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シドニー五輪フリー最終予選&アジア選手権

中国桂林遠足日記−1


■格安コースを求めてさまよう4月24日(月)

▼とうとうシドニー五輪最終予選&アジア選手権への出発日。日本チームは昨日、成田から上海経由で桂林に到着済み。でも私はまず羽田空港へ。なぜ羽田か。国内線に乗るから。なぜ国内線か。安く行くためと決まってる。中国の国内線は高い。ディスカウントチケットが存在しない。その国内線は距離に比例して高くなる。だから、一番安くなるのは国際線で直接桂林に乗り入れる方法なのだが、移 動日と定めた 24日に日本から桂林へ直接乗り入れる便がない。そうなったら、桂林に一番近い国際空港へ行けるルートを探して、桂林までの国内線の距離を短くするしかない。桂林に一番近いのは広州。そして、その日、日本から広州へ直接乗り入れる便は関西国際空港からしか出ていない。

▼ちょいと寝坊。7時半発の国内線なので、本当は6時半までにチェックインする べき、なのだが絶対間に合わなくなる。だって、浜松町でモノレール乗ったのが 6時20分くらいなんだもん。寝ぼけ眼で羽田に到着しチェックイン。カメラリュッ クをしょってすぐに飛行機へ。1時間ほどで到着した関空は国際線ターミナルへ 行ってもがら空き。ゴールデンウィークを前にして、国際線がこんなに空いてい て大丈夫なのか?>関空

▼この時点でまだ朝ご飯を食べていない。最近の航空会社は料金を安くするために 1時間程度のフライトじゃ、たとえ朝ご飯の時間でも軽食は出してくれない。ナッツの小袋と飲み物をくれるのが関の山。この日もおかきの小袋しか出てこなかった。お腹空いたな〜、折角だから関空で「けつねうどん」を食べよう!と企むが、空港内移動距離が長すぎて時間がない&出発ゲートのそばにうどん屋がないため断念。仕方ない。帰りに食べるか。代わりにブタマンを買う。もちろん醤油とカラシつき。これから中国へ行くのにどうしてブタマンなんか買ってるんだろう?と自問自答しつつも空腹には耐えられず平らげる。

▼関空から広州への国際線は、羽田からの国内線に続き日本エアシステムに乗る。国際線で日本の航空会社て、いつ以来だろう?思い出せない(^-^;でもガラガラ。出される機内食を、ここで食いっぱぐれるとまともな食事にありつけるのはいつか分からないと決めつけ、悲壮な覚悟で平らげる。あー、機内食は日本の航空会社がおいしいねえ。どんな機内食も出されれば全部食べるが(途中で飽きるけど)、食べ初めてから「義務感」で口にするようになるまでの時間がいつもより短い。

▼広州に到着し、飛行機から一歩出ると湿った空気が全身を包む。長袖なんて着ていられないくらい蒸し暑い。ベトナムが近いもんねえ。広州空港の国際線から国内線への乗り換えは、国際線ターミナルの建物を出、右へ曲がって隣の建物へ。国内線ターミナルに入ったとたん、果物の良い香りが。パイナップル、マンゴー、 マンゴスチン、バナナ、スイカなどなど夏の果物がたくさん。これなら食文化が 豊かにもなるよ。

▼空港税を払って国内線の出発ロビーへ。広州から桂林への便を待ち続けること数 時間。売店ではテレサ・テンのビデオが流れており、CD売場には藤子アニメのサ ントラがどっちゃり。山口百恵の全集も。でもパッケージは中国語。いい加減時 間つぶしの方法が無くなってきた頃、ようやくフライト。本当だったら、もう到 着している時刻だよ。中国南方航空の国内線で出たスナックは「水蜜棗」。ナツ メを水飴で煮て甘くしたもの。これに飲み物がつく。自分はコーラを頼んだが、まわりの人たち(当然、現地人であるところの中国人)は圧倒的に「ヤシの実ジュース」を飲んでいる。ストローでちゅるちゅるとおねーちゃんもオッサンも飲 んでいた。

璃江河畔の景色

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▼桂林空港のゲートを抜けると、出口に「FILA」と書いた紙を持った学生ボランティアが。彼らの誘導でホテル行きのワゴン車に乗車。桂林市中心部にあるというホテルへ。市街地から遠く離れたところに空港があるのは世界共通。30分以上バスに揺られて桂林市内へ向かう。平らな土地のところどころに水墨画でよく見かける円筒形に盛り上がった山が見える。山がないところには水田が広がる。ちょうど田植えの季節。不揃いな田圃はどこも水が張られ、水牛を使ってシロカキしたり、手で田植えをしたり。市街地に近づくにつれ、道路沿いにお店や民家が目立つ。ぼやーと窓の外を見ていたら、ニワトリが全力疾走してるぞ。自転車と競争している。乗り合いワゴンなので順番にいろんな人を降ろして、最後の一人は私。付いたところは今回の宿、璃江飯店( LiJian Hotel)。

▼ロビーに入ると、フロントの反対側、世界時計の壁板の下に中国レスリング協会の受付があって、まず宿泊代を前払い。支払いを済ませたところに、トルコの 世界選手権のときにホテルが一緒だったモンゴルチームの選手たちがちょうど受 付に。あのとき、Hさんから頼まれたレスリングシューズを渡した63kg級の選手に話しかけられる。(モンゴルの選手は名前が長くて覚えられないんだよ。(^-^;)「Hさんは来ないの?」と聞かれたので残念だけどこれないんだよ、と言 うと、今度は「和田は何キロ級で出るんだ?63か?」と日本チームのラインナッ プに探りを入れられる。いまさら隠すことでもないから、和田は69kg級で、63kg級には宮田が出ると答える。和田が63で出てきたら怖いと思ってたのかな?宮田でも十分に怖いよ。

▼鍵を受け取り、IDカード発行のために証明写真を撮影。使っているカメラがキヤノンなので一方的に親しみを覚える。エレベーターで7階に。部屋の鍵を開けていたら、後ろの部屋が開いてそこから関川が。おや?という顔をされる。アジア選手権に行くよ、て言ってなかったっけ?びっくりしている関川に今着いたば かりなんだよ、と話していたら、関川と同じ部屋の和田がエレベーターを降りて 部屋へちょうど戻ってくる。男子選手の部屋割りは、基本的に一階級おきに二人部屋。54は 63と、58は69と同じになることが多い。例外もあるけどね。どうしても**のイビキがうるさくて眠れないから別の部屋になるとか。

▼モンゴルの選手に和田が出る階級を尋ねられたと告げると「誰に?」と聞かれ る。世界選手権に出ていた方で、東京大会に来た選手とは別の人と答えると、誰 なのか分かった様子。和田の顔、右目の下に久しぶりに痣がある。練習でぶつか ってできたんだろう。今回は、試合前日になってもちゃんと人の顔を見て話が出 きるね。ほっとしたよ。

▼部屋に入って、まず電話線を確認。ジャックを抜いて差し込めないかと探すのだが、壁にも埋め込み、電話機にも埋め込み。あー、音響カプラがやっぱりいるのかなあ。ならば、と食後にビジネスセンターを探す。が、ポーターを捕まえて聞いてみたらば、朝9時から夕方5時までしかやっていないという。きー!!役立 たず!エジプトのホテルでもビジネスセンターは24時間営業だったのに!と叫び ながら、部屋でメールの草稿を書きつつ夜は更けて。でも、いつもの12時間以上 移動するような場所と違い、時差が1時間しかないからちゃんと眠くなり熟睡で きたのでした。


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レポート&写真:横森綾