パレストラの同門同士の戦いであるこの試合，中井の牙城を，藤本がどこまで崩せるかに注目が集まった。

　試合開始からすぐに自分から引き込んで下から攻める中井。藤本もすぐにパスガードしようと試みるが，中井の足をどうしても越すことができない。中井は藤本の動きの隙をみて下から足をすくってスイープ，リバーサルポイント（2Ｐ）を奪う。ガードポジションになる藤本だが，中井はすぐにパスガード，サイドポジションに移行して藤本に攻勢をとらせない。そのまま中井はマウントポジション（4Ｐ）を奪取。そのまま守っても楽に逃げ切れるポイント差だったが，あえて一本勝ちを狙って下になって締めにかかる。藤本も意地で一本はとらせないが，地力の差は明白で，中井は試合終盤にもリバーサル→パスガード→マウントポジションで大量得点を奪う。終わってみれば21-0の大差で中井の勝利。前回のWARS4では，自分よりも5キロ以上重い藤原正人を13-0で完封してみせた中井だが，今回はそれを上回る横綱相撲を展開して見せた。

（中村宜夫）

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