1999・1・15
修斗 the Renaxis 1999
"Devilock Fighters"
後楽園ホール
 

[総評] 修斗の描く「起承転結」


  斗の前年からの勢いは、雪の予報も吹き飛ばした。いつもの後楽園ホールなのに、とても狭く感じるほどの超満員。でもそれは、最も華のある3選手の揃い踏みという、贅沢なカードを用意したのだから当然だろう。

 人を会場に集めることまでは、修斗に吹いている追い風が作用したとしても、その客が帰るときにどうなっているかは分からない。私も前日までは、「平凡な楽勝」が続く数ある興行の一つと思って期待はしていなかったのだが、それは完璧に裏切られた。


  初の2試合を「起」とすると、郷野が「承」。客のボルテージは一旦下がって焦れる。直後のマッハが、ローとヒザで一気に爆発させて「転」。それを見たルミナが、マッハを上回る鮮やかさで「結」を決めてしまった。

 マッハの34秒は、郷野の甘さを強く引き立たせたし、ルミナの6秒は、そのマッハさえも脇役にしてしまった。ルミナの昨年の成績を考えると、今日の相手(何もしてない)が弱かっただけという見方もあるだろうが、今日の楽勝にそうは思えなかった。それ以上のものを見せつけられた。うまく表現できないが、「ルミナだったら、あのホイラー相手だって6秒で倒しちゃうかも」と、感じさせる絶対的な強さのようなものである。そんな驚くべき楽勝だった。


 全5試合しか行われなかったにもかかわらず、マッハとルミナの「異常な楽勝」は、一年のスタートに強烈なインパクトを残したのである。

(岩瀬俊)


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取材:岩瀬俊、中村宜夫 カメラ:井田英登
HTML編集:井原芳徳