1999・1・15
修斗 the Renaxis 1999
"Devilock Fighters"
後楽園ホール
 

メインイベント(70kg契約3回戦)

佐藤ルミナ
1R 6秒
飛び付き
腕ひしぎ十字固め
チャールズ・テ イラー ×
K'z FACTORY TEAM U.S.A.
[167cm 70.0kg] [173cm 70.0kg]

 ミファイナルの桜井が34秒でKO勝利を収めた後のメインイベント。トリを務めるルミナにプレッシャーがかかってもおかしくはない。まして昨年のVTJ98でペデネイラスに失神KO負けを喫した後の復帰戦だ。結果もさることながら,圧倒的な力の差を見せて勝利した桜井の試合内容と比較されることは,ルミナ自身も充分に意識していたことであろう。ルミナの相手はユニバーサル・サブミッション・アカデミーの新鋭,チャールズ・テイラー。レスリングをベースにしながら,師匠であるフランク・シャムロックのもとでサブミッションの習得にも余念がないという。これ以上取りこぼしは許されない状況で,ルミナがどのようなファイトを見せるか。そして,前の試合の桜井のインパクトをどのように打ち消すのか。ルミナのメインイベンターとしての真価が問われる一戦となった。

 ングと同時にローキックでルミナを牽制するテイラー。シャムロック門下生だけあって,キックの打ち方はさすがに様になっている。しかし,ルミナはテイラーの踏み込みに合わせてカニ挟み気味に飛びついて腕を取ると,そのまま腕十字固めの体勢へ。体を返して逃れようとするテイラーだったが,ルミナはそのまま裏十字固めでタップを奪う。この間わずか6秒。客席は爆発したような盛り上がりで総立ち状態だ。プレッシャーのかかる状況の中で,観客の期待以上の結果を出すところがルミナのルミナたる所以であろう。コーナーポストに駆け上がって勝利をアピールするルミナの姿からは,修斗のエースたる誇りと輝きが感じられた。昨年は怪我や敗戦で停滞気味だったが,そのもたつきを一気に取り戻して余りある勝利といえよう。この試合を見る限りでは,近々開催が噂されるウェルター級王座決定戦の大本命の地位は揺るぎそうにない。


(中村宜夫)


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取材:岩瀬俊、中村宜夫 カメラ:井田英登
HTML編集:井原芳徳