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[イノキボンバイエ] 12.31 神戸:前日に最後の一波乱?藤田の当初の相手来日せず

日本テレビ "イノキボンバイエ2003" 12月31日(水) 神戸ウィングスタジアム 【→カード&チケット情報】

(12/30 up) 数多くの紆余曲折が相次ぎ、結局師走の三大イベント中最後尾の全カード確定となった猪木祭。しかし、試合前日の今日になってまたもや、メイン級のカードに変更が発生した。ミルコvs高山戦の消滅以降、一番の目玉カードに位置づけられてきた藤田の異種格闘技戦の対戦相手レイ・マーサーが、来日の飛行機に乗らず、急遽空港から引き返してしまったというのだ。マーサー側とは「ルールを含めての契約書を取っている」としている主催者側だが、マーサーは搭乗直前に再びルールに関する不満を表明して譲らず、結局飛行機には乗らなかったという。 
 これを受けて、緊急にブッキングされたのがイマム・メイフィールドという選手。マーサー戦発表前の「三人の対戦候補」にピックアップされたボクサーの一人で、川又誠矢・ケイ・コンフィデンス社長によれば「本来なら当初一番参戦して欲しかった選手」だという。
 対する藤田はカード変更にも動じた様子を見せず「自分の持てる力を明日のリングで出しきるだけ。対戦相手に関しては“やっと決まったか”というだけの話で、逃げも隠れもしないし、誰とでも闘う、闘う価値のある相手と闘うとことは変わらないんで。明日のリングには必ず来い、とただそれだけです」と明鏡止水の心境を語った。関係者の証言では、藤田はマルコ・ファス道場での対ボクサー戦に絞り込んだ練習がかなり充実した内容となった模様で、コンディションは近年でも最高に近い状態だという。それだけにこの一戦が師猪木のアリ戦に匹敵する異種格闘技戦となるかは、対戦相手のメイフィールド次第ということになりそうだ。

イマム・メイフィールド
188センチ・100キロ
1972年4月19日生 米ニュージャージー州ホリフィールド出身
1994年2月26日デビュー。デビュー戦以来高いKO率を誇り、29戦中18KO勝ちを誇るハードパンチャー。97年にはIBFクルーザー級王座、2001年にはUSBAクルーザー王座にそれぞれ就いている。23勝4敗2分。

ヒョードル参戦も今後の継続運営に課題

(12/30 up) 「ドリームステージエンターテイメントさんとフジテレビさんの深い協力のもとにより、エメリヤエンコ・ヒョードル選手が正式に明日、猪木祭に参戦、永田選手と対戦することになりましたのでご報告します」
 壇上の川又社長は疲労に満ちた表情で、そう切りだした。ヒョードル参戦問題に関して、昨日段階で見切り発車的に発表を行ったものの、独占的参戦契約の存在を主張するDSE側との交渉は難航に難航を重ね、昨日より本日の朝に渡ったという。
「苦渋の決断を下して頂いたDSEさんには心よりの感謝を述べたいと思います。今回色々なことでごたごたがありましたが、私共と致しましても今後このようなことがないように致したいなと思っております。また来年以降、格闘技界全体の発展のために微力ながら協力させていただきたいと考えております」と述べた川又社長の謙虚な言葉の裏には、今回の交渉が最終的にDSE主導によってまとめられた事を匂わせ、事実上の敗北宣言にあたる。ヒョードルに関しては今大会に限った参戦承諾を取り付けたとは言え、ミルコに続いてヒョードルの占有権争いでも、対DSEで決定的な優位を掴めなかったことになり、今後の継続的大会運営においては大きく後退した印象を残した。
 引き続き登壇した両選手は、そうした舞台裏の暗闘とは全く関係なく、試合が決定したことに素直に喜びの表情を見せており、「やっと、対戦相手が決まりました。今この場で強烈なエネルギーが沸き上がってくるのを実感しております。(二転三転したカードについては)ふられた恋人が戻って来たような感じで、それなら遠慮なく頂きますって感じで」(永田)「いま大変落ち着いていい状態です。試合への準備は万全です」(ヒョードル)とのコメントを残している。

榊原社長、態度硬化。「本当に言って欲しい部分を言っていない」

(12/30 up) 30日の猪木祭の会見でPRIDEヘビー級王者・エメリヤーエンコ・ヒョードルの参戦が正式発表された2時間半後、DSEの榊原信行社長が緊急会見を行った。榊原社長はヒョードルの「猪木祭参戦は1試合だけ」で、「二重契約は破棄し、来年2月以降はDSE専属でPRIDEで戦う」との約束を明かした上で、猪木祭側がこの2点を会見で発表しなかったことを批判。「約束を破られるようでは出場を認められない」と一転態度を硬化させた。
 ヒョードルは28日の来日直後、猪木祭の選手招へいを担当する川又誠矢・ケイ・コンフィデンス社長を通じてDSEに「弟のアレキサンダーのセコンドにつきたい」と要請し、DSEも渋々認めた。だがその後、川又社長は「自分たちのカードが揃わない。永田とヒョードルをやらせたい。とにかく頼む」と要請してきたという。榊原社長は「ヒョードルはPRIDE王者なのだから本来男祭りに出るべき。猪木祭に出ればフジテレビもPRIDEファンも『なんで他局に出てるんだ?』という風になる。だが泥仕合にしたくないし、業界全体で力を合わせたい」と考え、渋々出場を認めた。
 DSEが認めたヒョードルの猪木祭参戦の条件は「猪木祭参戦は1試合だけ」「二重契約は破棄し、来年2月以降はDSE専属でPRIDEで戦う」というもの。この日の猪木祭の会見前には、猪木祭・DSE両陣営で発表内容を原稿にまとめ、この2つの条件も明言される予定だった。だが川又社長は「DSEに苦渋の決断をしてもらって出場することになりました」という部分だけしか発表せず、榊原社長は「自分たちの言いやすい部分を言っただけで、本当に言って欲しい部分を言っていない」「向こうを邪魔するつもりはないが、約束したこと破られるようでは参戦を認められない。なし崩し的にされると困る。インチキといってもいいくらい」と非難した。
 榊原社長の会見直後、猪木祭サイドはヒョードルのコメントとして、「今回私はイノキボンバイエに参戦させて頂くことになりましたが、来年はPRIDEヘビー級防衛戦とヘビー級トーナメントでもがんばりたいと思っております」とプレスリリース。一時は和解したかに見えた両陣営だが、改めて溝の深さを露呈した。(井原芳徳)

ヒョードル×永田電撃決定。詳細は30日発表

(12/29 up) 一時は欠場の発表されたエメリヤーエンコ・ヒョードルが急遽猪木祭に参戦し、新日本プロレスの永田裕志と対戦することが決まった。
 猪木祭陣営は8日ヒョードルの参戦を発表したが、PRIDEを主催するDSEが独占契約を主張し法的措置を辞さない態度を示したため、22日に欠場を発表。両陣営は和解したかに見えた。ヒョードルが28日関西国際空港に到着した直後も、弟のアレキサンダーのセコンドに付くため来日したとの見方が一般的で、DSEの榊原社長も「来日するとは聞いていたが、セコンドに付く場合は相談が必要」との見解を示していた。だが急転直下、29日に日本テレビの番組で大会を宣伝したアントニオ猪木氏が、ヒョードル×永田を発表。ルールは総合ルール5分3Rとなっており、詳細や経緯は30日午後の会見で明らかにされる。
 天田ヒロミの対戦相手はマイケル・マクドナルドに決まった。ルールは立技ルール3分3Rで、ステファン・レコ vs. 村上和成も同じルールが採用される。藤田和之 vs. レイ・マーサーのルールも30日の会見で発表される。なお、29日の主催者のリリースではアマール・スロエフの体重は83.3kgに訂正されている。(井原芳徳)

ミルコ欠場正式決定。追加はトーマス×スロエフのみ

(12/26 up) イノキボンバイエを主催するKコンフィデンスの川又誠矢社長、日本テレビの宮本修二プロデューサーが26日都内で会見し、ミルコ・クロコップの欠場を正式発表した。川又社長はいわば手付金としてファイトマネーの一部をミルコに渡したことを明かし、「試合はできなくても、ミルコは日本に来てファンの人にコメントを出すのが礼儀」と語り、それにも応じられない場合はミルコに対し法的手段も辞さない構えを示した。対戦予定だった高山善廣サイドに、川又社長は新たな対戦候補として外国人3選手を提案するつもりだが、高山のマネージャーの伊島良昭氏は「ミルコとの対戦が前提だったので、相手については白紙に戻して話をする」とし、「試合が決まらなくても、当日会場で高山がファンに顔を見せるのは当然」と語った。
 永田裕志の対戦相手について川又社長は「ノゲイラに限らず何人かでお話させていただいている」と語るにとどまった。
 追加発表カードはディン・トーマス vs. アマール・スロエフという通好みな一戦のみ。だがトーマスはUFCライト級、スロエフは同ライトヘビー級とミドル級で試合をしていた選手。配付された資料ではトーマス74kg、スロエフ73kgとなっているが、スロエフの10月のM-1での岡見勇信戦は-85kg契約で、スロエフの体重に疑問が残る。(井原芳徳)

浪速のレスリングクイーン・辻結花参戦

(12/26 up) 女子MMAイベント・スマックガールのジャパンカップ2002ミドル級王者・辻結花が参戦し、キックボクシングWKA世界女子バンタム級王者のカリオピ・ゲイツィドウ[Kaliopi Yeitsuidou]と対戦することが決まった。
 辻は会場に近い大阪在住で、レスリング98年全日本女子選手権3位、00年スウェーデンカップ優勝の実力者。ギリシャ人のカリオピは辻のライバル・WINDY智美を全日本キック7月大会でKOしたハードストライカーだ。スマックの篠泰樹プロデューサーが猪木祭のプロデューサーも務めていることから実現した一戦で、テレビを通じて女子MMAの認知度をアップさせることが狙い。大みそか三つ巴興行戦争で唯一の女子選手の試合だ。ルールはグラウンドに制限時間のあるスマックルールがベースとなる。
 25日はアントニオ猪木氏が会場のある神戸ウイングスタジアム等を訪問。“参戦直訴”に来た辻にビンタで闘魂を注入した。だが猪木氏はミルコ・クロコップの出場問題、永田裕志の対戦相手について発表できずじまい。パンクラスの尾崎允実社長も同日都内の会見で、菊田早苗の対戦相手選びが難航していることを明かし、「まだ出場は分からないですけど、1週間切りましたよね?まだ分からないと言っている日にちじゃないですよ」と苦笑い。「ボンバイエさんもまた次があるみたいですし」と語り、今回の出場を見送る考えを示唆した。(井原芳徳)

藤田、42歳の元WBOヘビー級王者と対戦

(12/24 up) 藤田和之の対戦相手が元WBO(世界ボクシング機構)世界ヘビー級王者・レイ・マーサー[Ray Mercer]に決まった。ルールは藤田の師匠・アントニオ猪木氏のモハメド・アリ戦を再現する方向で最終調整段階に入っており、一般的なMMAではなく、寝技の制限時間が20秒となる予定だ。
 マーサーは米国出身で1961年4月4日生まれの42歳。88年ソウル五輪ボクシングヘビー級で金メダル獲得。91年1月にWBO王座を獲得し、10月トミー・モリソン戦で初防衛するも返上。翌年2月にラリー・ホームズ戦で初黒星を喫し、95年5月にイベンダー・ホリフィールド、96年5月にレノックス・ルイスと対戦するがいずれも判定負け。01年1月にマイク・タイソンとの対戦も決まったが中止となった。昨年6月、WBO王座返り咲きを目指し、現王者ウラジミール・クリチコに挑戦するがTKO負け。通算戦績は38戦32勝(24KO)5敗1分とKO率が高く、ここ10試合クリチコ戦の黒星以外は全勝。今年も8月と11月に試合をし、いずれも3Rで決着を付けている。42歳にして初のMMA挑戦となる。
 他にもK-1の天田ヒロミの参戦が決まっている。

ヒョードル欠場。永田参戦。ミルコは流動的

(12/22 up) アントニオ猪木氏、Kコンフィデンスの川又誠矢社長、日本テレビの宮本修二プロデューサーが22日、六本木のディスコ・マハラジャで会見し、エメリヤーエンコ・ヒョードルの欠場と、新日本プロレスの永田裕志の参戦を発表した。
 川又社長はPRIDEを主催するDSEの榊原信行社長とヒョードル問題について会談。代理人のミロ・ミヤトビッチ氏が確認していなかった契約書類があったことが発覚し、ヒョードルは猪木祭に出場できないと川又社長は判断した。詳細については「後日ミヤトビッチが話をする」と語るにとどまった。川又社長はDSEと和解。セーム・シュルト、エメリヤーエンコ・アレキサンダーの猪木祭出場の許可を得たという。
 猪木氏は少し遅れて会見場に到着するやいなや、「バカヤロウ!てめえ!伊藤どこいった?バカにしたのか俺のことを!」と猪木事務所の伊藤章生ゼネラルプロデューサーを怒鳴った。とはいえこれは猪木氏流のパフォーマンス。マイクを持つと笑顔で「実は昨日から監禁されていて。とんでもない女でね、そいつがトイレ行ってる間に抜け出てきました」と昨日の会見を欠席した事情を説明した。
 会見では永田の対戦相手について聞かれるが、話はすぐ横道にそれ、「みんなが楽しく幸せになるのがイノキボンバイエの基本姿勢。スキャンダル的になることはファンの望むことではない。争うのじゃなく、お互いができる限りで力を発揮して、目的は紅白をぶっ飛ばせということですから、そのコンセプトがとこかでずれないように、もう一回軌道修正しないといけないと思います」と珍しく謙虚なコメントを発した。そして当初の質問を思い出し、「永田の相手は半端な選手じゃないということでご想像願いたいと思います」と付け加えた。
 ミルコ・クロコップについて川又社長は「本人に直接話をしている状況でいきますと、怪我が治るかはあれとしましても、日本のファンを裏切らない形にはしたいという状況にはなっております」と説明している。

猪木、会見欠席。逆転の秘策は藤田×王者級ボクサー?

(12/21 up) ミルコの突然の不参加宣言に揺れるイノキボンバイエ陣営だが、渦中の代理人ミロ・ミヤトビッチ氏と大会プロデューサー川又誠矢氏が21日都内で会見を行い、追加2試合を発表した。
 だが相次ぐアクシデント勃発に揺れる猪木祭陣営の足並みの乱れは隠せず、当初会見に参加予定とされたアントニオ猪木氏は姿を見せず、5席準備された主催者側の席についたのはミヤトビッチ氏と川又氏のみ。会見自体も開始予定時刻の16時から1時間遅れで開始されるといった迷走ぶりを露呈した。

「LYOTO vs リッチ・フランクリン、アンジェロ・アラウージョ vs エメリヤエンコ・アレキサンダー。あと藤田君の相手ですけども、世界ランカークラスのヘビー級のボクサーということで、約3名の候補がいまして、そのうちの誰にするかとなっております」と川又氏が追加カードを発表した後、ミルコ問題について代理人のミヤトビッチ氏にマイクを渡す。ミヤトビッチ氏は、ミルコの公式サイトでの背中の負傷に関する発表は事実であることを確認。その上で「日本の状況とファンの期待を説明し、テレビ出演と可能なら試合に出て欲しいと伝えました。今のところは出れるかどうかわからない状況なんですが、できるだけ早く最終的な判断を出したいと思います」と語った。

 実質5分足らずで会見は終了ということになり、2人は一旦控え室に戻ってしまう。具体的な交渉内容、ミルコの状況、PRIDEとの軋轢の原因となっているヒョードルとの契約問題についてコメントを取りたい報道陣は騒然となり、その後控え室から姿を現したミヤトビッチ氏と川又氏を囲んでの質疑応答が展開されることになった。

 まず最初に矢面に立つことになったミヤトビッチ氏。「ミルコには、日本の現状とファンの期待を説明して、ホントにダメか、ちょっとでも可能性があれば出られるのか、もう1回検査してもらっていますので、今週中に結果が出ると思います」と語り、ミルコとの関係悪化の懸念については「ウチとミルコの現地マネージャーと三年の独占契約を結んでます。当人が何を考えているかはわからない。今のところは契約を結んでいるし、ちゃんとコミュニケーションも取っています」と正面からこれを否定した。

 またPRIDEとの綱引き合戦の様相を呈しているヒョードルとの契約問題についても「そちらも今PRIDEと話し合っている最中。こちらは当人がロシア語と英語でサインした独占契約書を持っていますし。PRIDEの立場からすると独占契約があるといってますけども、当人はサインしていないと言ってます。(参戦に関しては)もうそろそろ発表できると思う」と語り、あくまで参戦を前提とした姿勢を崩さなかった。

 このあと、会見が1時間遅れた問題に質問が飛ぶと、答えに窮したミヤトビッチ氏に代わって、猪木事務所の伊藤章生ゼネラルプロデューサーが回答を引き継ぐ形で「記者会見が遅れた件については、藤田の対戦相手として三人のプロボクサーということで川又さんからお話がありました。ルール問題で今、非常に揉めています。基本的には異種格闘技戦ということでお話を頂いていますが、グラウンドに関して何秒だとか、グローブはどうするといった点での微妙な問題があって、今日発表するかどうかも含めて準備が遅れました。近日中に対戦相手の名前も含めて発表できると思います。基本的に藤田は『誰が相手でもやります』と言ってます」と語り、藤田の異種格闘技戦に関してもルール問題という難題が存在することを明かした。

 しかし、このカードがミルコ&ヒョードルの欠場の危機を埋める目玉カードに浮上してきていることは事実で、川又氏も「藤田君のカードはかなり話題性もある試合となると思う。タイソンじゃないですけど(笑)三人の一人は現役チャンピオン」とのコメントで期待感を覗かせている。

 一方、ミルコの対戦相手である高山の立場は微妙なものとなりつつあり、この日会見に現れた高山のマネージャー伊島氏が発言。「主催者側からは中止という話は聞いていませんし、ミルコ戦に向けて高山はきちんとトレーニングを重ねています。ミルコも怪我をしたりして不安な状態かも知れませんが、リングに上がれば死に物狂いで戦ってくると思います。実際今日もルールの提案を貰って、これから持って帰って検討するところですし、試合があるとか無いとかいう考えは持っていません」と、あくまで対戦実現を前提とした姿勢を強調していたのが印象的だった。

 いずれにせよ、ミルコ、ヒョードルの二枚看板の動向は未だ不明、藤田の対戦相手も交渉中ということで、猪木祭を巡る不安定な状況は大会直前まで続くことになりそうだ。

ミルコ、ホームページで突然の欠場表明

(12/16 up) ミルコ・クロコップが15日自身の公式ホームページで、怪我の療養のため大みそかのイノキボンバイエを欠場すると発表した。以下は声明文の和訳。

ミルコ・クロコップからの公式声明!

 今日、私、ミルコ・クロコップは重要なメッセージを発表します。
 私は12月31日に行われるどのイベントにもファイターとして参加しない事を決めました。
 私は主治医のブキャン[Bucan]から、2週間は激しいトレーニングを控え、最近悩まされてきた背中の怪我の回復に専念するようアドバイスを受けていました。
 今回私は彼のアドバイスを深刻に受け止め、完全に回復し2004年に備えるため、体を癒すことにします。
 
 これから私は、2004年に向け、どのプロモーターとも直接にコミュニケーションします。
 私は来年、肉体的にも精神的にも完全にリフレッシュし、チャンピオンになるという私の目標を実現し、皆さんの期待に応えます。
 全ての皆さんのサポートに感謝いたします。

敬具
ミルコ・クロコップ

安田とレネ・ローゼが再戦。ヒョードルの相手は未定

(12/15 up) ロサンゼルスから帰国したアントニオ猪木氏が15日、成田空港で記者会見し、安田忠夫とレネ・ローゼの再戦を発表した。両者は01年8月のK-1 JAPANで行われたK-1軍と猪木軍の対抗戦の中で戦っており、ローゼが左ハイキックでKO勝ちをおさめている。猪木氏はロスで藤田和之を指導。藤田は120kg近くあった体重が108kg近くまで絞れるほど好調だといい、105kg近くまで落とすつもりのようだ(ちなみに5月の中西戦では114kg)。エメリヤーエンコ・ヒョードルとの再戦も期待されていたが、負傷明けの試合となるヒョードルが「待ってくれ」と言ったといいお流れ。藤田の相手は外国人となる模様だ。中邑真輔はDynamite!!出場の模様だが、猪木氏は中邑とヒョードルを戦わせたかったという。なおヒョードルの移籍問題について、猪木氏は「オレには小さな話。ミヤトビッチとかに解決してもらえば」などと語り、我関せずといった様子だった。(井原芳徳)

ヒョードル、レッドデビルに移籍

(12/8 up) ミルコ・クロコップの代理人を務めるミロ・ミヤトビッチ氏は8日、成田空港で記者会見を行い、エメリヤーエンコ・ヒョードルがロシアン・トップチーム(RTT)を離脱しレッドデビルチームに移籍したことを明かし、同チームと独占契約を結んだと発表した。
 ミヤトビッチ氏の説明によると、先週初頭にRTTとの契約が切れたヒョードルは5日、ロシア・サンクトペテルブルクで行われたレッドデビル主催のMMAイベント「MIX FIGHT M-1」に来場し、レッドデビル入りを果たした。さらにミヤトビッチ氏は日本テレビの関係者らとともに同地でヒョードルと接触。ヒョードルとRTTとの契約が切れていることを確認すると、ミヤトビッチ氏はレッドデビルと契約を結び、イノキボンバイエ出場の話もまとめた。
(上写真:契約書にサインをするヒョードルと、それを見守るミヤトビッチ氏。中写真:イノキボンバイエのTシャツを着たヒョードルがM-1の看板の前でポーズ。下写真:M-1のオクタゴン内で。ステファン・レコの姿も見える。いずれも(C) ibizcube)
 ヒョードルのRTT離脱の理由は「信用問題」。堅い絆で結ばれていると思われていたパコージンRTT代表との間に、金銭面等で亀裂が走っていたようだ。レッドデビルはオランダのゴールデン・グローリー(GG)とのつながりが深いため、GGのセーム・シュルト、ステファン・レコがイノキボンバイエに出場することとも無関係ではないようだ。
 他にもヒョードルの弟・アレキサンダー、レッドデビル所属でUFCに参戦経験もあるアマール・スロエフもミヤトビッチ氏と契約した。スロエフはM-1を直前に欠場しており、イノキボンバイエ参戦の可能性が高い。
 ヒョードルはミヤトビッチ氏と「どこのリングでも上がることができる」という契約を結んだといい、イノキボンバイエ専属ではない。PRIDEを主催するDSEとは今後話し合い、来年2月1日のPRIDE.27で計画されているアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとのヘビー級タイトル統一戦出陣の可能性も残されている。右手の負傷も癒え、イノキボンバイエのコンセプトが日本人対世界の強豪であることから、「日本で一番強い選手と戦わせてくれ」と語っているという。
 8日には渡米直前のアントニオ猪木氏も会見。ヒョードルの相手は中邑真輔ら3人ぐらいの日本人に絞り込まれたという。ヒョードルと6月のPRIDEで対戦している藤田和之は7日、Dynamite!!でプロデビューするレスリング現役強豪の中尾芳広から対戦要求を受けたが、知名度が低い選手であることから対戦を拒否したため、Dynamite!!とのダブルヘッダーは暗礁に乗り上げた。こうなると藤田がヒョードルへのリベンジに照準を絞る可能性も高まる。関係者によると藤田は8日から渡米し、数名の対戦相手候補に目星をつけた練習をスタートするという。13日には猪木氏とロスで合流し、猪木氏は15日に再び日本に戻るため、そのタイミングで対戦が発表される可能性は高そうだ。(井原芳徳)

ヒョードル電撃参戦決定

(12/5 up) アントニオ猪木氏が5日の記者会見で、PRIDEヘビー級王者・エメリヤーエンコ・ヒョードルのイノキボンバイエ出場を発表した。対戦相手は未定で、継続参戦なのか等契約内容は明らかにされていない。
 当日の日本テレビ系の放送時間は午後8時から11時15分までに決定している。

K-1 GP欠場のステファン・レコが参戦

(12/4 up) ステファン・“ブリッツ”・レコが新日本プロレスの村上和成と対戦することが決まった。ルールは未定だが、約2年前からレコはMMAの練習もしており、レコのMMAデビュー戦となる可能性が高い。レコは12.6 K-1 GP決勝戦の優勝候補の一角に数えられながらも、金銭面の問題と体調不良を理由にキャンセル。その後の動向が注目されていたが、同門のシュルトも出場するイノキボンバイエに辿り着いた。

ミルコ×高山、ジョシュ×シュルト決定

(11/21 up) 日本テレビは21日、都内の赤坂プリンスホテルで記者会見を行い、イノキボンバイエの決定カード2試合、ミルコ・クロコップ vs. 高山善廣、ジョシュ・バーネット vs. セーム・シュルトを発表した。ジョシュ vs. シュルトはキング・オブ・パンクラス無差別級選手権試合として行われる。また、藤田和之の出場も発表された。(写真:右2人目はミルコの代理人・ミロ・ミヤトビッチ氏。高山よりもデカい!)

 高山は昨年大みそかの猪木ボンバイエでもメインでボブ・サップと対戦。会見では「大みそかに目立つところに出るのが高山」と豪語。対戦を引き受けた理由についても「ミルコとやりたいから。これだけ」と語った。今回はメインになるかは未定。宮本修二・番組プロデューサーも「お祭り的なイベントにしたい」と語るように、実際の競技性よりも、話題性を重視したマッチメイクといえそうだ。
 会見後の囲み取材での高山のコメントは次の通り。
「(前のミルコの試合を見ての感想は?)いつもリングサイドで見るときは、お客さんの気分で見るんでね。特に戦うことになるとか意識して見ていなかったけど。
(曙×サップへの対抗意識は?)あっちも面白そうだから、打倒という感覚はないね。
(やはりグラウンドに持ち込みたい?)ミルコは倒されたら焦ってたけど、まあ、ノゲイラなら焦るわなぁ。
(会見では「ミルコのハイキックが当たっても痛くないように鍛えたい」と語ったが、ハイキック対策は?)痛み止めを打ってこようか(笑)。それか犬用のガムでも噛んでアゴを鍛えますよ。ま、今までミルコの試合は一通り見てますけど、もう一回全部見直します」

 ミヤトビッチ氏は「ミルコはノゲイラとの試合の翌日にクロアチアに戻り、3日だけ休んで、港町のプーラ(ザグレブから200km西)でトレーニングを再開しました。大みそかにはスピードアップ、パワーアップ、危険度アップしたミルコをお見せします。高山選手に対しては『気をつけて下さい』という伝言を預かってきました」と語っている。

 ジョシュとシュルトは2001年6月のUFC 32で対戦し、ジョシュが1R腕十字で完勝している。シュルトにとってはリベンジ&王座奪還の重要な試合となる。両選手は会見に登場しなかったが、パンクラスの尾崎允実社長(写真右端)がキング・オブ・パンクラス無差別級ベルトを携えて出席した。尾崎社長はパンクラスの他の選手のイノキボンバイエへの派遣に意欲的だが、11.30両国大会の結果をふまえて発表したい考えだ。
 藤田和之は「今年の集大成を見せる。いつ何時、誰にでも挑戦させていただく」と語り、対戦相手にはこだわらないつもりだ。
 高山は21日深夜の日本テレビの「スポーツMAX」に出演。11/23(日) 昼12:30〜1:00には日テレでアントニオ猪木氏を中心とした事前番組が放映される。(井原芳徳)

ミルコ出場決定。猪木が高田にエール

▼ (11/11 up) 東京・汐留の日本テレビ新社屋で11日、アントニオ猪木氏プロデュースで大みそかに開催されるMMAイベント「イノキボンバイエ2003〜馬鹿になれ 夢をもて〜」の開催発表記者会見が行われ、ミルコ・クロコップの出場が正式に発表された。会場はサッカーのワールドカップでも使われた神戸ウィングスタジアム。他の出場選手、ミルコの対戦相手は未定だが、ミルコの代理人のミロ・ミヤトビッチ氏によると、主催者側からは高山善廣、小川直也の名前が候補として上がっているという。日本テレビ編成局スポーツ担当の宮本修二プロデューサーは、日本人プロレスラーと世界の格闘家の対抗戦を軸にしたマッチメイクをしたいとしている。

 大みそかの三つ巴興行戦争に関して、猪木氏は「対抗意識が無いと言えば嘘になるし、大変なことだけど、結果的に3つ揃ったことで業界全体が面白くなる」とあくまで前向き。宮本プロデューサーも「3つやって逆にNHKの紅白から客を引っ張れるのでは?」と相乗効果を期待した。さらに猪木氏は来年から日本テレビで定期的に格闘技イベントを開催することを急きょ発表。「これ(大みそかの大会)は長期的に見ると一つの始まり。今は格闘技イベントが少なすぎる。若い選手がアルバイトしながら試合に出ているというのは美談になるけど、やはりプロなんだから、みんなが飯を食えるようにならないと」と語り、大みそかの興行戦争を業界の起爆剤にしたい考えを示した。
(下左:大会名称は猪木氏が自ら毛筆で大きな紙に書く形で発表された。/下右:左から宮本プロデューサー、進藤卓・日本テレビ編成局次長、猪木氏、川又誠矢・Kコンフィデンス社長、ミヤトビッチ氏)

 なお会見では、9日のPRIDE-GPで高田延彦・PRIDE統轄本部長が猪木氏に関し「去るものは追わず」と事実上のPRIDE追放宣言をしたことについても質問が飛んだ。猪木氏は「私がジャングルファイトで猿を持って出て来たのに引っ掛けたのかな?」とトボけつつも、「みんなが幸せになればいい。高田も名プロデューサーになれよ」と逆にエールを送り、「怒れば面白いんだろうけど、怒る気にならない」と寛容な態度だった。ただし曙のDynamite!!参戦に関しては「出ること事態は否定できないし、仕掛けた石井さんは大したもの」と前置きしつつも、「昔プロレスでも、ゲテモノを出した結果ツケが来てしまったことがある」と、暗に批判するような発言もしていた。(井原芳徳)

 

日本テレビ放送網 "アントニオ猪木プロデュース 大晦日スーパー総合格闘技イベント イノキボンバイエ2003〜馬鹿になれ夢をもて〜"
2003年12月31日(水) 兵庫・神戸ウィングスタジアム
開場・15時(予定) 開始・17時(予定)

<決定カード>


第8試合 イノキボンバイエ2003特別ルール
藤田和之(日本/猪木事務所)
イマム・メイフィールド(米国)


第7試合 イノキボンバイエ2003公式総合ルール 5分3R
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビルチーム)
永田裕志(日本/新日本プロレスリング)



第6試合 イノキボンバイエ2003公式 立技ルール 3分3R
ステファン・“ブリッツ”・レコ(クロアチア/ゴールデングローリー)
村上和成(日本/新日本プロレスリング・魔界倶楽部)


第5試合 イノキボンバイエ2003公式 立技ルール 3分3R
天田ヒロミ(日本/TENKA510)
マイケル・マクドナルド(カナダ/フリー)

第4試合 キング・オブ・パンクラス無差別級選手権 5分3R
ジョシュ・バーネット(米国/新日本プロレスリング/王者)
セーム・シュルト(オランダ/ゴールデン・グローリー/2位)

第3試合 イノキボンバイエ2003公式総合ルール 5分3R
アンジェロ・アラウージョ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
エメリヤーエンコ・アレキサンダー(ロシア/レッドデビルチーム)

第2試合 イノキボンバイエ2003公式総合ルール 5分3R
LYOTO(ブラジル/猪木事務所)
リッチ・フランクリン(米国/チーム・エクストリーム)

第1試合 イノキボンバイエ2003公式総合ルール 5分3R
レネ・ローゼ(オランダ/チーム・ピーター)
安田忠夫(日本/新日本プロレスリング・魔界倶楽部)




第9試合 イノキボンバイエ2003公式総合ルール 5分3R
ディン・トーマス(米国/アメリカン・トップチーム)
アマール・スロエフ(アルメニア/レッドレビルチーム)

第10試合第1試合 イノキボンバイエ2003公式総合ルール 5分3R
橋本友彦(日本/DDT)
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)

第11試合 SGS公式ルール(グラウンド制限時間有り) 5分3R
辻結花(日本/総合格闘技闇愚羅)
カリオピ・ゲイツィドウ(ギリシャ/スポーツクラブ・バグラティオ)


<放送>
日本テレビ系全国ネットにて12月31日午後8時〜11時15分

<チケット主催者先行予約>
11/29(土)までイープラスのみにて。日本テレビ内ページよりアクセスできます。
購入者にはアントニオ猪木から年賀状が送られます。

<チケット一般発売> 11/30(日)

<発売日特電>
キョードー東京  0570-01-9922
チケットぴあ   0570-02-9992
ローソンチケット 0570-06-3032
CNプレイガイド 0570-00-0980

<12/1以降通常予約受付電話>
キョードー東京  03-3498-9999
チケットぴあ   0570-02-9966(Pコード:805-265)
ローソンチケット 0570-06-3005(Lコード:58000)
CNプレイガイド 06-6776-1199

<その他券売所>
イープラス
楽天チケット

<インフォメーションダイヤル> 0180-993-992

Last Update : 12/30

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