BoutReview wrestling
 例年以上のスギ花粉が舞うなか、神奈川県横浜市でジュニアオリンピックレスリングカップが行われた。季節や天気のせいもあるが、前回の高校選抜新潟は何となく暗いイメージがあったのだが、今回の横浜は1000人近い参加者と明るい1階ロビー、金髪大学生レスラーのおかげで、全体的に明るい賑やかさがあった。

2000年全日本ジュニアレスリング選手権大会 結果表へ

JOCジュニア(全日本ジュニアレスリング選手権大会)
 

 4月22日朝9時半。横浜市文化体育館のまわりは、取材に車で出掛けた自分をあざ笑うかのように、たくさんの車やバスが所狭しと駐車されていたので、仕方なくコインパーキングにとめることになった…。

 まぁそんなことはおいといて、今回ははじめてのジュニアオリンピックの取材ということで、それまで中高生の大会しか見たことのなかった自分には大学生や女子レスラーという未知の選手の試合を見る機会となった。ところが取材に意欲を燃やしていた自分に大きな壁が立ちはだかった。なんとマットが6枚も敷かれているではないか。そして長島兄弟と平澤兄弟、どちらも双子なのであった・・・。

女子レスリング
 

 女子は第一日目に、第六マットですべての試合が行われた。
 注目のジュニア54kg級の山本聖子(日大)は連続のフォール勝ちで優勝をおさめた。
 「シニアの清水さんに勝って次のステップにあがっていく。自信はある。必ず勝つ。」と力強いコメントをし、さらに自身の階級をあげることについては「まだよくわからない、今後徐々に考えていく。」と答えた。
 63kg級の正田絢子も初戦から優勝まで一気にフォール勝ちで、他の選手を圧倒した。

男子レスリング
 

 このJOCの大会は、夏に開かれる世界大会へ行けるか否かを決める大会である。ただこの大会は、中学生から大学生という幅広い年齢層で争われるため、大学までに残っていく自身の成績を考えると、高校生にとっては楽な気持ちでのぞむか、あるいは大会自体をパスというスタイルが一般的のようである。事実、いくら同じ階級とはいえ、経験からいって大学生が最も有利なのは仕方のないこと。世界を目指す高校生もいるが、どちらかというとインターハイに照準を合わせているようである。逆に大学生は、世界に向けての重要な大会でもある。

 ジュニアではやはり大学生が1位と2位を独占、3位にかろうじて8名の高校生(36人枠のなかで。)がはいるという結果であった。
 76kg級では、前代未聞の早稲田大学対決で優勝を争った。長島弟が右のこめかみあたりを出血しながらも、平澤にフォール勝ちをおさめた。長島兄(青学)は69kg級で出場、日体大の堀井に判定で負け準優勝だった。


長島兄弟。

こちらも双子。平澤(早稲田)。