98・11・29
パンクラス
Neo Blood Challenge
大阪・梅田ステラホール

 

第3試合 10分1本勝負
(3分間の延長戦有り/1ロストポイント制)
横浜
柳澤龍志
 
2分35秒
アンクルホールド
横浜
窪田幸生
 
×
 

 コーナー・柳澤龍志、身長191cm。対する青コーナー・窪田幸生174cm。ぱっと見で数字通り、もしくはそれ以上の体格差を感じるこのカード。しかし、ファースト・アタックを仕掛けていったのは小さい方の窪田、思い切りのいいミドルを柳澤に叩き込む。闘争心みなぎる窪田は攻め手を絶やさずタックル、あっさりと一回り以上でかく見える柳澤をマットに横たわらせる。そして体勢を入れ替えようとする柳澤をそのままフロント・チョークへ。


 構な長い間、首を捕らえられていた柳澤だったが、何とかこれを凌ぎ、規格の違いを生かして立ってからのバスター。それでもクロス・ガードを外さない窪田だが、不利な体勢は変わらず、バックを取られる。がしかし、そこから手を取りに行き、試合のムーブメントを作り出す。そして前方に回転しての膝狙いから流れ、足首を極めに。脚の取り合いになるが、一度これをきらった窪田は立ち上がり、柳澤の両足を持って引きずり体勢を整え、有利な条件で再び膝を狙いに行く。柳澤は冷静にこれを捌き、場面は足首の取り合いへ。しかし「脚の取り合いになれば、こっちの勝ちは決まったようなもの」な柳澤はきっちりと窪田の足首を極め、タップ・アウトを奪う。この日のメンツでの最古参で唯一の、パンクラスの前身、藤原組のマットに立った経験のある男の貫禄を見せつけた。


 謂“ポジショニング”が緩くても、シューズを履いた掴みやすい足を捻って極め勝つという、パンクラス・ルール下の勝ち方のお手本を見せたような柳澤だったが、試合後のインタビューではノー・ルール・マッチへの意欲を見せ、12月からは会社にもそのアピールをしていくことを語った。



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文章:眞砂嘉明 カメラ:井田英登 HTML:井原芳徳