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[シュートボクシング] 土井・緒形・宍戸・菊地・白鳥が地獄の合同特訓

(6/14 up) シュートボクシングのシーザージムは11日、浅草のジムでの通常の特訓の模様をマスコミに公開した。マスコミ向けに数ラウンドだけスパーをやるお膳立て通りのものではなく、練習をそのまんま公開するという異例のもの。50歳となったシーザー武志会長自らがミットを持ち、選手のパンチと蹴りを真正面から受け止めること9R。選手達も会長とのスパーが終わるや否や、サンドバッグ100本蹴りを命じられる等、一瞬たりとも気が抜けない。「科学的にはナンセンスなのかもしれない」と自らも語る“地獄の荒稽古”に、シーザー会長がこだわり続ける理由は何なのか?(取材&撮影:井原芳徳)

 SB世界ウェルター級王者・土井広之は、シーザー会長の持つミットめがけてミドル、ハイ、ロー、膝、肘、パンチを力一杯打ち込む。会長からは時折、「フェイントを交えるように」といった指示も飛ぶ。スパーリング中は、試合中倒された場面を想定し、土井自らあおむけになり、すぐさま起き上がるという動作も織り交ぜられる。ラウンドが進むにつれ、シーザ会長の声もヒートアップ。それに比例して土井の疲労度が上がる。

 4分3Rのスパーが終わるや、シーザー会長は「サンドバッグ100回!」の指示。土井はすぐさまジャンパーを着込み、左ミドル100発を連打する。すぐ後ろではシャドーをしながら、他の選手たちが会長の指示を待ち構えている。

 シーザー会長も休む間は無い。続いてSB日本Sウェルター級王者・緒形健一のミットを持つ。会長は主に右アッパーの打ち方のバリエーションを指示していた。緒形も4分3R。SBの6月26日後楽園大会のイム・チビン戦を控え、今が疲れのピークだといい、甲高い呼吸音がジムに響く。左ミドル5連発の指示が何度も飛ぶが、終盤は勢いが落ち、会長から叱られる。緒形もスパーが終わるやすぐさまサンドバッグ100本蹴りを命じられた。「いつも試合3週間前はこういう練習をやっている。毎日延長2Rの試合をやってる感じ」とは緒形の弁。

 100本蹴りが終わっても、土井はウェットスーツを着込み、サンドバッグ打ちを続行する。土井は6/24(金) MAキック後楽園大会に参戦し、強豪・ゲンナロン・ウィラサクレック(タイ/BBTVウェルター級2位・元WBF豪州ウェルター級王者)と対戦する。会長によると、特に土井の仕上がりは良いとのこと。

 SB 6.26後楽園大会でK-1の大野崇を迎え撃つ宍戸大樹(SB日本ウェルター級王者)に、会長はフットワークの使い方を指導。宍戸はフェイントを活用したパンチや回し蹴りを繰り出した。

 スパーの後、宍戸もサンドバッグ100発打ち。「勢いが足りない」と、会長がやり直しを命じる場面も。

 リングの外では出稽古に来ている菊地浩一(寝屋川ジム/SB日本ウェルター級1位)と白鳥忍(高橋道場/全日本ライト級王者)がマススパー。白鳥は土井と同じく6/24(金) MAキック後楽園大会に出場し、西山誠人(J-NETWORKライト級王者)と対戦する。

 菊地と白鳥はリングに移動し、ヘッドギアを付けてのスパーリングを3R。白鳥は連日の出稽古で疲れが溜まっており、本来の勢いは無かったが、それでも菊地のパンチが流れた隙を突いてアッパーを叩き込む等、センスの高さを見せつける。

 菊地と宍戸が3月のタイトルマッチ以来の“再戦”。シーザー会長は「目一杯出せ。こんな機会無いんだから」と指示を出す。2R目からは「ここから試合じゃ!」という声も。激しい殴り合いで、終盤菊地は鼻血を出すほどだった。菊地は2日間だけ大阪から上京し、シーザー会長の猛特訓を受けた。「これまで気づかなかったことも色々気づくことができた。凄いいい勉強になった」と語っていた。宍戸も「他の人とのスパーより気合いが入った。菊地選手には負けたく無い」と語り、刺激材料となったようだ。

 最後は全選手でサーキットトレーニング。ダッシュ、パンチ、キック、膝蹴り等の動きを順番に繰り返す。


◆ シーザー会長のコメント
「昨日も朝晩とこういう練習をやりました。久々に一日20ラウンドもミットを持ったね。俺が先にぶっ倒れるか選手が先にぶっ倒れるかの勝負だよ。今年で僕も50だけど、自分の体が動く間は、この体で彼らに全てを伝えたいですね。一生は一回しか無いんだから、燃え尽きないと。
 今、死ぬまで、ぶっ倒れるまで練習する奴って少ないじゃないですか? いろいろ新しいトレーニング方法が流行ってるけど、自分の体さえジャンプできない連中が多いからね。今日のこいつらの練習も激しいけど、サッカー選手やジャニーズの子達はもっと激しい練習してますよ。限界を超えたところでしか身に付かないものを気づかせるのが目的。そのだめだったら、僕は鬼にでも何でもなります。
 K-1との対抗意識?比較のされ方はそれしか無いからね。名前のある所を喰っていかないと。競技は違うけど、逃げも隠れもできない。中国散打との対抗戦をやるのも一緒の考えです。ルールを超えて戦うことが大事ですよ。
 僕みたいに上から嫌なことを言うオヤジがいないとダメ。今は仲間内で楽しく練習してればいいって奴とか、格闘タレントみたいな奴ばっかりが増えている。チケットを売るためだけにがんばるんじゃなく、根本のところからファイターの気持ちを立て直さないと、格闘技ブームなんてすぐ終わっちゃいますよ。シュートボクシングもやっとハタチになったんで、大人としていい物を残して行かないとね」

Last Update : 06/14 14:00

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