98・10・25
VALE TUDE JAPAN '98
東京ベイNKホール
 

第3試合(85キロ契約)

× 修斗ライトヘビー級2位
1R5分26秒
T.K.O.
 
須田匡昇 ブランドン・リー・ヒンクル
クラブJ
  ハンマー・ハウス

 

 ンクルはハンマーハウス所属の全米学生フリースタイル王者とある。総合の経験は1試合のみだが、柔らかそうな筋肉と均整の取れた肉体の持ち主。

 一方、須田は8月のライトヘビー級タイトルマッチに失敗するも、さっそく再起のチャンスを与えられた。躊躇をせずに関節を取りに行く思い切りの良さと、それを極められる強さが持ち味。「極」のガウンがよく似合う。


 田は相手のパンチをかわして組み付きにいくが、相撲はヒンクルが制して上に。時折腰を上げながらパンチを打ち降ろすヒンクルに、三角を仕掛けにいく須田。ヒンクルの力まかせの動きにはムダもあり、腕でも足でも取るチャンスはありそうだ。「パンチ」と「極」のどちらが早く決まるのか、スリリングな攻防。


 連の攻防で左目をハラした須田だったが、下から腕を取ってアームロックを狙う。自由を奪われパンチも出せず、太い血管を浮き上がらせながら必死にこらえるヒンクル。「離すなぁ!」と観衆も思わず声を上げるが、どうしても背中まで持っていけずに数分が経過、結局須田から離して、ヒンクルは再び自由に。そして、バテた須田にこれまで以上のパンチを連打する。


 田は止む無く左足に照準を絞って足首を取りにいくが、まだパンチは降ってくる。それを嫌った須田が体勢を入れ替えてヒールを狙った瞬間、ヒンクルは空いた右足で顔面にストレート。2発目でレフェリーが止めに入り、ヒンクルのTKO勝ち。

 して上手くないヒンクルに須田が負けた。エンセンクラスの体格を持った人間が減量するのならまだしも、このくらいの階級ではもう日本人ではタチウチ出来ないのでは、そんな絶望感さえ抱かせる試合だった。決してレスリングに負けているとは思えず、パワーだけで殺されている・・・

 
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取材:岩瀬俊 カメラ:井田英登