技業界から離れると明言。今後は他のスポーツで新たな事業を始めたい考えだが、具体的なプランは無いという。
 PRIDE買収を持ちかけたとされるPRIDE USA代表のエド・フィッシュマン氏については「正式に彼からPRIDEを欲しいというオファーは一度も無かった。プロモーションなどの業務委託の対価を払ったが、一生懸命に仕事をやってくれない。結果を生まないので辞めさせたら彼に訴えられた」と関係を説明した。
 新興団体・エリートXCを運営する米国の大手ケーブルテレビ局・ショータイムから「逆さ合併(リバースマージャー)を持ちかけられた」が、「エリートは力不足。エリートとの合併では今日の会見のような熱は生まれない」と評価し、断った事も明かしている。
 なお、ショータイムはロサンゼルス時間の27日、K-1と提携し、10万人収容のロサンゼルス・メモリアルコロシアムで6/2(現地時間)に「Dynamite!! USA」を開催する事を発表した。(井原芳徳)(※上写真はPRIDEの会見場の全景)
(※ 会見の音声をネットラジオ番組「BoutReview Radio Show」にて配信中です)

3/27(火) 六本木公開記者会見で「PRIDE史上最大の発表」

(3/23 up) DSEは27日(火)、東京の六本木ヒルズアリーナにて「重大発表公開記者会見」を行う。PRIDE公式サイトのトップページでも「緊急重大発表!」等と大々的に告知されており、「PRIDE史上最大の発表を行います」とのこと。出席予定は榊原信行DSE代表ほか。一般のファンも無料で参加できる。受付は17:00より、開始は18:00、終了は19:00予定。

Last Update : 03/28 12:06

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