wresling


シドニー五輪フリー最終予選&アジア選手権

中国桂林遠足日記−4


■カメラが壊れて青ざめる4月27日(木)

▼興奮したまま目が覚めた今日はアジア選手権初日。調子に乗って、朝ご飯のバイキングではオムレツをオーダー。卵が山と積まれたバスケットのテーブルにはコックさんが二人いて、目玉焼きとオムレツをオーダーできる。卵の脇にはネギ、トマト、チーズなどのオムレツの具が並べてあり、好きなものを入れられる。ちょいと油が強いけれど、おいしいトマトオムレツでございました。

「オレ、食われちゃいそう?」と田南部▼アジア選手権、日本は6階級に出場。昨日五輪を取った和田は、疲れたのと手首が痛いので棄権。それでも、五輪予選トーナメントで優勝しているから順位はつくんだよね。宮田は国際戦の経験が少ないからと敢えて出場。イスラーモフ(ウズベキスタン)も出場しているのから、テクニカルなタイプと対戦する良い機会。五輪予選終了で、自分まで気が楽になっちゃって、日本選手の取材をほったらかしにして東京大会で見たときから気になっていた中国代表の130kg級選手に直撃。英語は大丈夫?と聞いたら残念そうにちょっとしか分からないんだよと大きな手で少しであることを示す。えーい、こうなったら筆談だ。意味は少しずれるが、漢字であることに変わりはないから大意は伝わる。

アジア選手権でのChen▼名前を漢字で書いてもらう「除星強」ふーん。英語だとChen Xingqiang。次は家族全員の身長。本人は190cmなのに、お父さんは176でお母さんは165。え?お父さんとお母さん、特別大きくもないじゃない。フリースタイルでは、中国代表で五輪出場枠をとったのは実は彼だけ。東京大会では、まるで自分の体格とパワーに任せた乱暴なレスリングだったけど、たった2ヶ月でレスリングらしい体重移動が身に付きつつある。ひょっとして、シドニーではダークホースになるか?

▼昼食もまたまた中華のバイキング。そろそろ飽きてきたなあ。ずっと同じものが出てくるから。ちょっとでも変わったものを食べようと奮戦中。食後、日本からのレフェリーと中国での収穫物について情報交換。「このサンダル、いくらだと思う?」桂林に来てから購入したというそのサンダル、よく見るとヒョウのシルエットにpoomというロゴが。中国名物**風ブランドというものですね。格安だろうと予想し、キリのいい安値100円ですかと尋ねると「なんで一度で当てるんだよ。」とがっかりした様子。もうちょっと高く言わせて安く買ったことを自慢したかったらしい。

モンゴルチームの54と76▼バウレビ原稿の校正をしてお昼休みを無駄にし(^-^;午後の試合が始まるので体育館へ。ホテルから体育館へ向かう途中、モンゴルチームの選手に「トルコにきてた人だよね?」と確認される。そうだよ、と答えると「写真撮って」とポーズ。

▼午後の試合も順調に進行。その終了間際、97kg級、ちょうど小菅の試合中にカメラのレンズが動かなくなる。ひえ〜試合中なのに〜。そして、シャッターまでおりなくなる。目の前では小菅の試合中。自分の思考がピンポイントで止まってしまう。その間に小菅が負けちゃった〜でも写真撮れてない〜(T_T)リザルト取り は後回し、カメラをどうにかしなくてはならない。キヤノンの修理サービスセン ターなど当然なく、街の中でもカメラ屋など一件も見かけなかった。だからとい って、中国で新しくカメラを買うのは甚だ不安だし……どうしよう。まだ、あと まる1日あるのに。借りるにしても、自分以外は地元中国以外のプレスを見かけ ない。うーん……チームドクターの坂本先生がそういえば一眼レフカメラを持っ ていたぞ。せめてレンズだけでも借りられないかな。

▼夕食後、坂本先生のカメラを見せてもらう。ミノルタのα-70i。自分のカメラ はキヤノンなので、当然、レンズをマウントできない。メーカーが違うとどうや って操作したらよいのかわからんが、とりあえず写真を撮らねば。坂本先生にカ メラを貸して欲しいとお願いすると快くOKが出た。ありがとうございます〜これ でちゃんと仕事ができます〜(T_T)

▼カメラの算段がつき、ほっとしてメールの送受信をすると、誰かがドアをノッ クする。だれだろ?と思ったらトレーナーの伊藤さん。「ホテルの人が来てるん だけど、何を言ってるか分からないから通訳して」英語で何か言ってくれている のだけど分からないという。私も観光英語程度しかしゃべれないんですが。伊藤 さんに言われて移動した先は田南部と小幡@130の警視庁コンビの部屋。黒いベス トに黒のタイトスカートという制服を着たお姉さんが言うには「あなたのお友達 が部屋の備品の魔法瓶を壊してしまったんです。申し訳ないのですが、魔法瓶代として40元もらいたいのですが。」田南部にポットを壊したのかと聞くと「小幡先輩がぶつかってテーブルから落とした」ああ、小幡@130には部屋が狭いのね。不在の小幡に代わり田南部が40元立て替える。「でも、めちゃめちゃ安くない?」確かに40元といえば日本円だと500円とちょっと。日本でポットを買うことを思う とかなり安いな。

テーブルのうえにあるのが小幡@130が壊した魔法瓶と同型のもの▼ついでにさっき受信したメールで読んだ矢野倍達からの伝言を田南部へ。矢野と田南部は同期で仲がよく、お互い違う環境になってしまった今でも連絡を取りあっているとか。矢野のメール「なんで力(ちから=田南部の名前)がそこへ行ってるの?もうオリンピック取ってるのに。」を伝えるとにやにや笑いながら「ムカつく」と田南部から返答。

▼明日はアジア選手権最終日。写真を撮る算段も何とかついたことだし、普段は撮れない外国選手の試合の写真をいっぱい撮ろう。(^-^)


→5 「チャイナドレスは赤と黄色のどちらが美人か迷う4月28日(金)」

【最終予選&アジア選手権特集目次に戻る】


レポート&写真:横森綾